1,800円以上の注文で送料無料

100分de名著 知里幸恵『アイヌ神謡集』(2022年9月) の商品レビュー

3.9

8件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    5

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/06/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

    -2023.06.01読了 アイヌとはアイヌ語で「人間」を意味する。 「カムイ」-自然界の全てのものに心があるという精神に基づいて自然を指す呼称-に対する概念としての「人間」という意味であった。

Posted byブクログ

2022/12/05

ゴールデンカムイでアイヌ語監修をされている中川裕氏の、アイヌ神謡集解説テキスト。 2022年は、アイヌ神謡集の著者である知里幸恵氏が19歳で亡くなってから100年に当たる。 知里幸恵氏の人生、アイヌとカムイの関係や考え方など、易しい言葉で解説されている。 アイヌ神謡集では、ロー...

ゴールデンカムイでアイヌ語監修をされている中川裕氏の、アイヌ神謡集解説テキスト。 2022年は、アイヌ神謡集の著者である知里幸恵氏が19歳で亡くなってから100年に当たる。 知里幸恵氏の人生、アイヌとカムイの関係や考え方など、易しい言葉で解説されている。 アイヌ神謡集では、ローマ字本文の音節の切れ目が2文字空けになっているとの事。 当該書籍を以前読んだ時は気付かなかったので、音節を意識して再読してみようと思う。

Posted byブクログ

2022/10/25

ゴールデンカムイのアイヌ語監修をされた中川氏による『100分DE名著』9月度の課題図書は、アイヌの伝統的な民話(神謡曲)だった。 100年前、日本語とアイヌ語を幼年期に習得したアイヌの少女が、弱冠19歳で神謡曲をまとめ上げ、その夜にこの世を去った。日本人と同化させられる歴史の中で...

ゴールデンカムイのアイヌ語監修をされた中川氏による『100分DE名著』9月度の課題図書は、アイヌの伝統的な民話(神謡曲)だった。 100年前、日本語とアイヌ語を幼年期に習得したアイヌの少女が、弱冠19歳で神謡曲をまとめ上げ、その夜にこの世を去った。日本人と同化させられる歴史の中で、民族の存在そのものを消されてしまう運命を危惧し、言葉に残すという形で、命をかけて守ったわけである。 もともと文字を持たないアイヌ民族が、何世代にもわたり、とても美しい言葉で、自らの存在を受け継いできたことが分かる。先住民族とか土人といった差別用語で表現され虐げられていたアイヌの人たちは、非常に洗練された文化を持っていたのだろう。特に「カムイ」という言葉の奥深さを知ることができた。単に「神様」ではなく、我々人間と共に自然界で生きるパートナーのような、身近な存在なのだ。

Posted byブクログ

2022/10/09

「知里幸恵『アイヌ神謡集』」中川裕著、NHK出版、2022.09.01 109p ¥600 C9498 (2022.10.09読了)(2022.08.27購入) アイヌの物語は、「ユーカラ」以外にあるとは知りませんでした。「ユーカラ」は、買ってあるのですが読んでません。機会があれ...

「知里幸恵『アイヌ神謡集』」中川裕著、NHK出版、2022.09.01 109p ¥600 C9498 (2022.10.09読了)(2022.08.27購入) アイヌの物語は、「ユーカラ」以外にあるとは知りませんでした。「ユーカラ」は、買ってあるのですが読んでません。機会があれば、『アイヌ神謡集』『ゴールデンカムイ』を読んでみたいと思います。 【目次】 【はじめに】魅力あふれるアイヌの物語世界 第1回 アイヌの世界観 第2回 「語られる物語」としての神謡 第3回 銀の滴降る降るまわりに 第4回 知里幸恵の想い (アマゾンより) 自然と共生する人びとが伝承してきた神の物語 アイヌが長年謡い継いできた物語を、アイヌ自身がアイヌ語で書いた初めての本。 編纂したアイヌの少女・知里幸恵は完成直前に夭逝してしまうが、美しい日本語対訳とともに収録された13編の神謡は、アイヌの豊かな世界観を私たちに伝えてくれる。 アイヌはいかに自然と共生してきたのか?文字を持たない人々の暮らしとは? あらゆる存在に霊魂を見出し、カムイ(神)と支え合って生きていく物語を通して、アイヌの文化やを味わいつくす最良のガイド! 大人気漫画『ゴールデンカムイ』の監修者がやさしく案内する。

Posted byブクログ

2023/03/23

・言葉は経済の上に成り立っている ・「耳と耳の間に座る」という表現がかわいい。 死んだ後の魂は耳と耳の間に居るのであり、肉体は入れ物であり、魂は別に存在していると言うアイヌの人々の思想が表れている。

Posted byブクログ

2023/08/25

冒頭で断っておくが、私はアイヌと日常的に接したり、アイヌ文化に触れた経験がない。いつかその無知状態から脱したいと思っていたところにこの本が出たので乗っかってみた。 ちなみに今年(2022年)は、1922年に知里幸恵が亡くなってからちょうど100年だ。 本テキストは第1回から第4...

