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サラゴサ手稿(上) の商品レビュー

4.4

8件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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2024/08/16

「アルハンブラ宮殿」や「ドンキホーテ」のような世界で(どっちもスペインだからそりゃそうなのだけど)、「充たされざる者」のような取り止めのなさ、話の中に別の話が出てきて、さらにその中に別の話がといういくつもの入れ子に20夜目で流石にイライラして発狂するかと思ったところ、レビューによ...

「アルハンブラ宮殿」や「ドンキホーテ」のような世界で(どっちもスペインだからそりゃそうなのだけど)、「充たされざる者」のような取り止めのなさ、話の中に別の話が出てきて、さらにその中に別の話がといういくつもの入れ子に20夜目で流石にイライラして発狂するかと思ったところ、レビューによればこうした伏線は最後に回収されるというので一息ついてやっと落ち着いて読んでいこうと思い直した。 ゆっくり読んだほうがいいなと思う。 中巻を手に入れねば。

Posted byブクログ

2024/01/02

紙に書かれていた外国語の手記を口頭で翻訳してもらったものを口述筆記したという設定の物語。さらにその中の登場人物が物語を語り、その物語の中の登場人物も物語を語り始める・・・ すごい入れ子構造の物語で、いまどの階層を読んでいるのか見失うことが多々ある。深い階層の物語が意外に長いので、...

紙に書かれていた外国語の手記を口頭で翻訳してもらったものを口述筆記したという設定の物語。さらにその中の登場人物が物語を語り、その物語の中の登場人物も物語を語り始める・・・ すごい入れ子構造の物語で、いまどの階層を読んでいるのか見失うことが多々ある。深い階層の物語が意外に長いので、最上位階層ではそれほど話が進んでいなかったりする。 千夜一夜物語のような枠物語の一種だが、一人の語り手がたくさんの物語を語る線形構造ではなく、たくさんの語り手による物語が複雑に絡み合っている。 この複雑な構造の物語を18世紀に書いたポトツキ氏は本当にすごい。 ここまで約400ページ読んで全体の3分の1。読むのは少し疲れるが、先が楽しみでもある。

Posted byブクログ

2023/06/03

サラゴサ手稿をどこでいつ知ったのか思い出せないのだけどようやく読むことができるようになって嬉しい。デカメロンの系譜というかなぞらえていたのか。今のところ話がどう転がっていくのか捉えどころなく目眩く感じが楽しい

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2023/04/14

まったく前情報を入れないまま、邦訳が完結まで刊行されたということで読み始めた。これで1/3読んだことになる。今のところ面白い。 「第1デカメロン」とか「第2デカメロン」とか、「デカメロン」ってなんだっけ、と思って『デカメロン』を書店で軽く読んだけど、作中人物による語りによって物...

まったく前情報を入れないまま、邦訳が完結まで刊行されたということで読み始めた。これで1/3読んだことになる。今のところ面白い。 「第1デカメロン」とか「第2デカメロン」とか、「デカメロン」ってなんだっけ、と思って『デカメロン』を書店で軽く読んだけど、作中人物による語りによって物語が展開される形式をとっているってことなのかな?『デカメロン』も『千夜一夜物語』も読んだことがないけど、このへんと似ているらしい。 作中の語りの中で、さらにほかの話が語られることが多く、「いま誰が何の話してるんだっけ?」と混乱しがちと思いきや、(たぶん訳者の方が?)それぞれの挿話にタイトルをつけて、目次にもそれを載せているので、迷子になりにくい。

Posted byブクログ

2023/04/14

ポーランドの大貴族ヤン・ポトツキ(1761-1815)が フランス語で執筆した幻想長編。 著者がサラゴサ包囲戦(1808年)にフランス軍将校として 参戦した折、人家に残された手稿を手に入れ、 スペイン人大尉に仏訳口述してもらって書き取った―― という設定で、スペイン、シエラ・モレ...

ポーランドの大貴族ヤン・ポトツキ(1761-1815)が フランス語で執筆した幻想長編。 著者がサラゴサ包囲戦(1808年)にフランス軍将校として 参戦した折、人家に残された手稿を手に入れ、 スペイン人大尉に仏訳口述してもらって書き取った―― という設定で、スペイン、シエラ・モレナ山中をさまよう 武人アルフォンソの61日間に渡る体験が綴られている。 彼が出会った人々の話を聞き、 その中の登場人物が更に身の上話を繰り出したり、 本の内容が開陳されたりするという 目くるめくマトリョーシカ小説。 上巻は第二十日まで。 第一~十四日までは旧約(国書刊行会判)で既読。 *** 国王フェリペ五世からワロン人衛兵隊長に任命された アルフォンソ・バン・ウォルデンはカディスを出、 従者二人と共にマドリードを目指して シエラ・モレナに分け入ったが、 何故か従者たちが相次いで姿を消してしまった。 心細くなってきた夜更け、不意に美しい女性が現れ、 旅籠に案内されたアルフォンソは、 エミナとジベデと名乗る異教徒の美人姉妹に もてなされた。 彼女らゴメレス一族は アルフォンソと親類に当たるのだと打ち明け、 身の上話を始め、 アルフォンソが改宗しなければ妻にはなれず、 夢の中でしか逢うことはできないと言うのだった。 しかし、目覚めたアルフォンソは 絞首台の下に横たわっていたことに気づき、仰天――。 *** 美人姉妹や、絞首台に吊るされたり姿を消したりする 盗賊の弟たちの謎を放ったまま、第一巻の後半では ロマ(作中での表記はジプシー)の一団と行動を共にする アルフォンソが、族長から様々な物語を聞かされる。 族長パンデソウナこと本名ホアン・アバドロの冒険。 女装がサマになり、 てっきり美女だと思い込まされてしまう人が続出したという ホアンは一体、どれほどの美少年だったのか(笑)。 *** 細かい話は後日ブログにて。 https://fukagawa-natsumi.hatenablog.com/

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2023/04/06

18世紀ポーランド人の書いた千夜一夜のようなもの。 外人部隊の隊長に任命されたスペイン人がムーア人の美女らと関係を結ぶところから話は始まる。次々と現れる登場人物たちが語る話は、次々と入れ子構造を為していく。この時点では、個々のエピソードの関連性は見えてこないが、十分に魅力的である...

18世紀ポーランド人の書いた千夜一夜のようなもの。 外人部隊の隊長に任命されたスペイン人がムーア人の美女らと関係を結ぶところから話は始まる。次々と現れる登場人物たちが語る話は、次々と入れ子構造を為していく。この時点では、個々のエピソードの関連性は見えてこないが、十分に魅力的である。

Posted byブクログ

2022/10/06

誰かの打ち明け話の中で、別の誰かの打ち明け話が始まるような入れ子型の構造とか、昔の人はホントにこんな考え方をしたんだろうかと悩んでしまうような浮世離れのした筋の展開とか、まだ三分の一だからね、まだまだ楽しませてくれそう。

Posted byブクログ

2024/06/16

工藤幸雄氏が逝去された後、もはやこの作品の全貌を知ることは叶わないだろうと思っていたが、まさか全訳が、それも岩波文庫で読めるようになるとは僥倖という言葉以外に表現しようがない。どうやら当分の間、ポトツキの魔術にに幻惑されながら過ごすことになりそうだ。

Posted byブクログ