昆虫学者、奇跡の図鑑を作る の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
(放送原稿から) 図鑑といえば!「昆虫図鑑」。有名な昆虫図鑑といえば、ニューワイド、やNEO、ムーブ、ワンダ、などが ありますが、この「奇跡の図鑑」は、学研のライブ「昆虫」。 『昆虫学者、奇跡の図鑑を作る』作者の丸山先生は、小さい時からやっぱり昆虫が好きで、昆虫図鑑も大好き。 そんな先生に学研からの依頼がきます。 なんと、2千種類を1年間で。そして生きたままの昆虫を、撮影のプロではない全国のたくさんの昆虫愛好家が写真に とって図鑑を作る、という難しいプロジェクトが始まるのです。 たったの1年間ですよ?チャンスはほとんど一度きり。春にしか出現しない昆虫ならその時期を逃せばもう出会えません。 図鑑の最終ページにめっちゃ小さい字で載っている協力者はなんと350名。なのに編集者は1名? それだけでも、いろんな苦労が想像できます。 結局、最初の構想よりさらにボリュームアップした2800種を載せた図鑑が完成します。 また、図鑑の目次を見ればわかるように、よくある昆虫図鑑が、人気のある「カブトムシ」や「蝶」などを並べているのに 対して、昆虫の進化の順に並べられているのも、この図鑑のこだわりだと聞いています。 おすすめ、はしますが、昆虫、ということで「読みたい!と思ってくれる人は少ないかもしれません。でも 図鑑をつくるって、人が作っていて、こんなに大変で、でも楽しそうで。 図鑑を作っている中で、なんと新種の昆虫も見つけてしまうというドラマ付き。 そんなドラマを自分も体験しているような気持ちになれる本です。 そして、なんと!そのドラマを経て作られた奇跡の図鑑も一緒に見ることができるんです! ぜひ、そちらも手に取って、1ページ1ページに込められた情熱を感じ取ってほしいと思います。 さらに!その図鑑づくりに参加された箕面昆虫館の「昆虫図鑑ができるまで」という冊子も展示しています。
Posted by
西日本新聞掲載の「虫の居どころ」がおもしろ過ぎて著者に興味が湧き、この本を、「学研の図鑑LIVE昆虫新版」を手元でめくりつつ読みました。何とたったの1年で、生きた昆虫写真と解説を約2800 匹分も掲載するとはどれだけ大変な事だった事でしょう。丸山氏の人脈の豊かさ、まとめる力とサポ...
西日本新聞掲載の「虫の居どころ」がおもしろ過ぎて著者に興味が湧き、この本を、「学研の図鑑LIVE昆虫新版」を手元でめくりつつ読みました。何とたったの1年で、生きた昆虫写真と解説を約2800 匹分も掲載するとはどれだけ大変な事だった事でしょう。丸山氏の人脈の豊かさ、まとめる力とサポート力等々に感心し、集結した方々の「子ども達のためにより良い図鑑を作りたい」という熱意も生き生きと伝わりました。1年間の山のような作業は想像を超えた大変さだったでしょうが、皆さん苦労も厭わず目をキラキラさせて楽しんでおられただろう、と感じました。多くの子ども達がこの奇跡の図鑑を宝物として育ち、未来の後継者が数多く出てくるだろう、と思いました。 新書読み終わった後に、図鑑を再度めくりました。どう考えても、これだけの写真撮るだけでも、苦労が想像を軽く超えます。インパクトのある表紙写真も、絵だと思っていましたが実物写真とは驚きです。なのに、丸山氏に協力を依頼された方々は、無謀な依頼と分かっていながらも、「なんか面白そう」「楽しそう」と、依頼を引き受けているんですね。図鑑の最後のページの、各分野の膨大な数の協力者一覧も、ぜひ皆様にも見て頂きたいです。 図鑑を最初から最後までじっくりと見て読んだのは、生まれて初めてです。丸山氏は、高齢者女子(私)がワクワクしながら図鑑をめくって楽しんでいる姿は、絶対想像されなかっただろうなあ、と思うと、ちょっとおもしろいです。 1点だけ、困っていることがあります。以前は、見つけ次第処分していた庭で発見する毛虫とイモムシが、「ごめんなさい」出来なくなってしまったこと…。その虫をこの図鑑で調べて、「ほおお、君はこの蛾や蝶の幼虫なんだな。なかなか可愛いじゃないか!元気に大きくなれよ!」という風に。
Posted by
本書を読む前から件の図鑑は持っており、それも、この掲載種数の多さと写真の美しさ、解説の充実具合で税込み2,420円は実質無料やんと思いながら購入した。 しかし、本書で克明に綴られる制作過程を知るにつけて、無料どころかお釣りがもらえるレベルやんと思い直した。 制作関係者の苦労と忍耐...
