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「強い円」はどこへ行ったのか の商品レビュー

3.7

17件のお客様レビュー

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2023/01/25

円安と今後の円の動向を知るために読んで以下のことを学んだ。 ・以前から謎だった日銀が円安がいいと言う理由 ・現在が成熟した債権国から債権取り崩し国への変換点の可能性がある。 ・今の円安の主因は貿易赤字と内外金利差である。 ・家計の貯蓄から投資への進展は更なる円安を招く。 ・金融政...

円安と今後の円の動向を知るために読んで以下のことを学んだ。 ・以前から謎だった日銀が円安がいいと言う理由 ・現在が成熟した債権国から債権取り崩し国への変換点の可能性がある。 ・今の円安の主因は貿易赤字と内外金利差である。 ・家計の貯蓄から投資への進展は更なる円安を招く。 ・金融政策だけでは円安を解消できない。

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2022/11/06

フェアバリューのない為替相場において、昨年から続く大幅な円安について、賞味期限の長い骨太な考察が行われている。最近は内外の金利差が注目を集めるが、著者は10年ほど前からの貿易黒字の減少などマクロ面を重視し、成熟した債権国に移行したが故の現象であると主張する。つまり、ここ10年ほど...

フェアバリューのない為替相場において、昨年から続く大幅な円安について、賞味期限の長い骨太な考察が行われている。最近は内外の金利差が注目を集めるが、著者は10年ほど前からの貿易黒字の減少などマクロ面を重視し、成熟した債権国に移行したが故の現象であると主張する。つまり、ここ10年ほどで大きな経済的構造変化があるということになる。その上で、今回の大幅な円安、そして物価上昇に対する家計部門の驚きと怒りは、これまでの円安を善とする世の中の空気を大きく変えることになるだろう。この点についての経済・政治の分析は中々面白かった。

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2022/11/05

円安が、日本経済の構造変化によるものかもしれないという指摘はおもしろい。また、リーマン以降の日本は貿易赤字で円安にはデメリットが大きいとも。ただ、原発再稼働を安全性などデメリットの言及なしにひたすら促していたのが気になった。

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2022/10/29

2022年63冊目。208ページ、累計17,087ページ。満足度★★★★☆ 株式・債券(金利)・為替の中で、フェアバリューがなく最も予想が難しいのがドル円に代表される為替レートです 本書は、2022年になり急速に進んだ円安について、実は今から10年以上前から底流として日本経済...

2022年63冊目。208ページ、累計17,087ページ。満足度★★★★☆ 株式・債券(金利)・為替の中で、フェアバリューがなく最も予想が難しいのがドル円に代表される為替レートです 本書は、2022年になり急速に進んだ円安について、実は今から10年以上前から底流として日本経済の構造変化があったことなどを、データを使って平易に解説しています 展開される論点は首肯できるものが多く、おすすめ

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2022/10/31

来年度予算要求のため電子ジャーナルの見積書を各出版社から集めたが、急激な円安により、価格は大幅に上昇している。  国は、ゼロ金利政策を依然堅持し「貯蓄から投資へ」のスローガンを掲げ、投資による資産形成を促しているが、国内貯蓄は、そもそも国債の購入等に充てられて おり、極端な円売り...

来年度予算要求のため電子ジャーナルの見積書を各出版社から集めたが、急激な円安により、価格は大幅に上昇している。  国は、ゼロ金利政策を依然堅持し「貯蓄から投資へ」のスローガンを掲げ、投資による資産形成を促しているが、国内貯蓄は、そもそも国債の購入等に充てられて おり、極端な円売り投資に殺到すれば、一層の円安が進む可能性もある。  新型コロナウイルス、ウクライナ侵攻、世界的な物価高騰や国際情勢の緊張など、様々な要因が経済に絡んでおり、単純に理解できないが、これまでの国際協調時代 とは異なる不安定な社会状況に直面している。  今後の経済の先行きは不透明であり、円安がトータル的に日本にメリットがあるのかどうか疑問であるが、本書が指摘するように現在の円安を最大限生かし、人、物、金を日本に集める環境を用意するなど、思い切った我が国の歩むべき道を考えることが必要な時期であることは確実である。 (ファーストリテイリング会長談(10/14):「経済は本当にひどいですよね、これ。構造的に転換しないとだめでしょ。小手先のお金を配ることだけ、こんなことでい いんですかね。」)

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2022/09/23

「結局、リフレ政策で目指した物価上昇目標が9年間未達だったからこそリフレ政策への支持率が安定していたという皮肉な実情が浮かび上がる」 まさにそうですね

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2024/09/06

現在円安が進んでいます、私の世代の人間は20世紀末に同様の円安を経験してから円高を経験しているので、いずれ元に戻ることを期待している人もいるかもしれませんが、今回の円安は前回の時と状況が異なっている様です。 この本を書かれた方の本を読むのは初めてでしたが、私が思っていた20年ぶ...