冒頭で断っておくが、私はアイヌと日常的に接したり、アイヌ文化に触れた経験がない。いつかその無知状態から脱したいと思っていたところにこの本が出たので乗っかってみた。 ちなみに今年(2022年)は、1922年に知里幸恵が亡くなってからちょうど100年だ。 本テキストは第1回から第4回まで4部構成になっているが、それぞれが興味のある内容で満ちていたと感じた。しかし私からは、その中から特に引き寄せられた箇所1つだけに泣く泣く絞ることにする。それは「カムイ」とは何かについて書かれた第1回だ。 第1回のタイトルは「アイヌの世界観」。 「カムイ」という言葉自体は、北海道を走る特急の名称にもなっているくらいで、内地人でも耳になじんでいるとも言える。テキストでは、この「カムイ」という言葉をアイヌがどういう意味で使っているのかを深く掘る。 まずカムイと、日本語で言うところの「神」とは若干ニュアンスが異なる。この「カムイ」の概念の理解が、アイヌの民族的な思想の背景を理解する根幹をなしていると私は思うので、まずテキストの12ページから書かれているこの部分を精読して欲しい。 私の解釈として要約すれば、カムイとは、人間(アイヌ)をとりまく様々なものに人間と同じ精神性を認め、人間の目前に現われた時はそれぞれの姿(鳥や獣や生活用具など)でいるが、魂となったときにアイヌ(人間)と同じ姿となり、自分たちの世界へと帰っていくという概念である。したがって著者も指摘するように、精霊が宿るとするアニミズムとも若干異なっている。カムイは精霊ではなく、人間(アイヌ)が魂となったときと同じ姿形であることが重要なのだ。 つまり、アイヌにとってのカムイは、神性よりもむしろ友愛性に重点が置かれているのではないだろうか?そのために、同じく現世を構成する友(あるいは仲間と言ってもいい)と言い換えられるシマフクロウやキツネの語りが、アイヌ(人間)の口承によって成立しうるのだ。 上から授けられた神の言葉ではなく、見た目が異なるだけで、同じ大地を生き抜くという意味では“同輩”の言葉であるがゆえに、人間(アイヌ)は自由に謡うことができたのだ。 すばらしいではないか。 私はさらに読解を進め、アイヌの思想は、征服者の発想ではありえない、ということにも気づいた。他者を征服して版図を広げてきた民族ではできない発想なのだ。実際、アイヌは人口が土地に比してそれほど密でないこともあり、和人がかの地に渡ってくる以前はほとんど紛争の形跡がなかったという。 また私はほぼ同時期に新聞で、ローマ教皇がカナダの先住民の同化政策に教会関係者が大きく関与していたことについて、現地で謝意を表明したという記事にも目が留まった。教化という名の同化はすなわち、征服という概念を有しなかったネイティブカナディアンを文化的に征服することだったという事実を公式に認めたのだ。 アイヌがカナダの彼らと元々は同系統だったと言うのは飛躍し過ぎだろうが、数年後、同化への圧力に対する謝罪からさらに一歩進んで、アイヌなどの“先進的な”文化が、日本をはじめとした各国に認められ、そこから多くの人が学ぼうとする姿が現実となるかもしれない。 「戦争はよくない」と口で言うのは簡単。しかしアイヌの思想という日本人にとって身近なところで紛争を避けるための知恵が歴史的に受け継がれているにもかかわらず、多くの日本人がそれを見過ごして(見下して)しまっているのであれば、残念なことだ。

Posted byブクログ

2022/09/22

19歳で早逝した知里幸恵が遺した、世界初の文字化されたアイヌの口承の世界。番組で取り上げられたことの意義はとてつもなく大きいと思う。

Posted byブクログ

2022/10/09

Eテレの番組で 1, アイヌの世界観  口承文芸を文字に本に すべてが魂を持つ 意志を持つものがカムイ カムイも人間も同じ 2,物語としての神謡  メロディ サケヘ繰り返しリフレインや 3, 見逃した、、。銀の滴降る降るまわりに 4, 知里幸恵の想い  私はアイヌだ

Posted byブクログ