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戦争日記 の商品レビュー

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18件のお客様レビュー

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2022/10/25

ロシアによるウクライナ侵攻により、過去から続いてきた『日常』が、どう変えられてしまったのか。 瞬間的な激変や衝撃、外部と内面の関わりが日記として、個人的記録として、今、日本にいる私の目の前にある。 家族が一緒に居られない不安。 そのような精神下でも、一人で子ども2人を育み、稼が...

ロシアによるウクライナ侵攻により、過去から続いてきた『日常』が、どう変えられてしまったのか。 瞬間的な激変や衝撃、外部と内面の関わりが日記として、個人的記録として、今、日本にいる私の目の前にある。 家族が一緒に居られない不安。 そのような精神下でも、一人で子ども2人を育み、稼がなければならない不安。 不安で潰されそうでも、希望に向かっていく強さ。 日本に来ているウクライナの方々の不安を想像する。

Posted byブクログ

2022/10/18

ウクライナ東部・ハリコフ(ハルキウ)に一家五人と犬一匹で住んでいた著者が、2022年2月24日早朝5時30分、突然の爆撃音で目覚めたところから始まる避難生活が描かれた作品。その日から8日間地下壕で暮らし、9日目に母親と夫を残しブルガリアに脱出するまでを、絵日記として記録されている...

ウクライナ東部・ハリコフ(ハルキウ)に一家五人と犬一匹で住んでいた著者が、2022年2月24日早朝5時30分、突然の爆撃音で目覚めたところから始まる避難生活が描かれた作品。その日から8日間地下壕で暮らし、9日目に母親と夫を残しブルガリアに脱出するまでを、絵日記として記録されている。 ロシアがウクライナに侵攻した理由は、『ウクライナをナチズムから解放し、浄化する』ためだと主張した、らしい。この作品を読むまで、こんなことも知らなかった自分が、とても恥ずかしい。 巻末の解説でロシア語監修者の奈倉有里氏は、この作品は著者の母語であるロシア語で書かれている、と教えてくれる。ウクライナという国ではもともと、ウクライナ語話者とロシア語話者が共存しており、徐々にウクライナ語を母語化する政策がとられていたそうだ、 著者同様、ロシア語を母語とするウクライナの人々のロシア侵攻による苦悩は想像できないほどだが、この作品は抑制のきいた温かい眼差しの文章と絵で出来ているため、悲惨さはそれほど感じられない。 表紙の絵とは異なり、内容は刺激の少ない優しいものなので、いろいろな人に読んでもらいたい、と思った。

Posted byブクログ

2022/10/10

ウクライナの絵本作家が、戦火の地下室暮らしから、両親、夫と別れ、子どもとウクライナを出国し、ワルシャワを経由してブルガリアに避難するまでを、鉛筆だけで書き留めた日記。韓国語で出版、韓国語版を翻訳して日本語版。イタリア語、ルーマニア語、ドイツ語、フィンランド語に翻訳され、著書の戦争...

ウクライナの絵本作家が、戦火の地下室暮らしから、両親、夫と別れ、子どもとウクライナを出国し、ワルシャワを経由してブルガリアに避難するまでを、鉛筆だけで書き留めた日記。韓国語で出版、韓国語版を翻訳して日本語版。イタリア語、ルーマニア語、ドイツ語、フィンランド語に翻訳され、著書の戦争反対の叫びが読む人を揺さぶる気がします。著者はウクライナ生まれのロシア語話者であり、翻訳にあたり地名の表記はウクライナ語とロシア語併記を望み「人間を言語や民族で分けてはいけない」という著者の思いが伝わります。

Posted byブクログ

2022/10/08

ある朝突然破壊された日常、未来。 家と地下を往復する生活。 戦禍から逃れるため着の身着のままで乗り込む列車。 家族との別離。戦地に残った家族親類への絶えない心配。 鉛筆で描かれたそれが、まさに現在進行中の出来事という事に改めて震撼する。

Posted byブクログ

2022/10/08

2022年2月24日ロシアによるウクライナ侵攻 本書は、ウクライナ北東部のロシア国境にほど近い都市ハルキウ在住のアーティスト、オリガ•グレベンニクさんが、侵攻直後から2週間の自身の体験を綴ったものです。 オリガさんは、ハルキウでの数日の生活の後、ウクライナ西部のリヴィウ、そし...

