自由対談 の商品レビュー
芥川賞作家・中村文則が総勢33名、36の対談をした。 ピエール・ルメートルとの対談「その女アレックスはこうして生まれた」を読んだ。 ルメートル:小説は「人間の感情」を道具として世界を理解していく 中村:読者は読み進めるうちにアレックスへの感情がどんどん変わってゆきます。 ルメ...
芥川賞作家・中村文則が総勢33名、36の対談をした。 ピエール・ルメートルとの対談「その女アレックスはこうして生まれた」を読んだ。 ルメートル:小説は「人間の感情」を道具として世界を理解していく 中村:読者は読み進めるうちにアレックスへの感情がどんどん変わってゆきます。 ルメートル:「その女アレックス」のアイデアは、読者がアレックスに抱く感情を作家がどのように操っていくか、ということだった。まずは読者が登場人物の気持ちになりきるように持ち込まなくてはいけない。そのためにはある程度ポジティブな人物を作り出す必要があった。 ルメートル:小説は冒頭で強烈なイメージを与えなくてはいけません。・・私は登場人物に対して残酷であることで有名です。この檻に誰をとじこめればいいか? まず若い娘でなくてはいけないということです。・・読者に本を読み始めさせるには、強烈なイメージが欠かせない。・・小説に没頭させるためには、強烈なインパクトが大切です。 う~ん、強烈なインパクト、ですか。それが若い娘・・「その女アレックス」確かにアレックスの転変が耳目を引いたけどあまりの残酷さにひいてしまったのだが・・ ルメートルの言葉を読み切れてはいないのだろうか。 2022.7.30発行 図書館
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一瞬読むのをためらう厚さでしたが、内容は読みやすいものばかり。対談のお相手も大物ばかりです。 ドストエフスキーや、太宰治を再読するなど、作家の方々の読書欲は凄いし、読む力が桁違いだと感じました。 私はドストエフスキーは読めないだろうな…と思いますが、亀山郁夫さんの「新カラマーゾフ...
一瞬読むのをためらう厚さでしたが、内容は読みやすいものばかり。対談のお相手も大物ばかりです。 ドストエフスキーや、太宰治を再読するなど、作家の方々の読書欲は凄いし、読む力が桁違いだと感じました。 私はドストエフスキーは読めないだろうな…と思いますが、亀山郁夫さんの「新カラマーゾフの兄弟」は読んでみたい。 全体を通して、中村文則さんはどんな人とも楽しく会話出来る方なのだとわかりました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
次何読むかなーと思ってたらAmazonでレコメンドされて気付いて読んだ。ここ10年近くの著者の対談がまるっと収まっており特大ボリューム&超豪華ゲストの濃すぎる対談集でとてもオモシロかった。著者の作品は比較的初期から読んでおり、ほぼ全作読んでいるものの、何年も前の場合が多く本の内容に関する記憶が曖昧だったのがもったいなかったかも…少なくとも『銃』『掏摸』は読み直してから本著を読んだ方が楽しめると思う。 すべてが対談形式なのでリーダビリティがとても高い、かつ好きな作家なので彼の考えを他者との会話からうかがい知ることができて楽しかった。特に小説の書き方、無意識が駆動する物語という話は繰り返し登場しており、それゆえの境地があるのが興味深かった。(あとがきでエクスキューズがあったけども)好きだった対談は社会問題・テクノロジーのパート。小説家でもノンポリの人が多いかもしれないが、著者は賛否あれども小説をつうじて自分のスタンスを明確にしているからこそ色々と踏み込んで話ができていてかっこいい。 本を読んだときの作家と一般的な読者で得ている情報の量の違いに驚いた。職業だから当然とはいえ、一つの作品から感想を含めた考察まで見えている風景が違いすぎる。「読めてない」とはよく言われるけど初めて肌感として理解できた。あとは再読の大切さも学んだ。特に後半の怒涛のドフトエフスキーの論考は圧巻…翻訳者と対等に議論しているあたりに著者のドフトエフスキー愛が溢れていた。『罪と罰』はかろうじて読んでいるけど、もっとも話題にあがっていた『カラマーゾフの兄弟』が未読なので読みたい。これらも含め本著は優れたレコメンド本にもなっている。 中村文則作品を読んでいない人でも本著から入って読みたくなるケースもあると思う。また俳優、ミュージシャン、作家、学者とジャンルを問わずビッグネームの連発なので著者の読者であれば、このメンツ並んでいて読まない選択肢を取ることはまずないはず。ゆえに万人におすすめ。
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対談集なので、当然といえば、当然ではあるが、同じような質問や回答が多く、所々読み飛ばしながら読んだ。テーマごとに章立てされていたのだが、映画章の互いの持ち上げがちょっときつかったかな。。社会問題の章は面白かった。AIの6年前の記事で、こうなるだろう的なものが実現していて、今後どう...
