そうしないことはありえたか? の商品レビュー
分析哲学的自由論の紹介と解説。何となく重箱の隅をつつくような感じで苦手に思っている分析哲学ではあるが、この本は入門と銘打っている通り、非常にわかりやすく自由について考えることができた。責任を問う、問われるには自由が必要だが、何ものにも影響されることのない完全なる自由は神の「創造」...
分析哲学的自由論の紹介と解説。何となく重箱の隅をつつくような感じで苦手に思っている分析哲学ではあるが、この本は入門と銘打っている通り、非常にわかりやすく自由について考えることができた。責任を問う、問われるには自由が必要だが、何ものにも影響されることのない完全なる自由は神の「創造」と同じなのではないか、そこまでの自由が本当に人間にあるのか。うーむ。
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構成が秀逸なのだと思うけど、一気に読み通せる面白さで素晴らしい。 今の科学的世界観だと自由意志ってないのでは? とすると責任もないのでは?という問題に興味があれば、これまで大枠どういう考え方がされてきたかを適度なレベル感で知ることができる。 とてもオススメな一冊で、同著者の次作...
構成が秀逸なのだと思うけど、一気に読み通せる面白さで素晴らしい。 今の科学的世界観だと自由意志ってないのでは? とすると責任もないのでは?という問題に興味があれば、これまで大枠どういう考え方がされてきたかを適度なレベル感で知ることができる。 とてもオススメな一冊で、同著者の次作が出ればまた読んでみたいと思うけど、(将来の自分のために?)敢えて物足りない点を1つ書いておくと.. ★以下はこの本の評価とは関係なくて、哲学的問題のどうしようもなさみたいな? 建設的でテクニカルな議論として読めば面白いんだけど、自由意志について本来的に疑問に思うこと、自分にとって本来的に重要な点についてはほとんど書かれてない。素人ながら思うに、時間の「流れ」とか「いま」「ここ」<私>とか呼ばれる主観的現象について科学的には記述されてない現状なので、科学法則をベースに論理的に考えたところで懐疑主義にしかならないのでは。何であれ論理的な法則のもとでの自由意志って何なのか、どう定義すれば納得できるのか、自分には想像がつかない。人によって直感的にはいろいろ異なる考え方に同調するだろうけど、その違いを分析する議論は、そのレベルの問題意識では面白いけど、なんだか本質的に重要な感じはしない..
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自由論と決定論についての入門書。初学者にもわかりやすく、解説されており、読みやすかった。責任との関係で自由論を捉えることが前提ではあったが、自分の中にそうした理解はなかったので解像度が少し上がった気がする。
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開始:2023/3/14 終了:2023/3/23 感想 すべてが決定した世界で自由に振る舞えるのか。それは今の自分たちにはわからない。そこに人間の自由はあるのではないか。科学の隙間を縫う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
たぶん同い年(?)の哲学者・高崎将平さんが書かれた自由論の入門『そうしないことはありえたか?』を読んだ。物語をスルスル読み進める読書とは対極の、厳密な論理的手続きを踏んでいく分析哲学の重厚だけど鋭利な読み口が個人的には心地よかった。一見、正解のないような哲学のテーマに、プロはどうやって立ち向かうのか。その理論構築と言語化作業を支える探究心に頭が下がる。
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