はなごよみ 草花 の商品レビュー
テーマが花の「はなごよみ<草花>時代小説傑作選」。6人の女性作家の作品である。シリーズものからの一篇が多いので、話や登場人物との関係が分かりづらい作品もあった。 まぁ、ここで気になった作品はじっくりとシリーズ作品で読んでみるのもいいと思う。 桜やあじさい、白菊と全てに花が出てくる...
テーマが花の「はなごよみ<草花>時代小説傑作選」。6人の女性作家の作品である。シリーズものからの一篇が多いので、話や登場人物との関係が分かりづらい作品もあった。 まぁ、ここで気になった作品はじっくりとシリーズ作品で読んでみるのもいいと思う。 桜やあじさい、白菊と全てに花が出てくるのだが、中でも宮部みゆきの「侘助の花」が気に入った。 侘助とは「別名唐椿ともいう。〜〜花の色は椿と同じように美しいのに、ひっそりと侘びるようにうつむいて咲くその風情が、わび・さびを尊ぶ風流人に愛され、とくに茶人が好んで庭木に選ぶ」とあった。「わびすけ」ってなんか控えめで静かな趣を感じる花の名前。そんなことばの響きに何故か心を奪われてしまった。
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2024年4月29日 細やかな感情、会話の機微が魅力的。 いいところまでいくのに最後は、はぐらかされた印象。 というのも、この短編集は原作から抜粋したものの集まりなのだろう。 大きなおさめどころは無くても良いという方針と私の中で納得した。 人間関係や感情は面白く読めた。
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シリーズものが多かったけど、この本だけでも充分楽しめます☆ でも気になって、持ってる本を読み返したりしちゃいましたw
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たくさんの花に彩られた、江戸の人々の喜怒哀楽を書いた、6人の女流作家のアンソロジー。 《吉原桜》 着物始末暦5 なみだ縮緬 所収 《桜の森に花惑う》 妖怪の子預かります3 妖たちの四季 所収 《あじさい》 御薬園同心 水上草介 柿のへた 所収 《ひとつ涙》 蔵前片思い小町日記 ...
たくさんの花に彩られた、江戸の人々の喜怒哀楽を書いた、6人の女流作家のアンソロジー。 《吉原桜》 着物始末暦5 なみだ縮緬 所収 《桜の森に花惑う》 妖怪の子預かります3 妖たちの四季 所収 《あじさい》 御薬園同心 水上草介 柿のへた 所収 《ひとつ涙》 蔵前片思い小町日記 めぐり逢ふまで 所収 《縁の白菊》 お鳥見女房 蛍の行方 所収 《侘助の花》 幻色江戸ごよみ 所収 ほとんどがシリーズ物で、登場人物も、当然のように出てくるので、読んでいない者には、ちょっと、ついて行けないが、六篇共、読後感が良いので、次は、シリーズをじっくり、読んでみたい。
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女性作家時代小説! 6編。 どれも花好きな私には、大好きなテーマ。 吉原桜 中島要 着物始暦シリーズも好きである。 江戸っ子らしい語り口調も、サバサバしていて、歯切れが良い。 きれい所の花魁のいろはの打ち掛け。 いろはの言葉を知らないと、この解釈が出来ない。 恋を弔う打ち掛けとは...
