英雄 の商品レビュー
展開が遅くてどこに向かってるか分からなかったけど、最後60ページぐらいは面白かった。 真犯人も驚いたけど理由もあまり納得できなくて首をひねる。
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クライマックスまでちょっと長かったけど、真相の核になる山波と田代の青年時代は、読み応えがある。特に334ページ目は、生きていく上での気づきもあった。 人の器っていうのは、頭が良いだけでも、真面目に働くだけでもダメなんだ。
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主人公の植松英美は、中学生の頃に母親から突然出生の秘密を告げられる。 英美の父親は、弟と妹たちの父親とは異なる事実を教えられる。 実父がどのような人だったのかは母親は硬く口を閉ざして語らず、具体的には全く教えてもらえなかった。 英美の出生の事実を告げた数年の後、母親は亡くなり、父...
主人公の植松英美は、中学生の頃に母親から突然出生の秘密を告げられる。 英美の父親は、弟と妹たちの父親とは異なる事実を教えられる。 実父がどのような人だったのかは母親は硬く口を閉ざして語らず、具体的には全く教えてもらえなかった。 英美の出生の事実を告げた数年の後、母親は亡くなり、父親について知る術を失ってしまう。 成長した英美は流通業に勤務し、数店のスーパーマーケットの管理を任され、忙しく過ごしていた。 弟の正貴は生活に荒れていた頃もあったが、今では定食を提供するはる屋を伯母と二人で営んでいる。 そんな日常の夜半、突如二人の刑事が訪れ、英美の素性と家族の様子を聴取される。 そして大企業の山藤ホールディングスの創業者である南郷英雄が、何者かに射殺されたと告げる。 その南郷氏が、英美の実父だという事実も知らされる。 英美は相続そのものへの関心よりも、相続権を遺してくれた父親とはどのような人物だったのか、昔の関係者を辿って父親である南郷の実像を知ろうとする。 昔に南郷と関係していた人物たちと出会う度に、父親の実像が徐々に見えてくる。 南郷を射殺した犯人は何者なのかも関心事となるのだが、警察はなかなか犯人に辿り着けないでいた。 戦後間もない混乱の時期から、どのような道を辿って大企業のオーナーにまでなったのか、ページのほとんどが南郷の歴史を振り返る物語が綴られる。 読み進んでいてもなかなか物語の結末が想像できないでいると、残り80ページ程から俄然核心に迫って行く展開となる。 南郷と一緒に起業し、企業を育ててきた田代諭という人物に英美は逢うことになる。 その田代が南郷と体験したこれまでの変遷を伝えられ、何故に南郷が射殺されたのか、その理由を明確に掴むことになる。
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昭和期に一代で大企業を築き上げた社長と、その非嫡出子が射殺された社長である父親の来歴を調べる内に犯人に行き当たる、と言う二重のミステリー。 真保さんなので充分に読ませてくれるのだが、母親と父の関係なども含めて全てがリアルに感じられない。「英雄」という題も違和感がある。
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戦後時代のまだ混乱している時代との対比が面白く 題材としては興味深い昭和を舞台にした小説。 だがミステリーかと言われれば微妙なところだし 何より自分が好きな真保さんの、物語に引きずり込む勢いや とんでもないどんでん返し感は感じられなかった。 珍しく共感できる登場人物もいなかったのも残念。
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久しぶりに戦後の動乱、昭和剥き出しの人間ドラマに当たる。最後、一族の面々があまりに理智と覚悟を備え過ぎかなと思いつつ、いや、行く末に光を照らすのが真保流だ。それにしても、読み進めて南郷英雄の半生が明かされるほどに、遠い昔に胸躍らせて観たテレビドラマ『どてらい男』が蘇る。山善の創業...
久しぶりに戦後の動乱、昭和剥き出しの人間ドラマに当たる。最後、一族の面々があまりに理智と覚悟を備え過ぎかなと思いつつ、いや、行く末に光を照らすのが真保流だ。それにしても、読み進めて南郷英雄の半生が明かされるほどに、遠い昔に胸躍らせて観たテレビドラマ『どてらい男』が蘇る。山善の創業者をモデルにした主人公を西郷輝彦が力強く演じていた。細かいストーリーは覚えていないし、山藤と社名は似ていても関係はないんだろう。しかし、現在の倫理観なんざまるで通用しない時代、裸一貫から成り上がる痛快さに、古さを感じつつも酔った。
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突然の遺産相続を宣告された非嫡出子の殺された実の父親の姿を求めるミステリー。 構成としては、主人公が父親の生涯を、その関係者を通して調べる戦後立志伝という感じですが、殺人事件が絡むから焦点がぼやけてしまってもったいなかったです。 初めて知った実の父親の真の姿を求めながら戦後昭和...
突然の遺産相続を宣告された非嫡出子の殺された実の父親の姿を求めるミステリー。 構成としては、主人公が父親の生涯を、その関係者を通して調べる戦後立志伝という感じですが、殺人事件が絡むから焦点がぼやけてしまってもったいなかったです。 初めて知った実の父親の真の姿を求めながら戦後昭和史を語るにしては歴史背景が深堀されていないし、殺人犯を追求するにしては警察をはじめとして周りの人間が無能すぎるし、真犯人も安直だし、一族のドロドロもサスペンス的要素が物足りなさすぎました。
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力作ではあるが、今一つ南郷英雄の人物造形が浮かんでこず、最後まで曖昧で後味悪し。現在と過去を行ったり来たりの手法も本作でいえば失敗の部類。英美が父の足跡を追い、父と交錯した人々の回想証言で紡いでいく手法の方がしっくりくると思った。
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泥々した闇深いミステリを期待していたが、残念ながら驚愕も共感もしなかった。円満な終わり方も強引で無理やり感が否めない。ご都合主義で物語が進むので違和感だけが残った。
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実の父親が殺されたことで,今まで知らなかった情報が警察からもたらされる.その会えなかった父親の過去を知るための行動が,警察も探せなかった犯人に辿り着く.その父親の破天荒な生き方が面白かった.
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