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魔王の島 の商品レビュー

4.4

28件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

    14

  3. 3つ

    1

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2023/11/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ジェローム・ルブリの本邦初訳。デビュー作ではなく、三作目の長編とのこと。 なるべくならあらすじも含めて、事前情報なしで読んでほしい作品。 死んだ祖母の遺産を継ぐため、孤島に渡ったサンドリーヌ。過去には大勢の子供達が水難事故で死んでおり、その罪を償うかのように、当時の世話人たちが依然として生活をしていた。サンドリーヌが島に来た翌日、サンドリーヌへ島の秘密を伝えようとした祖母の友人が死体で発見される。。。 最近のフランス作家では、ルメートル、ビュッシ、ミュッソ、ソフィー・エナフを読了済みだが、個人的には一番好きな作風。外連味がありつつ、フランスミステリ特有の大技をかましてくる。正直、着地点が日本人には好まれないだろうなと思うが、逆に賛否両論になるほど、中盤以降の読めない展開にのめり込む人は多いのではないだろうか。 非常に楽しめたので、他の作品の翻訳もぜひ続けてほしい。

Posted byブクログ

2023/09/06

マトリョーシカのように、三重四重に構成された作品。じわりじわりと、少しずつ謎が解かれていく。 人の心は、各の如く捉えがたい…。

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2023/08/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

友人に勧められて読了。何層もの構造になっていて、最後に帰結するときは、なるほどとなった。信用できない語り手たちに惑わされながら、徐々に見えてくる全体像。途中まで"真なる"全体像だと思っていたものが、世界の一部でしかないということを気づいていくプロセスは面白かった。爽快感はないが、こういうこともあるのだろうという悲しさのようなものが残った。 タイトルの『魔王の島』だが、原題はLes refuges「避難所」なのでだいぶ受ける印象が異なる。邦題の方がミステリ感が強いし、文庫本カバーのベックリン「死の島」や、文中でゲーテ『魔王』のモチーフが繰り返されるたびイメージが加速する。

Posted byブクログ

2023/06/17

なかなか読み応えがある怪作。訳者あとがきに何を書いてもネタバレになるとあったが、正にその通りの展開の連続で、途中からは一気に読み終えた。

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2023/05/31

訳者の人も「何を書いてもネタバレになりそうだ」と後書きで書いていたほど、複雑で展開が読めないストーリーだった。とても面白かった。

Posted byブクログ

2023/04/01

良くあるミステリーの出だしだな、と思っていたら話が二転三転しての驚きの結末。 二転三転具合もしっかり地に足付いてるし、結末もそれを踏まえてのものだからまあ納得だけど最後もう少し解説して欲しかったな、というのが正直な所でした。 ある映画を思い起こしてタイトル書こうかと思ったけどネタ...

良くあるミステリーの出だしだな、と思っていたら話が二転三転しての驚きの結末。 二転三転具合もしっかり地に足付いてるし、結末もそれを踏まえてのものだからまあ納得だけど最後もう少し解説して欲しかったな、というのが正直な所でした。 ある映画を思い起こしてタイトル書こうかと思ったけどネタバレになるので控えます。 再読すると伏線が分かるかも。面白かったです。

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2023/03/16

良くある孤島に取り残され系かと思いきや2章で予想しない展開になり、3章で真相も犯人も分かった!と思わせておいてからの4章で明かされる事件の全貌。構成がすごい。 このミス2023海外編10位。これで10位って今年はレベル高いなあ。

Posted byブクログ

2023/03/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白い。 ゲーテの「魔王」、シャンソンの名曲「聞かせてよ愛の言葉」を巧みに挟み込む印象操作、構成の妙で綴られるこれぞフレンチミステリの傑作。 自分の中では「魔王」はシューベルトの曲へ、「聞かせてよ愛の言葉を」はZAZの「Je veux」へ比較的馴染みあるものへと変換されはしたものの、不穏さ以外の何物でもない「魔王」と、一見甘やかで情熱的、けれども裏にある悲哀を含んだシャンソンの曲がこの物語の深層を形造り、最初に語られる表面的な物語とは全く異なる物語を浮かび上がらせてくる。 フレンチミステリの展開で唸らされた思い出深い作品というとピエール・ルメートルの『その女、アレックス』だが、それに並ぶほどの「おおぅ」という展開(似ているわけではありません)。 ギヨーム・ミュッソ『ブルックリンの少女』を彷彿とさせるいたたまれない事案。 あらすじは書かない。 もし未読でこれから読もうとするのならば是非”無”から楽しんで欲しい作品。 これがこのミス2023年度版の10位だものなぁ。 『第八の探偵』といい10位との相性が良いようだ。

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2023/03/04

2019年の大学の講義から物語は始まる。舞台はノルマンディー、1986年のサンドリーヌとダミアン警部、1949年のシュザンヌのそれぞれの視点で主に描かれる。始めはホラーぽい展開でこのままホラー感全開で終わるかと思ったが、1章2章3章と趣きが深まっていって重厚な小説に変わって行った...

2019年の大学の講義から物語は始まる。舞台はノルマンディー、1986年のサンドリーヌとダミアン警部、1949年のシュザンヌのそれぞれの視点で主に描かれる。始めはホラーぽい展開でこのままホラー感全開で終わるかと思ったが、1章2章3章と趣きが深まっていって重厚な小説に変わって行った。最後はまた大学の講義風景に戻って、こんなにのけ反ったのは初めてかもしれない。凄い作品に出会えた。

Posted byブクログ

2023/03/02

良かったです すごい構成だったなぁ、一読の価値あり!と自分は思うんですが、日本だと賛否分かれるだろうなぁと思いました 結局そうなん?みたいなね 日本はこれはダメなやつって風潮あるんだよね ただ「物語」に根源的にあるニーズを仕掛けに活かした秀作だと思うんだよね これ以上はネタバレ...

良かったです すごい構成だったなぁ、一読の価値あり!と自分は思うんですが、日本だと賛否分かれるだろうなぁと思いました 結局そうなん?みたいなね 日本はこれはダメなやつって風潮あるんだよね ただ「物語」に根源的にあるニーズを仕掛けに活かした秀作だと思うんだよね これ以上はネタバレになるんでやめとくけど 秋さんにぜひ読んでみてほしいなぁと思いました 秋さんならどんなレビュー書くのかなって お時間あればぜひ

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