レペゼン母 の商品レビュー

4.2

122件のお客様レビュー

  1. 5つ

    42

  2. 4つ

    47

  3. 3つ

    22

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2022/12/25

尻すぼみの印象。 35年分の親の想いをわずか数小節のラップに詰め込むのであれば、もっと言葉が研ぎ澄まされていなければならないと感じた。なんというか、ありきたりな感じがしてしまった。 一度、棄権してエキシビジョンでの対決となる流れは冗長で話のリズムが途切れてしまったように感じた。...

尻すぼみの印象。 35年分の親の想いをわずか数小節のラップに詰め込むのであれば、もっと言葉が研ぎ澄まされていなければならないと感じた。なんというか、ありきたりな感じがしてしまった。 一度、棄権してエキシビジョンでの対決となる流れは冗長で話のリズムが途切れてしまったように感じた。あの展開で話が深まっているわけでもないような。 設定はユニークで面白かった。

Posted byブクログ

2022/11/13

素晴らしい内容だった、 亡き夫の跡を継ぎ35年も梅農家を経営してる母の明子が、放蕩息子の雄大とラップバトルを通して、自分の想いを伝えていく。 本書の素晴らしさは、ラップバトルの詳細な描写で初心者もありありと情景が浮かぶ点と、子育ての難しさを掛け合せたことだと思う。 親子関係は一番...

素晴らしい内容だった、 亡き夫の跡を継ぎ35年も梅農家を経営してる母の明子が、放蕩息子の雄大とラップバトルを通して、自分の想いを伝えていく。 本書の素晴らしさは、ラップバトルの詳細な描写で初心者もありありと情景が浮かぶ点と、子育ての難しさを掛け合せたことだと思う。 親子関係は一番近くて一番難しいと思うし、誰もが悩む問題の1つ。わたしは子供はいないが、言われてみれば自分も腹を割って親に意見を伝えたことがあるだろうかと思い返し、明子の雄大を想う気持ちに目頭が熱くなった。 ラップバトルで親への気持ちを伝えるのは流石に私はできないので、この本を親に勧めて、間接的に親への感謝を伝えたいと思った。

Posted byブクログ

2022/11/08

凄く良かった。梅農家の日々の様子、ラップ会場の裏方と聴衆。 何よりもラップを活字化されているのがとても面白く、勝手に音を想像しながら盛り上がる自分がいた。主題は母と息子の物語。35年の両者の思いが一瞬のラップ対決で明かされていく爽快感が良かった。

Posted byブクログ

2022/10/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

是非とも世の親子全員に読まれて欲しい、とても良い意味で思ってたのと違った読み口の、真摯で心躍る家族×ヒップホップ小説。 嫁いですぐに夫に先立たれ、引き継いだ梅農家を経営して30年にもなる還暦世代の肝っ玉オカン社長・明子がラップの世界に足を踏み入れ、みるみる才能を開花させていく訳だが、なんと最終的には放蕩三昧を繰り返した挙句に大麻所持で逮捕までされた実の息子・雄大とラップバトルを繰り広げる激アツ展開に。 本作の魅力はまず何と言ってもラップシーンの高揚感。正直、ラップを文字で読んで楽しめるのか半信半疑だったのだが、頭の中で適当なBGMを流しながらリリックを追っていくとこれがめちゃくちゃ楽しくてしょうがない。思わず身体を揺らしながら読んでしまう。 正直言ってラップって韻を踏んで相手を汚くdisるだけの物と思っていたし、現に物語前半に登場するMC鬼道楽は正にイメージ通りの敵であったのだけど、これを明子が粉砕していく様がもう…痛快爽快。 ヒップホップの事を「自分がめちゃくちゃ不完全でバラバラになってるみたいな時って、完璧に綺麗で正しいものって受け付けないんだと思う」「満たされて幸せな人間には必要ない音楽」(ともにp74)と沙羅は評するが、これには深く納得。ダ・ヴィンチWEBの書評インタビューで「作者の宇野碧さんは、めちゃくちゃラップに詳しい方ですね。」と呂布カルマ氏が語っている通り、大会の舞台裏の様子や運営の事情についてだとかもリアルに描かれているが、とにかくヒップホップについての理解が大変深いからこその熱が伝わって来る文章なのだろうな、と感じられた。 また、宇野先生自身が和歌山県在住という事で梅農家の作業風景も大変堂に入った感じ。 そしてもう一本の縦軸である「ほんまに子育てって何やろ」(p54)という問い。これについては作中でも明子が模索を繰り返し悩み抜く訳で、「ほんまになんで私らは、何のために私らは、息子を産んで育ててきたんやろか。」(p234)と作品終盤に至るまで答えは出ない。 この深遠な問いへの一つの回答と思われるのが「へその緒」に象徴される「かつて息子と、ひとつにつながった存在だった」という自覚。ただしその感覚は「母親だけに作用する」(いずれもp175)ものであり、精神面ではいつまでも’繋がっているもの’なのに成長につれて息子達はどんどんと離れていく。そのギャップ的違和感をして「憑き物」(p266)と表現し、その憑き物落としに至るまでをひっくるめてが’子育て’という一大事業なのではないだろうか。 妊娠当時「そもそも身体の中に他の生き物がいるというのが異常事態」(p73)と明子は息子を’他の生き物’と認識していたのが、いつの間にか自己と’繋がったままの=同一の’存在にすり替えてしまったが為に、親子のすれ違いや無理解、果ては衝突が起こってしまったという事なのだろうか。 兎にも角にも、親子とか家族とか何でもいいけど悩み事が出来たら「ブレイクビーツ」(p71)の精神、即ち凝り固まった考えをブレイクして、試しに頭を空っぽにしてヒップホップを聴いてみるというのも案外、良い解決の糸口になるのかも知れませんね。 おそらく宇野先生としても得意分野を詰め合わせた作品なんじゃないだろうか。会心の傑作だと思います。 いやー、面白かった。 1刷 2022.10.29

