編めば編むほどわたしはわたしになっていった の商品レビュー
美しい空気を纏った文章。それはきっと、編み物という、自分の指を動かしてものを作る人独特の空気感なのだと思える。 子どもの頃のきのこ採りの話は、その時の山に差す光まで見えるようだった。23歳の時の、田舎の温泉宿で働きながら暮らしたことを書いたものも、よかった。 もう書かないだろうか...
美しい空気を纏った文章。それはきっと、編み物という、自分の指を動かしてものを作る人独特の空気感なのだと思える。 子どもの頃のきのこ採りの話は、その時の山に差す光まで見えるようだった。23歳の時の、田舎の温泉宿で働きながら暮らしたことを書いたものも、よかった。 もう書かないだろうか、また何か書いてくれたら読みたいな。
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- ネタバレ
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この人は助かったんだなと鬱々とした気分で読んでいたけど、そもそも実家が太い良い環境で育まれていて土台からして違うんだと思った。本人が希望するなら大学に行かせてあげようと思うと言ってくれるご両親は貴重な時代だったのではないかな。全部想像だけど。 インフルエンザのワクチンは打った方が良い。大人が風邪をひいた時に病院にかからないのは本人の自由だけど子供を連れていかないのはな。よくないよ。昔の話だし今更言ってどうなる事でもないけど。お子さんの命が失われなくてよかったですね。
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文章がとても素敵だなと思った。あれやこれやの気持ちのひだというかさざ波というか、を表現するのがうまいなと。 転校経験に共感。 p101 この時期、わたしは「自分という生き物」になるために繭を作っていたのかもしれない。薄い皮膚から漏れ出しそうな中身を守るために、ひとりになり、静か...
文章がとても素敵だなと思った。あれやこれやの気持ちのひだというかさざ波というか、を表現するのがうまいなと。 転校経験に共感。 p101 この時期、わたしは「自分という生き物」になるために繭を作っていたのかもしれない。薄い皮膚から漏れ出しそうな中身を守るために、ひとりになり、静かな場所で、さなぎの栄養となる「世界」をむしゃむしゃと食べながら。 自分の個人的な世界が日増しに大きく、また充実して行くのと同時に、学校にいることのつらさは日に非に耐え難くなった。 p102 自分が触れ始めた「良いものたち」、つまり本や音楽や映画を、もっとしっかり理解するために勉強する、ということだった。だって、国語ならば文学作品を読んで理解したり文章を書くことが勉強だし、音楽なら演奏したり鑑賞するのが勉強だ。そのことを単に受験の道具にするよりも、一生続く何かとして深めていくほうがいい。 ----- お金の使い方、物の選び方もセンスがいいなーと思った。 へびこさんと名付けた腕時計(1940~50年くらいのもの。パテック・フィリップという世界最高峰のメーカー。ブレスレットの金具の一コマずつ、職人が手で削っている。小さな幾何学模様の彫りが施された金具の一つ一つは、へりが微妙に丸みを帯びていて、角を感じさせず優しかった。値段を尋ねると、そのほかの時計とは数字の桁が一つ違った。 うさぎさんと名付けた指輪(自分のわがままのためには使ったこともない金額だったそう。ウサギの体全体には荒い砂つぶほどのダイヤが象嵌され、目としてはめ込まれた緑の石はエメラルド。店主が100年ほど前、イタリアの地方の町の骨董屋で見つけたとのこと)。 買ったときのそんなエピソードも楽しい。
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人生は、その人その人の物語なんだ、としみじみと思う。その時は、なぜこんなに息苦しいのか、なぜ自分は生きていかなければいけないのか、わからない。でも、人生を自分の物語として捉えた時、世の中を受け入れることができるし、自分自身をまるごと受け入れることができる。 ニット作家であるこ...
人生は、その人その人の物語なんだ、としみじみと思う。その時は、なぜこんなに息苦しいのか、なぜ自分は生きていかなければいけないのか、わからない。でも、人生を自分の物語として捉えた時、世の中を受け入れることができるし、自分自身をまるごと受け入れることができる。 ニット作家であるこの作者は、文章の紡ぎ方も本当に上手だ。その時々の自分の気持ちを的確に表現できる彼女の世界にぐいぐい引き込まれていく。 ほぼ日ファミリーに認められた人間なのも、うなづける。
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でもスローな人間には、自分がそうであるということは、わからない。 わたしにはわたしの時間が流れていた。 わかるのはそれだけ。 わーーー、って叫びたくなる気持ちは、おれにもわかる。 そこからどんな流れでそういう話題になったのかは思い出せないが、その車中でわたしは「将来子供は持ち...
でもスローな人間には、自分がそうであるということは、わからない。 わたしにはわたしの時間が流れていた。 わかるのはそれだけ。 わーーー、って叫びたくなる気持ちは、おれにもわかる。 そこからどんな流れでそういう話題になったのかは思い出せないが、その車中でわたしは「将来子供は持ちたくない」と宣言した。 生きるということはめちゃくちゃ大変なことだから、自分の分を生きたらもう、それでよしとするべきだ、というのがわたしの考えだった。 人の一生が良いものだったか、十分幸せだったかなんて、詮索するのはお節介なことだと思う。 当時わたしは傲慢なくせに臆病で、将来のことを考えることが怖かった。 「大人の文化」に触れ始めて、わたしの中になだれ込むようにいろんなものが溜まっていった。 この世界にはどうやら素晴らしいものがたくさんあるらしい。 それを分かち合える人は周りにいないけれど。 一番近くにいる家族には、時に「役が足りない」ことがあるのだと思う。 それでもなんとか元気でやっていてほしい。 おばあさんになったら、もっと鈍感になって、生きることが簡単になるかな。 でもそうしたら、生きてるって言えるかな。 そうして鈍感になってまで生きる意味なんて、あるかな。
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エッセイ 編み物に関するエッセイかと思いきや、そのほかの話のほうが多かった。 自分でも久し振りに書いてみようかと思う。
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どこかで聞いたことのある名前だな、と思ったのが手に取ったきっかけ。少し上の世代だからか、文章のなせる技なのか、子ども時代の空気感がとても心地よかった。おじさんのことを語る空気感には切なさを感じた。
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著者のエピソードを読みながら自分の思い出が引き出され、彼女が彼女になったように、自分が自分になった出来事を思い出すひとときになった。何気なく過ごした日々に隠されたルーツ、自分の大切な宝物。わたしもいつか振り返りたい。
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友人に向けて書いていたエッセイが 元になっているのだそうで ご自身の生まれから幼少期の思い出 家族とのエピソードなど 「ちょっと聞いてね」みたいな やわらかい感じで読みやすかったです。 ただ、私としては勝手に もっとタイトルよりの話を期待していたので そういうのは少なくてちょっ...
友人に向けて書いていたエッセイが 元になっているのだそうで ご自身の生まれから幼少期の思い出 家族とのエピソードなど 「ちょっと聞いてね」みたいな やわらかい感じで読みやすかったです。 ただ、私としては勝手に もっとタイトルよりの話を期待していたので そういうのは少なくてちょっぴり残念。
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子どもの頃から目に映るものをそっと観察して自分の内に落とし込んできたからこそ、三國さんと作品には独自の世界観が備わっているのだと納得した。 幼い三國さんと妹、そしてお母さんと隣家のおばちゃんの4人できりりと挑むキダケ採りの話が好き。
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