名前も呼べない の商品レビュー
元職場の女子会で恋人に娘ができたことを知らされる主人公・恵那 かつて家族間で起こったことや、以前働いていた職場でのこと どうにも上手く自分を受け入れられず、生きづらさを抱えつづけている恵那…表面はへらへら取り繕っていても、そのしんどさがこっちにも伝わってきた 怒るべきところで上手...
元職場の女子会で恋人に娘ができたことを知らされる主人公・恵那 かつて家族間で起こったことや、以前働いていた職場でのこと どうにも上手く自分を受け入れられず、生きづらさを抱えつづけている恵那…表面はへらへら取り繕っていても、そのしんどさがこっちにも伝わってきた 怒るべきところで上手く怒れない恵那の代わりに親友のメリッサが気持ちいいほどの怒りを表してくれる 物語として絶対必要だけれど、わりとメリッサも背負いこんでいるものは大きいんだよな… 巧みで繊細な文と恵那の心情がマッチしていた ぐるぐると内へと沈み込むような内容なので元気なときに読むのをおススメします 本作は「名前も呼べない」と「お気に召すまま」の中編2作が入っている 「お気に召すまま」の主人公・美波も過去の大きな穴を埋められないまま生きており、私はこちらの作品の方が好みでした 自分の傷は他人からは決して見えない、とどちらの作品を読んでいて思った
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この本を読めて良かった!が読後すぐの感情。 『名前も呼べない』と『お気に召すまま』。 前者は固定観念をやられた。 そして後者が特に好き。 主人公(美波)の心情に共感する。 どちらの作品も表現が好きだったので、 伊藤朱里さんの他の作品を読みたい。
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2023年6月 文章がうまい。ストーリーも面白くてグイグイ読んでしまった。 ただこのねちっこい感じは好みではない。メリッサはキャラクター的に都合良すぎ。冷ややかな気持ちに。
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久しぶりに解説を読んだあとまたすぐ頭から読み返してしまった。 誰かを好きになること、それが性愛であろうと友愛であろうと、その事実がどこかで、誰かに、何かしらの犠牲がうまれてしまうことにとても絶望してしまった。持っていたものを失うのは怖いし辛い。
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「名前も呼べない」 〝ただ、伸ばしてくれた手を、伸ばし返すことだけはしなくてはいけないと思った。〟 「お気に召すまま」 理由が欲しい。手っ取り早い方法は、相手に全責任を押しつけるか、ひたすら自分を責めつづけるか、そのどちらか。 見えるもの全部にもっともらしく理由をつけ...
「名前も呼べない」 〝ただ、伸ばしてくれた手を、伸ばし返すことだけはしなくてはいけないと思った。〟 「お気に召すまま」 理由が欲しい。手っ取り早い方法は、相手に全責任を押しつけるか、ひたすら自分を責めつづけるか、そのどちらか。 見えるもの全部にもっともらしく理由をつけないと安心できない人なんか、放っておきなさい。
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