みちづれの猫 の商品レビュー
猫好き必読です。 短編なのですが、どのお話も猫への愛が溢れてる。 読んでいて、「分かる分かる!」ということばかり。確かに、猫って気まぐれだけどその分敏感で。 人間が言わなくても、辛い時は察知して寄り添ってくれる生き物。 我が家のニャンズとも、彼らが虹の橋を渡るまで、一日一日を...
猫好き必読です。 短編なのですが、どのお話も猫への愛が溢れてる。 読んでいて、「分かる分かる!」ということばかり。確かに、猫って気まぐれだけどその分敏感で。 人間が言わなくても、辛い時は察知して寄り添ってくれる生き物。 我が家のニャンズとも、彼らが虹の橋を渡るまで、一日一日を大切に生きようと思いました。 なお、猫好きさんなら100%泣くので、電車の中で読むのはオススメできません。笑 (特に一番最初のお話「ミャアの通り道」は、我が家のニャンズの来る日を想って号泣したし、何なら実家にいる老犬を想って泣いた)
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いずれの短編も猫がモチーフになっている別離や喪失の物語なのだが、どの登場人物もなんというか、非常にまっとうで、物語もひねたところや複雑さがなく想像を覆さない。この”ちゃんとした感じ”がどうも猫っぽくない・・・と思いながら読了して藤田香織氏の解説を読んで、あっ!そうだったのか!!と...
いずれの短編も猫がモチーフになっている別離や喪失の物語なのだが、どの登場人物もなんというか、非常にまっとうで、物語もひねたところや複雑さがなく想像を覆さない。この”ちゃんとした感じ”がどうも猫っぽくない・・・と思いながら読了して藤田香織氏の解説を読んで、あっ!そうだったのか!!と腹落ちした。著者は実は大型犬を飼っていた犬派なんだそうである。なるほどなるほど。 藤田氏が書くように作家というものは必ずしも自分の志向や経験の有無でものを書くわけではないから、それがかえっていいのかもしれない。猫好きは猫を使ったまっとうな人々のほんのりした物語は書けないかも・・・どの作品も幅広い読者に支持されるであろう温かい小品になっていると思う。 30年前に別れた余命いくばくもない恋人が軽井沢でフラワーショップを営む自分を訪ねてきて・・・”ハーレクインロマンス”ってあったなと久しぶりに思い出した「残秋に満ちゆく」は奥付を見ると初出が家庭画報というので著者の読者ニーズをとらえる力がさすがである。猫を支えに独りで人生を切り開いてきて死を控えた女性が、見送った猫たちを回想し終えたとき、まさに彼岸に渡ろうとしている「約束の橋」もよい。
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猫にまつわる7つの短編集。 若い頃によく読んだ唯川恵さんの本は久しぶりでしたが、最高でした。 電車の中で何度も涙が溢れそうに… 悲しい涙ではなくて、全てじんわり切なくて温かい涙という感じ。 我が家も2匹の猫がいるので、 彼らの毛の温もりや匂いに癒される幸せを改めて感じます。 ...
猫にまつわる7つの短編集。 若い頃によく読んだ唯川恵さんの本は久しぶりでしたが、最高でした。 電車の中で何度も涙が溢れそうに… 悲しい涙ではなくて、全てじんわり切なくて温かい涙という感じ。 我が家も2匹の猫がいるので、 彼らの毛の温もりや匂いに癒される幸せを改めて感じます。 全猫好きに読んでもらいたい。
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猫にまつわる短編集。 優しくて温かいながらも、どこか別れの寂しさや切なさが心に残る素敵な話ばかりだった。 猫飼いとして特に心に残ったのは「運河沿いの使わしめ」と「約束の橋」 生きる気力を無くして汚部屋に住んでいたのを、猫との出会いで変わる江美。紆余曲折の長い人生をさまざまな猫と...
