素数とバレーボール の商品レビュー

平岡陽明(著者)

2025/01/31

高校のバレーボール部の仲間が41歳を迎え、それぞれの人生に向き合う話

３年生になり部員が足りないくて3ヶ月だけ入部してもらったガンプくんが大金持ちになったらしい。
そのガンプくんが、元部員たちが４１歳の誕生日を迎えると５００万ドルのストックオプションをプレゼントするとメールを送ってきた

それぞれの４１歳の事情が自分にも起こってたかもしれないリアルさを持って迫ってきた

2024/12/15

「道をたずねる」もよかったし、これもよい。
男の友情、お金、仕事、夫婦、命。
高校バレー部での出会ったメンバーが41歳になり一人のメンバーからの謎のメールでまた連絡を取り合い、再会する。
お金はあるに越したことはないけど、すべてじゃない、がやはり必要w
命には限りがあるし、恋愛だって山あり谷あり。41歳の男性陣が仕事や家庭に右往左往しながらも、人生って18歳から、いや0歳からちゃんと繋がってるんだなーって思う。
素数とバレーボール、だった。

2024/11/09

表紙が可愛くて手に取った作品。

「41歳の自分がどうなっているか賭けよう」
高校時代、部活の仲間内で面白半分に交わした言葉に懐かしい思い出がよみがえる。私も高校時代、社会の授業で似たような課題があった。あの頃は数十年先の未来なんて考えもつかずなんて書いていいのか迷ったっけ。結局当時悩んだ末何を書いたのか思い出せない。
高校時代からの二十年後と41歳からの二十年後は同じ二十年でも体感速度がまったく違う。色濃かった二十年と違い、これから先の年月はあっという間に過ぎていくのかと思うとなんだか怖い。

不惑や厄年といった、人生の苦難を味わうお年頃の登場人物たちが、まさに人生の崖っぷちを経験し、棚ぼた式にそこから這い上がろうとする物語。
現実はそんなに甘くはない、と思いつつも棚ぼたの活用方法が人それぞれ違っていて面白かった。こういう時その人の性格が反映されるもの。

特に北浜慎介の話が妙に刺さった。私も慎介と同じく職場の人間関係にモヤッとした気持ちを抱えているので。
慎介が受診した臨床心理士の言葉にハッとした。
「その人はあなたの人生にとってまったく関係がない人」そんな考え方もあるのだと思うととても気が楽になった。私も慎介と一緒にカウンセリングを受けているような気持ちになれた。反りの合わない人は自分になんの影響も残せない、と自分の中の古いアルバムに仕舞う。これから私もそんな風にしていきたい。

2024/04/26

誰もが何らかの欠陥を抱えたまま、それでも生きていく。

同じ筆者の作品「ロス男」と同じく、ロスジェネ世代が主人公の小説なので、同じロスジェネ世代の自分にとっては共感できる部分も沢山あった。

2023/10/29

　素数は殆どが奇数で、２が唯一の偶数である事などを興味持って調べていた岸高バレー部の部員1人が、筋萎縮側索硬化症（ALS）、脳の悪性癌に悩まされながら必死で生き抜いて３４・５歳の若さで他界したが、冷凍保存しておいて医療が発展した未来に解凍して蘇生させる方法に一抹の期待を込めて望みを託し、残った金をバレー部のみんなにわけてくれる物語でした。

2023/06/25

『セーラー服と機関銃』的な感じの個性的なタイトル。
一見、結びつかない「素数」と「バレーボール」がどう結びつくのか、読んでみてのお楽しみ。

2023/06/13

C&Cのカツカレー大盛りみたいな1冊。先が気になって読み進むは読み進むんだけど、読み終わった後の余韻が何も残らず「なんか違うんよなぁ」ってなってしまう。2方向にディス飛ばしてしまってるけど大丈夫だろうか。心配になってきた。

各々のエピソードを思い返してみても、結局お金がなければ人間は何も解決できねーのかよってなっちゃいません？そりゃ俺だって3億あったらNPO40個ぐらい作りますよ。てかそもそもそんなに金がないとできないもんなの？詳しくないから分からないけど。不倫の精算ってお金がないとできないの？詳しくないから分からないけど。

読み進めてて思ったのは、固有名詞が多かったりとストーリーが現実離れしてないからなのか、名言チックなことを書いていても全然それが名言として脳に映らないんだよな。思わず記録したくなるような名言が出てくる場面って、シリアスだったり緊迫していたり感情が溢れていたり、それなりの背景がある時なんですが、5人それぞれ場面を切り替えてストーリーを進めないといけない手前、読者の期待を超える人の気持ちへのフォーカスがなく、これはという名言が殆どなかった。

小説に必ず名言がなきゃいけない訳でもないし、これは好みなんだろうけど。これはいいなぁーとメモできるような金言が何個も出てくるような小説が個人的には好きです。そしてそれは現実離れしたストーリーの中で生まれやすいのかもしれない。

2023/06/10

上手、人物像、際立ってる

結局はお金が全て解決する？
お金が沢山あると心が穏やかになることは確か。

お金があってもなくても人間性は変わらないのかも。

2023/05/29

心が弱いと感じるのは、相手の気持ちや立場に立てるから。
周囲に優しさを植えつけ、環境を守ることができるから。

弱いことは強いこと。

そんな真理を理解する元バレー部の男たちの物語り。

「ガンプ様は皆さんに素数のような存在であってほしいと願っていました。清潔で、孤高で、オンリーワンであるような存在です」。（２８２ページ）

2023/05/14

【ネタバレ無】【感想】
40歳にもなれば立派な大人に…?
学生の頃に憧れた社会人として私たちは過ごせているのか・・・？
いや、迷いっぱなしな社会人。

宇宙に比べれば悩みはちっぽけなんてよく聞くよ！
けど確かに、未知が解明される遠い未来を想像できたとき、人生観・死生観は変わるかもしれない。
悩みはちっぽけ・・という言葉は気休めじゃない。
数学/科学的な説得力で悩み以上の大きな希望を抱かせる。