2022年2月24日ロシアによるウクライナ侵攻 本書は、ウクライナ北東部のロシア国境にほど近い都市ハルキウ在住のアーティスト、オリガ•グレベンニクさんが、侵攻直後から2週間の自身の体験を綴ったものです。 オリガさんは、ハルキウでの数日の生活の後、ウクライナ西部のリヴィウ、そしてワルシャワ、ソフィアへ、幼い子ども2人と避難していきます。 本書では、オリガさんの当時の日記であり、その時の鉛筆による文章とスケッチがそのまま掲載されています。 その筆跡や文章、絵には直接的には過度に感情を揺さぶるような大げさなものはありません。 (絶望、と書かれた絵にすら、正直なところタイトルと文脈がなければ絶望を読み取ることは困難です。) ただ、地下室生活、爆撃による街の破壊、親•祖父母らとの別れ、夫との別れなど、オリガさんの体験は事実として圧倒的です。 どうしたって伝わってくる不安、悲しみ、恐怖。 そして生まれ育った街、家族、子ども達への暖かな愛。 戦争反対と叫ぶことが本書の目的とオリガさんは言います。 そういう本はもちろんたくさんありますが、本書には他の同様の本と大きく違う点があります。 それは、誰かや何かを憎み悪くいう言葉や文章、表現が、本書では一言も、全く、存在しないということです。 文章量としてはおそらく文庫本10ページ分もないくらいですが、きっと多くの人の心に残る一冊になると思います。

Posted byブクログ

2022/10/04

本が登場するという話しが伝わって、興味を覚えていたが、出回り始めたことを知って入手した。入手して眼を通してみて善かったと思う。 「鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々」と題名に在るが、戦禍の中で手近にスケッチブックやノートや鉛筆を持っていて、そこに描いた画と、綴った然程長く...

本が登場するという話しが伝わって、興味を覚えていたが、出回り始めたことを知って入手した。入手して眼を通してみて善かったと思う。 「鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々」と題名に在るが、戦禍の中で手近にスケッチブックやノートや鉛筆を持っていて、そこに描いた画と、綴った然程長くない言葉を折り重ねたという本である。 イラストレーター、絵本作家という活動を続けている著者であるが、“侵攻”の勃発でその身を案じていた人達が国外にも在り、韓国の出版関係の方がインスタグラムに出た鉛筆の画を見て接触し、ウクライナで事態が起こってから国外へ出る迄の様子を本にすることになったのだそうだ。日本を含む各国では、その本を下敷きに出版しているということになる。 著者、そして画を描いたオリガ・グレベンニクはハリコフ在住のロシア語話者だ。ロシア語話者にとって、“ハルキウ”は“ハリコフ”だ。巻末の解説によれば、著者自身が翻訳では「ハリコフ(ハルキウ)」という程度に標記して、“ハリコフ”を残して欲しいとしているそうだ。そういう「言葉の摩擦」のようなモノが、紛争の背景に見え隠れするような気もする。 本当に「極個人的な記録」という感じのモノが、国外で眼に留まって本になったという感じなのだと思う。著者は夫や子ども達と共に高層集合住宅の9階に住んで居た。戦禍がハリコフの街にやって来てしまった。訳も分からずにアパートの地下に避難した。訳も分からない中、スケッチブックに鉛筆で画を描き、何事かをメモするように綴って気を静めて、子ども達を護ろうとしていたのだ。やがてハリコフから脱出することを決断するが、駅へ向かうタクシーがやって来るまでの10分間程で慌ただしく準備して飛び出した。後から聴くと、戦禍の混乱で列車が停まったということも在ったらしいが、彼女達は西部のリヴォフ(リヴィウ)を経てポーランドのワルシャワに出た。そこからブルガリアに出て落ち着いたようだ。 本当に差し迫った中で、未だ幼い娘を見詰め、娘との何気ないやり取りを走り書きのように綴っている様子を見て、何か酷く心動かされた。砲弾が飛び交ったような戦禍の街に在り、更に訳も判らずに脱出をしていたという中、著者が「拠所」としたのは「子ども達の母であること」と、「画を描く表現者であること」であったのかもしれない。本書は非常に迫るものが在る。

Posted byブクログ

2022/09/30

著:オリガ・グレベンニク、監修:奈倉有里、訳:渡辺麻土香、訳:チョン・ソウン 『戦争日記 : 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々(2022)』を読了。とてもリアルでした。

Posted byブクログ

2022/09/18

凄まじく、言葉にできないが、 この戦争が可能であればウクライナの人々が望むような形で終わることを祈りたい。

Posted byブクログ