MISSING 失われているもの の商品レビュー
つまらない。海外旅行に同行できる若い女優、定宿のホテルと高級バーレストラン。すべてがナルシシズムへのお付き合い。
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解釈 何かを失ったと気づいた主人公が思い入れのあるレストランで出会った真理子に連れられ「過去に行く列車」に乗った、が実際にはそのレストランは潰れている。到着すると外套を着ていたり既に死んだ人がいる過去にいた(主人公は曖昧に認識してる)そこから亜空間のような所に入り、母親の声で主人公が知ってる過去や知らない過去を話し始め、これは自分の意識の信号だと認識し、暫く夢と現実の狭間で何が夢で何が現実か分からない状況となり、そこに真理子が来てもう一度レストランへ。そこに父親がいて主人公が父親の死に目に聞き取れなかった言葉を聞きたいかと迫ってきたが「もういい」と背を向け母の助言のおかげぇ「この世」に帰ってこれた? 時系列が分かりにくいのは主人公が夢と現実の狭間(あの世とこの世)にいることを追体験させるためなのか? 考察 精神科医が断固として主人公の精神病を認めないのは実は主人公は統合失調症で認めさせると妄想をさらに真実だと思い込んでしまい危険だから認めなかったのかな。精神科医は50代から統合失調症を発症することはないと言っていたが、割合が低いだけ 感想 幻想的なことが起こったと思ったら主人公がそれを現実的に解釈したりと、幻想と現実の狭間で読んでる感じふりきれなかった、それがテーマなんだろうけども。
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前は長編小説は全部読んでいたのだけど、『オールドテロリスト』を読んだのが2019年でそれ以来だ。同じような描写が繰り返されて展開にとぼしくて読むのがしんどい。これは失敗ではないかと思っていたらお母さんが出てきたあたりから、私小説的な展開となって面白くなる。創作の根本について多く語られる。 たしか『コインロッカーベイビーズ』で「常に最悪を想定する」と語られて、なるほどと納得して自分の信条のようにしてきたのだけど、この小説では「常に最悪を想定しているとリラックスできなくて心を病む」というようなことが書かれていてショックだ。30年くらいそうしていた。
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主人公のしつこい状況確認が、 不安に対して強迫的になるのは理解できるが、 まー、しつこくて白けてくる。 しかしこの白ける感覚は、 ごくごく個人的な内的世界と物語の再構成に、 強引に巻き込まれているから、 当然といえるのではないだろうか。 それにしても、 村上龍作品に私が期待す...
主人公のしつこい状況確認が、 不安に対して強迫的になるのは理解できるが、 まー、しつこくて白けてくる。 しかしこの白ける感覚は、 ごくごく個人的な内的世界と物語の再構成に、 強引に巻き込まれているから、 当然といえるのではないだろうか。 それにしても、 村上龍作品に私が期待するものとは違ったという意味で、 あまりおもしろとは言い難く、 それでも村上龍らしくもあって、 なんとも言えん。
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久しぶりの村上龍。各章のタイトルに「浮雲」「乱れる」など成瀬巳喜男映画が引用され、本文中にも例えば「乱れる」の描写がある。のだが…、霧の中のような廊下もライトも母の声も「どうでもいい」。俺の現実(生活)からあまりに遠い。
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久しぶりに読んだ村上龍の小説! ・同じ苗字の同じ時代を生きた小説家にテイストが似ているような気がした ・作者の話なのか?何処までが本当の話?と答え合わせをしたくなる ・作者の過去作の一行目に作中で出会った時、なんだか嬉しかった ・不思議な国のアリスの主人公をおじさんにしたらこん...
久しぶりに読んだ村上龍の小説! ・同じ苗字の同じ時代を生きた小説家にテイストが似ているような気がした ・作者の話なのか?何処までが本当の話?と答え合わせをしたくなる ・作者の過去作の一行目に作中で出会った時、なんだか嬉しかった ・不思議な国のアリスの主人公をおじさんにしたらこんな感じ! ・母親の朝鮮半島に住んでいた時の話が面白かった 猫が急に喋り出す!? 若き女優と再開し、電車に乗って昔通っていた店に向かう!? 主人公は奇妙な世界に迷い込んでしまい、自分の世界と現実の狭間で自分の過去と精神を振り返る・・・ 荒唐無稽で秩序のある物語
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村上龍が好きか、せめて『限りなく透明に近いブルー』を読んでいるかで印象は変わりそう。 『歌うクジラ』と同じく少し時間をおいて評価が高まる様に思う。
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最初は、どんな小説なんだろうと展開が読めなかった。 途中、心理的な精神や心療内科とのやりとり。キーポイントとなる母親との妄想のようなやりとり。 読んでいて、先日読んだ、カズオイシグロのわたしを離さないでに似たような回想録。 読むのに1ヶ月半かかったが、文体もシンプルで無駄が...
最初は、どんな小説なんだろうと展開が読めなかった。 途中、心理的な精神や心療内科とのやりとり。キーポイントとなる母親との妄想のようなやりとり。 読んでいて、先日読んだ、カズオイシグロのわたしを離さないでに似たような回想録。 読むのに1ヶ月半かかったが、文体もシンプルで無駄がない。村上龍が幻想小説のようなものになる予定だったとあるように、現代の心理、精神の科学的な読めない現象みたいなものを表した作品であっただろう。 母親との長いやりとりは、くどくもなく、完成度は高いものではなかろうか。
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読み終わって、他人の夢の話を延々と聞かされていた気分です。退屈かと問われればそうでも無くて、堂々巡りの話の中に過去へのタイムスリップが生々しく、引き込まれてしまいました。村上龍の自伝と思えば納得します。難解で不思議な本でした。
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頻出した表現を借りると、「過剰な想像が現実を覆う」ような、「睡眠と覚醒の境界」にいるような小説だった。というか、これって小説なの?って、小説である確信が持てない、小説のカタチをした追体験みたいだった。 村上龍の作品は「限りなく透明に近いブルー」「コインロッカー・ベイビーズ」「希望...
頻出した表現を借りると、「過剰な想像が現実を覆う」ような、「睡眠と覚醒の境界」にいるような小説だった。というか、これって小説なの?って、小説である確信が持てない、小説のカタチをした追体験みたいだった。 村上龍の作品は「限りなく透明に近いブルー」「コインロッカー・ベイビーズ」「希望の国のエクソダス」しか読んだことないから他の話がどんな構造をしているのか総合的なことはわからないけど、「MISSING」は村上龍の私小説って言っても否定できないだろうし、でも経験とか思い出を書いてるのかって言われたらたぶんそうじゃなくて、村上龍に憑依されてぼーっとしちゃう感じがする不思議な話。 幻想はどんどん変わっていくのに、でも同じ場所をずっとぐるぐるまわってるみたいで、ふわふわして良い気分だなって思った次のページでは車酔いしたみたいな気持ち悪さがある。 間違ってもどこかのホテルで読んだりしなくてよかったと思う。そんなことしたら気がおかしくなるかもしれないからどこで読むかには気をつけたほうがいいと思います。
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