本書を読む前から件の図鑑は持っており、それも、この掲載種数の多さと写真の美しさ、解説の充実具合で税込み2,420円は実質無料やんと思いながら購入した。 しかし、本書で克明に綴られる制作過程を知るにつけて、無料どころかお釣りがもらえるレベルやんと思い直した。 制作関係者の苦労と忍耐は計り知れない。
Posted by
図鑑に載せる写真は、生きた状態で、白バックで、同じ角度、というとんでもない条件を自ら設定して、しかも、期限は1年間。その図鑑ができるまでのいろいろな苦難を書いた本。筆者の丸山宗利さんの書きっぷりが楽しく、また、いろいろな人が関わってしまって、頑張る姿がまた、読んでいて楽しいです...
図鑑に載せる写真は、生きた状態で、白バックで、同じ角度、というとんでもない条件を自ら設定して、しかも、期限は1年間。その図鑑ができるまでのいろいろな苦難を書いた本。筆者の丸山宗利さんの書きっぷりが楽しく、また、いろいろな人が関わってしまって、頑張る姿がまた、読んでいて楽しいです。 ハエが生きている状態でとまっている所を写真におさめるなんてすごい。その写真を撮ったのが、ハエの愛好家の女性だというのだから驚きです。ハエの写真を撮っては嬉々としてネットにあげているらしい。世の中いろんな人がいるな。 虫好きじゃなくても楽しめる本です。でも、虫のカラー写真がいっぱい出てくるから、虫嫌いには無理かもしれません。
Posted by
それぞれの昆虫ジャンルが得意なプロ達がいて、彼等が集まって図鑑を作っていく様子が、とってもかっこいいと思った。作成期間が一年しかないのに、写真も解説も紙の質まで!全く妥協しないのも、本当にかっこいい。読んだ後に図鑑を買いました。
Posted by
2.9。長い謝辞メインな後書き。凄いのは分かったけど単独で面白い読み物にはなってないかな。関係者の熱量も分かったけど。まんまと図鑑読みたくなるけど。思うつぼ?
Posted by
思いついても大変だからムリだろうって諦めずにちゃんと形になったのすごすぎる 読んでて5歳くらいの頃いろんな物が載ってる図鑑持ってて虫のところだけ糊でくっつけて開かないようにしていたことを思い出した(生き物全部苦手だったんだけど虫が一番こわかった)作った人ほんとごめん…
Posted by
生きた状態で撮った写真で作る昆虫図鑑のドキュメンタリー。昆虫好きの人たちがどれだけの熱意を持って改訂を行ったのかが軽妙な文章でわかりやすく楽しく知れます。業界用語の解説などもあってちょっとだけ通な人になった気分になれました。
Posted by
個人的にクリエイターは自分の作品の制作裏話や苦労話はしない方がカッコいいと思ってはいるけど、まぁ付き合いのある編集者にそそのかされたんだろうなぁ。幻冬舎だし。 音楽や美術のクリエイターとはちょっと違うか。 それにやっぱり面白いよね、こういう裏話って。
Posted by
こちらの本は読んだというよりは、聞いたもの、オーディブルを利用しました。 それはもう素晴らしく面白かった。軽妙な文体ということもあり、少し早めに再生させるとリズム感も良くて、まるでラジオ番組を聴いているかのようでした。情景描写も簡潔でなおかつわかりやすく、下手なドラマよりも臨場感...
こちらの本は読んだというよりは、聞いたもの、オーディブルを利用しました。 それはもう素晴らしく面白かった。軽妙な文体ということもあり、少し早めに再生させるとリズム感も良くて、まるでラジオ番組を聴いているかのようでした。情景描写も簡潔でなおかつわかりやすく、下手なドラマよりも臨場感がありました。おそらく読んで楽しむのも良いですが、オーディブルの利点を充分過ぎるほどに発揮できた本ではなかろうかと思います。 前半は図鑑や昆虫、撮影についての基礎知識が語られ、協力者たちのエピソードが盛りだくさん。しかし、私の胸を貫いたのは後半の図鑑という『本』を作ることに対しての熱意であり、そこから始まる未来への展望でした。差し込まれていた協力者たちのコラムが、ここに来て伏線回収とばかりに輝き、素晴らしかった。 この本に影響され、もう子どもも図鑑に夢中になる年ではないのに『昆虫図鑑』を買ってしまいました。老眼の進行した目で、ゆっくりと楽しみたいと思います。
Posted by
- 1
- 2