現在円安が進んでいます、私の世代の人間は20世紀末に同様の円安を経験してから円高を経験しているので、いずれ元に戻ることを期待している人もいるかもしれませんが、今回の円安は前回の時と状況が異なっている様です。 この本を書かれた方の本を読むのは初めてでしたが、私が思っていた20年ぶりではなく、50年ぶりの円安が示唆している原因について解説してくれています。もうお亡くなりになった堺屋太一氏の予測小説「平成30年」に予測されていたことが、少し遅れて進行している様です。 円高と低金利、低価格にこの30年間、慣れてしまった日本、これからが正念場の様ですね。 以下は気になったポイントです。 ・2020-2022の累積成長率において、ドイツよりも日本の低下が大きいのが目立つ、ドイツは戦争の当事国であるが、それよりも日本の落ち込みが大きいのが特筆すべき事実である(p21) ・日本の次に冴えないのがドイツ、イタリアである、この3カ国は原子力発電所の稼働を忌避し天然ガスを筆頭とする資源価格上昇の影響を被りやすいという共通点がある(p22) ・2012年以降、貿易黒字を稼げなくなったことが、その後に際立った円高・ドル安が起きていないことと無関係とはどうしても思えない(p29) ・2012年以降10年間の大きな変化といえば、日本から海外への直接投資が増えて、2021年末では約半分が直接投資残高となっている、それまでは証券投資残高(米国債、米国株)であった、これは日本企業の海外企業の買収の結果である(p35)直接投資の比率が増えたのは、縮小し続ける国内市場に投資するより、海外企業の買収や出資を通じて時間や市場を買う方が、中長期的な成長に繋がりやすいと判断した結果である(p40) ・2022年3月に見られた円安狂騒曲は、もともとあった円の需給構造変化が資源高で一段と可視化された上に、成長率や金利で出遅れ感が目立つ日本経済の状況も相まって円売り安心感が強まったことが背景にあるように思われる(p49) ・円安のメリット(財サービスの拡大、円建て輸出企業の収益増加・円建て所得収支の増大)よりも、デメリット(輸入コスト上昇による収益悪化)が大きくなっている(p51) ・円安が進んでいるのに、鉱物性燃料の輸入量を抑えるべく原発再稼働を求める声は大きくならなかった、円安を生かして観光目的の外国人受け入れの声も高まらなかった(p67) ・円安が進んでいるのに、鉱物性燃料の輸入量を抑えるべく原発再稼働を求める声は大きくならなかった、円安を生かして観光目的の外国人受け入れの声も高まらなかった(p67)訪日外国人のピークは2019年の1日8.8万人(p96) ・名目GDP成長率➖GDPでフレーたー=実質GDP成長率である、言い換えると「付加価値1単位を生産することにより得られる所得金額」の概念である(p102)デフレの原因は少々ラフに総括すれば「資源や円安主導のインフレ」ということになる(p108) ・2022年3月末で日本の家計金融資産は、2005兆円と、2000年3月末対比で600兆円増えているが、増分の半分以上は円建て現預金である、株式・出資金や10%前後で20年間以上ほとんど変わっていない(p115)為替にしても金利にしても、家計部門の抱える莫大な金融資産が貯蓄(保守的な運用)に回されているからこそ、日本経済の秩序が保たれている(p134) ・パンデミック下での日本で本当に懸念されるのは、自ら成長を放棄するような各種政策(過剰な防疫政策、タブー視される原発再稼働)が、ほぼ無批判に採用され、実行されていることだったように思う(p165) ・1990-2019年の30年間で(具体的には2012年頃)日本の貿易黒字はほぼ消滅したが、ドイツは3−4倍になっており世界最大の貿易黒字国となった、世界貿易におけるシェアも、中国16%、ドイツ10%に対して、日本は5%程度(p171) 2022年9月19日作成

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