異常の構造 の商品レビュー
「異常の構造」がこの1冊でわかるというよりも、なぜ「異常」がまったく理解され難いものなのかということに主眼を置き、複数の事例の徹底的な観察を通して、いかに「異常」の発生するシステムが複雑であるか、いかに「異常」を「正常」に戻すことが不可能極まりないことであるかを著している。非常に...
「異常の構造」がこの1冊でわかるというよりも、なぜ「異常」がまったく理解され難いものなのかということに主眼を置き、複数の事例の徹底的な観察を通して、いかに「異常」の発生するシステムが複雑であるか、いかに「異常」を「正常」に戻すことが不可能極まりないことであるかを著している。非常に難しくはあるが、それなりに読み進めていくことはできる。終盤の哲学的思索が難解で咀嚼しきれなかった部分もあるので、必ず再読したい。
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統合失調症の狂気を、分からないなりにも分かりたい気持ちになった。私が世界公式1=1の錯覚の中に生きる限り、1=0や1=∞の世界のリアルさは分かりえないのだろうけれど。 ブランケンブルクの症例アンネの言葉は、思春期の課題である自己同一性の獲得に失敗しているだけみたいに私には思われた...
統合失調症の狂気を、分からないなりにも分かりたい気持ちになった。私が世界公式1=1の錯覚の中に生きる限り、1=0や1=∞の世界のリアルさは分かりえないのだろうけれど。 ブランケンブルクの症例アンネの言葉は、思春期の課題である自己同一性の獲得に失敗しているだけみたいに私には思われた。が、症状が数年持続している間に、統合失調症者に独特の「人格変化」を示してくるようになる(p.53)という説明は興味深い。異常者排除の歴史が精神疾患者の免責(p.140)に落ち着いた点は未だに腑に落ちない。
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正常と異常を、優位と劣等、マジョリティ/マイノリティや、コミュニティにおける価値観のありかたから捉え直してるのがすごくいいし、何も結論づけていないところもとてもいい。正気の人間が街にあふれている異常。正解や正義や正常はただのまやかしなんだよ
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難しくて序文はまったく理解できなかったけど、実際の症例をもとに展開していく本章は読み応えがあった。「異常」を定義するうえでそもそも「正常」とはなにかというところからスタートするが、そもそも私たちが「正常」と認識している現実自体が虚像に過ぎず、「異常」を理解し論じるには値しないので...
難しくて序文はまったく理解できなかったけど、実際の症例をもとに展開していく本章は読み応えがあった。「異常」を定義するうえでそもそも「正常」とはなにかというところからスタートするが、そもそも私たちが「正常」と認識している現実自体が虚像に過ぎず、「異常」を理解し論じるには値しないのではという考え方には共感できた。でも1970年代に書かれた本ということもあり、男女二元論やミソジニー、恋愛至上主義な話の展開があって、そういう思い込みや社会規範が精神疾患をつくりだす可能性を孕んでいるのでは。
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素晴らしいの一言。 遅読気味な自分が一気に読み終わってしまった。 古い印象を受ける部分が少なからずあるが、それを補って余りある内容でした。 常識とは何なのか。 異常か正常かは何で決まるのか。 正常者の思う世界だけが本当の世界であるとは限らない。 著者があとがきに書いている内容...
素晴らしいの一言。 遅読気味な自分が一気に読み終わってしまった。 古い印象を受ける部分が少なからずあるが、それを補って余りある内容でした。 常識とは何なのか。 異常か正常かは何で決まるのか。 正常者の思う世界だけが本当の世界であるとは限らない。 著者があとがきに書いている内容は精神科のお医者さんとしての誠意を込めた素直な考えなのだと思う。 木村さんの精神病理学の世界観に触れたい方は是非読んでみて下さい。 常識を解きほぐして見たい方にもオススメ。
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「常識」はセンスであって、そこには感情的側面がある。常識に反した他人の行動を目撃したときに感じるぞわぞわとした恐怖は、それが「異常」であることを伝えている。このような「常識」や「異常」は、人間の遺伝的な精神の働きを通して決まっていると考えられ、統計学的な逸脱によって定義されるもの...
「常識」はセンスであって、そこには感情的側面がある。常識に反した他人の行動を目撃したときに感じるぞわぞわとした恐怖は、それが「異常」であることを伝えている。このような「常識」や「異常」は、人間の遺伝的な精神の働きを通して決まっていると考えられ、統計学的な逸脱によって定義されるものとは違う。
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