Posted byブクログ

2023/01/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読み終わって感じたこと  ヒップホップやラップはやっぱり好きになれないけれど、少しイメージが変わりました。  設定がすごい楽しい。スラングの音楽を本に載せて、しかも農家のおばあちゃんが… 64でラップなんて誰が実写でできるか? 柴田理恵さんで脳内再生してましたけど、マチャミとか野沢直子とかもいいなー。  いつまでもエネルギッシュに生きたい。  最大の見せ場の親子対決のラップバトルシーンは、消化不良でイマイチと感じましたが、うるっときたり強い良い言葉も効果的に使いつつ、メッセージ性この本は持っていたので、総じて面白かったです。 親子だけでなく本音の奥のところのコミュニケーションて本当に難しい。親なら逃げたくない。 向き合う事は自分と闘う事 そういうところが噛み合った設定で、35歳と64歳のラッパーになんの違和感もなかったです。 おもしろいと思ったシーン  ★他人の沙羅が明子と心通わせ、 鬼道楽を明子がコテンパンにしたところ。 全女性が明子たちを応援したはずです。  ★ケンシロウのセリフをもじったラップはツボでした。  ★雄大が一番になったよと報告できたところ。 良かったねぇ〜と泣けました。どっちの立場にたってです。本気で取り組んだことが認められ、大事な人に共有できる事程幸せな事はないでしょう

Posted byブクログ

2022/10/25

コミュニケーションとは何なのか。誰かを理解することの難しさ。普段何気なく話していても、何も伝わっていなのではないだろうか? そんな事を考えさせられた。 mcバトルを通して、初めて他者と向き合う。 その中で自分自身を、息子を、そして家族を再発見していく物語。 ラップのフロウだからこ...

コミュニケーションとは何なのか。誰かを理解することの難しさ。普段何気なく話していても、何も伝わっていなのではないだろうか? そんな事を考えさせられた。 mcバトルを通して、初めて他者と向き合う。 その中で自分自身を、息子を、そして家族を再発見していく物語。 ラップのフロウだからこそ、伝わる事がある!

Posted byブクログ

2022/10/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

雄大とのラップバトルは、ラストの方でめちゃくちゃ内輪なことがめちゃくちゃ広く広がるアメーババトル。アメーバ小説。 ヒップホップもロックもジャンルじゃない。 それは魂の名前だ。

Posted byブクログ

2022/10/19

最後は母親から手を離す(子離れする)必要があるんだよな、自分で生きていけって。 と大学生の息子を持つ身として考えさせられました。 向き合う姿が感動でした。

Posted byブクログ

2022/10/26

単なる親子喧嘩をラップと組み合わせるという発想に5点。ラップだと相手の話を真剣に聴いて本音で返さないとならないとのことで、親子喧嘩解決には合理的な組合せ。人物、感情描写もよく書けてて面白かったんだが、話が盛り上がっていく途中で急に場面転換するのはマイナス。期待の余韻を場面転換て引...

単なる親子喧嘩をラップと組み合わせるという発想に5点。ラップだと相手の話を真剣に聴いて本音で返さないとならないとのことで、親子喧嘩解決には合理的な組合せ。人物、感情描写もよく書けてて面白かったんだが、話が盛り上がっていく途中で急に場面転換するのはマイナス。期待の余韻を場面転換て引っ張る手法なのかもしれないけど自分には合わず。読んでて面白くなる箇所は予定調和で楽しく読みたいのに、そこが途中で何度もぶった切られるのは読んでて不快でもあり、残念でした。

Posted byブクログ

2022/10/17

素晴らしかったです。文句なしで☆5つ。 ラップという、なんとなくは知ってるけど詳しくはしらない文化をテーマに選び、さらにそこにラップから一番遠そうな「母親」を混ぜるという発想がまず面白い。 ラップでは「マザファッカー」という、日本でいうところの「おまえの母ちゃんでべそ」的なデ...

素晴らしかったです。文句なしで☆5つ。 ラップという、なんとなくは知ってるけど詳しくはしらない文化をテーマに選び、さらにそこにラップから一番遠そうな「母親」を混ぜるという発想がまず面白い。 ラップでは「マザファッカー」という、日本でいうところの「おまえの母ちゃんでべそ」的なディスり方がある。でもいざ母親が目の前にいたら「マザファッカー」とは言えないだろう。だって、母親本人なのだから。 母と子。この本を読む読書のすべては誰かの「子ども」のはずだから、主人公・明子の魂のラップは間違いなく心の中心に刺さると思う。エンターテイメント性、言葉のうつくしさ、キャラクターの描写、どれをとっても本当に素晴らしかった。読んでよかったです。

Posted byブクログ