対談集なので、当然といえば、当然ではあるが、同じような質問や回答が多く、所々読み飛ばしながら読んだ。テーマごとに章立てされていたのだが、映画章の互いの持ち上げがちょっときつかったかな。。社会問題の章は面白かった。AIの6年前の記事で、こうなるだろう的なものが実現していて、今後どうなっていくのか楽しみになりつつも、なぜだか不安にもなった。 中村文則といえば、悪というテーマが真っ先に思い浮かぶ作家だとは思うが、考え方が興味深く、改めて過去の作品を読みたくなった。 ★3.2
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P28奥が伝わってくるような言葉を書くのが純文学 P32小説を書くっていうのは、如何に無意識を使うかってことなんです。つまり自分が書きたいことを書くんだけど、自分のもっともっと奥にある自分の無意識的にどこまで出せるかってことなので、変な話、書いたあとに少し記憶が曖昧な時もあるんで...
P28奥が伝わってくるような言葉を書くのが純文学 P32小説を書くっていうのは、如何に無意識を使うかってことなんです。つまり自分が書きたいことを書くんだけど、自分のもっともっと奥にある自分の無意識的にどこまで出せるかってことなので、変な話、書いたあとに少し記憶が曖昧な時もあるんですよ。 半分くらいまで全部読んでたけど途中からは文の書き方のみかいつまんで
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図書館で2回借りて読了。様々な人との対談内容から、中村作品がどれだけの背景のもとに生み出されているものなのか、その深さ凄さがうかがえます。そして読み終わった後はサブリミナル的にドストエフスキーに挑戦したくなるなぁ。きちんと読める時間を作りたい。そして最後の大御所大江健三郎氏との対...
図書館で2回借りて読了。様々な人との対談内容から、中村作品がどれだけの背景のもとに生み出されているものなのか、その深さ凄さがうかがえます。そして読み終わった後はサブリミナル的にドストエフスキーに挑戦したくなるなぁ。きちんと読める時間を作りたい。そして最後の大御所大江健三郎氏との対談は、なんだか感動すらおぼえた。そしてもちろん、『掏摸』も再読したくなるのだった。小説など書けない人間にとって、一人でも二人でも、そして一作でも二作でも、印象に残る小説家やお話に巡り逢えることは、人生において大変幸せなことである。
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とにかく読み応えたっぷり。 桃井かおり、あいみょんから、仲良しの又吉直樹に西加奈子、古井由吉、大江健三郎 まで各界を代表する著名な人たちが目白押し。 ざーっと読んだけど、全然理解できてないかも。 中でも亀井郁夫氏との対談にけっこう頁を割いていて、カラマーゾフの兄弟を読んでいて良か...
とにかく読み応えたっぷり。 桃井かおり、あいみょんから、仲良しの又吉直樹に西加奈子、古井由吉、大江健三郎 まで各界を代表する著名な人たちが目白押し。 ざーっと読んだけど、全然理解できてないかも。 中でも亀井郁夫氏との対談にけっこう頁を割いていて、カラマーゾフの兄弟を読んでいて良かったと思ったね。 2度も3度も読みたくなるってあったけど、一度しか読んでないけど、あと罪と罰のラスコーリニコフのも言及してて、この本を読む時には手引書としてまた読みたいかも。 綾野剛とも、そんなにも懇意にしてたとは知らな方し、 作風(読んだことないけどダーティーでバイオレンスな感じで食わず嫌いなのかも)と全然、違う印象。
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小説家は小説で勝負するべきなので、対談は斜め読みでいいかなと。流石に文学ⅠとⅡはそれなりに興味深かったが、それ以外はなんてことなく内容薄い。中村文則の大ファン以外は読まなくてもよい本。
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