猫にまつわる短編集。 優しくて温かいながらも、どこか別れの寂しさや切なさが心に残る素敵な話ばかりだった。 猫飼いとして特に心に残ったのは「運河沿いの使わしめ」と「約束の橋」 生きる気力を無くして汚部屋に住んでいたのを、猫との出会いで変わる江美。紆余曲折の長い人生をさまざまな猫と共に過ごしてきた幸乃。 側から見たら「猫を飼ってる、猫の世話してる」なんだけど、実は生かされてるのは自分の方だったりする。自分にも心当たりあるなぁ。 話として好きなのは「祭りの夜に」 祭りの夜に待ち合わせするそれぞれの思いが切なくて美しくて、ほろりときた 猫のために少しドアを開けておく、とかの細かい猫描写もよくて、「そうそう、猫ってそうだよね」なんて思いながら没入して読めてよかった
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どこまでも優しくてあたたかい、猫と一緒に過ごしたお話7編。心にすーっと染み入るような読み心地でした。特に印象に残ったのは「運河沿いの使わしめ」と「約束の橋」です。 ちょっと不思議なお話もあって、とても楽しめました。
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軽井沢の話と最後の話が好きです。最後の話はどこに向かって歩いてるかわかったけど、そこまでの筆運びがとてもいい。最期は私もそうだといいな…。
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様々な年代の女性の些細な心の揺れを、静かに、丁寧に描写されているからか、切なく穏やかな気持ちで読み進めることができた。 猫飼いならきっと、たとえば最初のお話ならば「扉を少しだけ開けておく」という習慣は身に覚えがあるはず。そんな些細な猫との暮らしあるあるが、まさか物語に活きてくるとは。 どれも胸にグッときたが、個人的には『最期の伝言』は人目を憚らず電車内でぼろぼろと泣いてしまった。 なんて魅力的なお話なんだろう。 この物語に、唯川恵さんという作家に、出会えたことを心から感謝したい。 2023.8.24 読了
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唯川さんの作品を読んだのは十数年ぶりになるだろうか。 若い頃、アラサーと呼ばれる世代に唯川さんの恋愛小説の大ファンだった。 同世代のヒロインの心の動きを繊細かつリアルに描く作風に強く魅力され、深い共感を得た。 本書はたまたま書店店頭で見かけて、タイトルと表紙に惹かれて購入した。 特に印象に残ったのは「祭りの夜に」。 認知症の祖母が今なお待ち続けている男性の正体が実は夫である祖父だったー。地方の田舎でひと夏の休暇を過ごすヒロインの目を通して、幻想的、情緒豊かに祭りの夜が描かれる。 「最期の伝言」。幼い頃に母と自分を捨てて他の女性に走った父。ヒロインは父を恨めしく思ってきたが、父が家庭を捨てた事情の裏には、意外な真実があったー。 全体的な感想としては、相変わらず今も昔も唯川さんは女性の心理描写が秀逸だなと改めて思った。 唯川さんも歳を重ねられ、読む側の自分も歳を取った分、昔とは違う作風なり感じ方なりがあるのは当然かもしれない。 私が唯川さんの作品にハマっていた頃、小説のヒロインは若い女性が多かったが、今は、あらゆる年代の女性たちが生き生きと作品の中で息づいているように思った。また機会があれば、唯川さんの作品を是非読んでみたい。
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病院の待ち合いで読んでいた、 冒頭の『ミャアの通り道』の最後でいきなり泣けた。 どのお話しも『猫ってそうだよな〜』と納得しながら、 いつもそばにいてくれるウチの猫への愛しさが、 読み進めるごとにどんどん強くなるのがわかるし、 猫と暮らす人はみんな同じ想いなんだなぁと、 改めて実感...
病院の待ち合いで読んでいた、 冒頭の『ミャアの通り道』の最後でいきなり泣けた。 どのお話しも『猫ってそうだよな〜』と納得しながら、 いつもそばにいてくれるウチの猫への愛しさが、 読み進めるごとにどんどん強くなるのがわかるし、 猫と暮らす人はみんな同じ想いなんだなぁと、 改めて実感する。 ストーリーで描かれる猫との別れや死別を 自分の事としても捉えると悲し過ぎて考えたくはない。 でもその時はいつか必ず来る…と教えてもくれている。
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集英社文庫のナツイチフェアで表紙買い。 7編のオムニバス。 何れも猫が登場し、主人公の心を揺らす。 別れがあり、新たな出会いや門出を予感する。 辛い時に猫がいる生活はいい。
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