女性作家時代小説! 6編。 どれも花好きな私には、大好きなテーマ。 吉原桜 中島要 着物始暦シリーズも好きである。 江戸っ子らしい語り口調も、サバサバしていて、歯切れが良い。 きれい所の花魁のいろはの打ち掛け。 いろはの言葉を知らないと、この解釈が出来ない。 恋を弔う打ち掛けとは……恐れ入りました! 桜の森に花惑う 廣嶋玲子 妖怪の猫のお姫様の庭に咲く桜を見に行くのを、ついていった大家の息子久蔵。 これも江戸っ子らしいが、そんな中に優しさが、含まれて、妖怪初音を包み込んでいる。 あじさい 梶よう子 小石川御薬園の同心のシリーズ 隠居の勝俣と息子の嫁の佳代。 佳代の心配りが、愚痴も言わずに、舅に仕えて、素晴らしい。 あじさいお茶が、熱冷ましとは…昔の人の知恵であろう。 ひとつ涙 浮穴みみ まきのうみ~と,いつもからかいの言葉を投げかけている丈二。 いつも朝顔を枯らしているのも、知っている丈二の心配り。 最後の中庭の朝顔の鉢。おまきも、これで幸せになれるだろう。 緑の白菊 諸田玲子 これもシリーズもののひとつである。 やっと、身綺麗にしていったデートの場所の茶店で、君江は、産まれて初めての経験をする事にになる。 人助けの為に、茶店で依頼された人物に会いに行くと、出産間近の女性も…… 白菊を見に行ったのに、凄い体験をする事にになる。 髪も乱れるが、それも良し……生死にかかわる体験で、人間は成長していく。 侘助の花 宮部みゆき 嘘から、隠し子が現れる事に… 存在しない娘の登場に、どうなる??? 最後は、読者の想像に任せる所が、心憎い。
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吉原桜 中島要 桜の森に花惑う 廣崎怜子 あじさい 梶よう子 ひとつ涙 浮穴みみ 縁の白菊 諸田玲子 侘助の花 宮部みゆき 色々な作家さんの時代作品を読んでみたくなり、 時代小説傑作選シリーズ「なぞとき」、「なさけ」読んで面白かったので次はこちらの短編集を手に取りました。 ...
吉原桜 中島要 桜の森に花惑う 廣崎怜子 あじさい 梶よう子 ひとつ涙 浮穴みみ 縁の白菊 諸田玲子 侘助の花 宮部みゆき 色々な作家さんの時代作品を読んでみたくなり、 時代小説傑作選シリーズ「なぞとき」、「なさけ」読んで面白かったので次はこちらの短編集を手に取りました。 今回のアンソロジーはシリーズものが多くセレクトされたそうですが、 この短編だけでもどれも読みやすかったです。 今回は桜、あじさい、朝顔、菊、椿の花をモチーフとして、 それぞれの花の特徴を上手く取り込みながら 江戸時代の女性の揺れ動く思いが描かれていたので どれも美しく切ない思いに駆られました。 印象的だった作品は 廣崎さんの「サクラの森に花惑う」と梶さんの「あじさい」、宮部さんの「侘助の花」でした。 「サクラの森に花惑う」に出てくる桜は現生のものではなく、 猫の姫様の庭にある常夜桜という妖怪百景に選ばれる桜と いうことで他の作品とは違った作風だったのでとても印象的でした。 妖怪といいつつも時々おどろおどろしい所はありましたが、 容姿と心が幼い妖怪の恋物語には意外にも可愛らしかったり、 切ない思いにもなったりと様々な心情になりました。 妖怪であっても生身の人間であっても乙女の心情は 一緒なのかなと思ってしまいました。 「あじさい」は小石川御薬園にいる草木の手入れをしている 水上草介を主人公にして物語が展開されています。 この水上があじさいの花に託した言葉に納得してしまい、 ミステリーのような推理小説のような後味のすっきりとした作品が良かったです。 今回もラストには相応しい宮部さんの作品で「侘助の花」。 こちらも少しミステリーじみた展開でいるはずのない隠し子が突然現れてしまったという内容でした。 狐につままれたような出来事から真相を確かめるために 現場へと乗り込んで周囲への聞き込みにいくという手法は どこか刑事物語を読んでいるかのようで面白かったです。 けれど真相はそれぞれの読者に委ねるということで、 ラストに侘助の花の説明を理解するとより味わい深くなりました。 こうゆうメッセージ性のある余韻というのも良かったです。 草花をテーマの時代小説なので花言葉が 多いものかと思っていましたが、 それだけでなく、花本来の特徴を活かながら 夫婦の愛情、幼馴染への恋心、娘への愛情などと 様々な愛情の形を表した作品で楽しめました。 あとがきの解説にもあったように 未来を思えば不安が強まるそんな時代だからこそ、 可憐な花々と愛すべき人間ドラマによって、 一時の安らぎを得ることを願っているとあるので、 これからもまた新しい作家さんとの出会いを見つけに 現代小説には無い味わい深い時代小説を 読んでいきたいと思いました。
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桜が咲き始めて慌てて読みました。 今年は桜を楽しみたいから。 お花見の時、「最近読んだ本でね、桜の話しがあってね。」とおしゃべりしたくて。 「吉原桜」 中島要 「また咲くことを知っているから、散るのを喜ぶことができるか・・・癪だけど、その通りだよ」もし二度と咲かない...
