ネコはここまで考えている の商品レビュー

髙木佐保(著者)

2024/07/18

＜目次＞
第１章　　動物はどのように考えるのか
第２章　　ネコはどこまで物理法則を理解しているのか
第３章　　ネコは“声”から“顔”を思い浮かべるのか
第４章　　ネコは”どこに”“何が”を思い出せるか
終章　　　ネコの思考能力はどのように進化したのか

＜内容＞
大学院での研究成果を本にしたもの。世界でもあまり研究していないネコを対象に、ただネコが好きだから研究している。そして予想通りに、ネコもかなり考えて行動していることを証明できたわけだ。

2024/01/05

同い年の京大院卒猫心理学者の本。図書館で目に止まったので読んでみた。
論文っぽく仮説、比較実験とその結果、そこから得られる考察という流れで記載されていて、思考の流れが分かって面白かった。
３つの推論能力:因果推論、推移推論、排他推論。
集団生活を行う社会性をもつ動物は総じて推論能力が高いという点、なるほどなぁとおもった。誰かと生活するって予測、推測をする能力求められるよなぁ。コミュニケーション能力の一部とも言えるのかも。
類人猿、サル、鳥類は総じて推論力が高いが、伴侶動物イヌ、ネコは△

あとは動物によって推論を行う際に得意とする感覚モダリティが異なるらしい。猫は待ち伏せ型の狩りをするタイプなので、視覚は弱く、聴覚が強い。

結論、猫はどこまで理解できていて、何ができるのかはこの本ではよく分からなかった
動物の頭の中を覗くって難しい。
とりあえずねこみたいな生活したい

2023/04/01

　犬、猫は伴侶動物。きまぐれでミステリアスで何を考えているのか分からないところが猫の魅力。この本は著者の10年間の猫研究の集大成、学問的、専門的。高木佐保「ネコはここまで考えている」、2022.9発行。私なりに平たく要約しますと：①優れた聴覚によって、音源を定位できる。更に、飼い主の声と未知の人物の声の弁別ができる　②飼い主が目の前にいなくても、心の中でその姿やイメージを思い描くことができる　③家庭ネコは自分の名前を分かっている。同居ネコの名前も理解している　④この皿にはあのエサが残ってるはずと推論する。

2023/01/31

「うちの猫は人間の言葉がわかるのよ～」みたいな主観でなはなくしっかりとした実験に基づいた猫の心理学。
面白かったです。

2023/01/28

もちろん内容に興味はありましたが、カバーの猫がきれいで、ほぼジャケ買い（死語）。文中の写真は白黒ですが、何となく著者の猫好きがわかる気がするようなものばかりでした。
肝心の中身ですが、猫の思考能力についての実験と考察ですね。本の1/3は引用している論文や関係するグラフなどの注釈で、本と言うよりは論文そのもののような構成です。まあそれはいいとして。
動物を対象にした心理学者の実験ですから、どこまで科学的と言えるのか疑問ではあります。データとして有効なサンプル数とか、そういうことよりも、その実験結果は、人間以上に優れている動物の嗅覚や聴覚の影響を見落としているのでは？と思うものが多いです。以前、猫の知能は人間の３歳ぐらいの子と同じぐらいだとどこかで読んだのですが、そのこと以上に印象に残ったものはありませんでした。猫の思考能力についての研究の、はじめの一歩ならこんなものでしょうか。

2022/12/23

動物心理学からネコの認知能力を検証した学術的な本。
結局読んでしまうのだが、この手のものは実際にネコを飼っていると当たり前に感じられることを学術的に厳密化する方向なので特段おどろきもなく退屈になってしまう