桜が咲き始めて慌てて読みました。 今年は桜を楽しみたいから。 お花見の時、「最近読んだ本でね、桜の話しがあってね。」とおしゃべりしたくて。 「吉原桜」 中島要 「また咲くことを知っているから、散るのを喜ぶことができるか・・・癪だけど、その通りだよ」もし二度と咲かないと思っていたら 桜吹雪を笑顔で眺めることはできないだろう 在原業平が何と言おうと、桜が咲いてこその江戸の春だ。 「桜の森に花惑う」 廣嶋玲子 「花見をせずに春を終わらせちゃいけません こりゃぜひともしようじゃありませんか」 「夜の桜には魔が潜むって、前に誰かが言ってたっけねぇ。夜桜に魅入られると、食われてしまうって」 美しい「夏目友人帳」のような世界に、おっちょこちょいの江戸っ子久蔵が迷いこんで 華蛇の姫に本当の恋心を発露させ、江戸っ子らしい納め方に、ニッコリです。 「あじさい」 梶よう子 「ひとつ涙」 浮穴みみ 「縁の白菊」 諸田玲子 「詫び助の花」 宮部みゆき どの話しも、情にあふれ、江戸の爽やかな風を感じられました。
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時代小説は鬼平もしくは宮部みゆきさんくらいしか読んでなかったが、どのお話も良かった!江戸情緒溢れ、気風も情けもある市井の人々が描かれている。他のシリーズも読んでみます。
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今回も秀作ぞろい。いずれ菖蒲か杜若。 連作中のお話ばかりのようだけど、一話だけ切り出して読んでも風景が見えてくる。
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読みやすいアンソロジーが人気なのだろう。シリーズが続いてる。かく言う私もそうだけど。 桜、あじさい、朝顔、菊…そして侘助。侘助だけ知らない花だった。椿によく似た、でも、ひっそりと咲く花だそうな。妖怪の子守以外はリアル話。あじさいと白菊の話が良かった。 あじさいは薬草として登場。嫁...
読みやすいアンソロジーが人気なのだろう。シリーズが続いてる。かく言う私もそうだけど。 桜、あじさい、朝顔、菊…そして侘助。侘助だけ知らない花だった。椿によく似た、でも、ひっそりと咲く花だそうな。妖怪の子守以外はリアル話。あじさいと白菊の話が良かった。 あじさいは薬草として登場。嫁と舅、少し老いてまだまだ現役感はあるが逆にそこで焦っている舅である。嫁は甲斐甲斐しく接しているのに伝わらない。現代あるあるの話。薬草園の草介さんの一歩引いて淡々としたところがイイ。ちょっと情報取得が御都合だが。 白菊は好きな人との待ち合わせ中にゴタゴタに巻き込まれる武家娘の話。巻きこまれ度合いがハンパないが(娘自身も途中そう思っている)お嬢様な人生では経験できないジェットコースター的トラブルで、一皮向ける話。 やはりある程度リアル感が無いとなぁ、あまりに世界が作り込み過ぎだとちょっと。時代劇自体がフィクションなのだから。 宮部みゆきはラストが謎
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