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ネクスト・ギグ の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2023/07/24

ライブハウスのステージ上でロックバンド「赤い青」のボーカルが刺殺された。五百人の観客の目前で、犯行はどのようになされたのか。そしてその直前にギタリストが演奏ミスをしたことには何か意味があるのか。謎を追ううちにさらに起こる事件、そして「ロックとは何なのか」という謎を追究するミステリ...

ライブハウスのステージ上でロックバンド「赤い青」のボーカルが刺殺された。五百人の観客の目前で、犯行はどのようになされたのか。そしてその直前にギタリストが演奏ミスをしたことには何か意味があるのか。謎を追ううちにさらに起こる事件、そして「ロックとは何なのか」という謎を追究するミステリです。 ロックというとなんだか激しい音楽、というくらいの認識しかありません。嫌いではないけれど、特に興味もありません。それでもなんとなくロックって素晴らしい、という気にさせられました。いろんな形があるけれど、登場人物のほとんどがその人なりの方向性でロックを愛してるんですねえ。ただしそれが楽しいだけではなくつらくもあるところが、少しばかり切なくもありました。さらにそれが動機に絡んでいってしまうところがなんとも……でも読後感は悪くありません。 次々と新たな謎が出てくるところも読みごたえがあります。事件に関係する部分以外でも、語り手である梨佳が抱える秘密、「サウザンドリバー」のボーカルの死の真相、と盛りだくさん。そして一番大きな謎は「ロックとはなにか」。これに関する答えは人ぞれぞれかもしれませんが。今まで考えたこともなかった謎に挑む気分でした。なるほどなあ。

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2023/02/20

プロローグからしてミッシェルガンエレファント好きそうな作者だなと思っていたら速攻で名前が出てきて手を叩いて喜んでしまいました。

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2022/08/22

Amazonの紹介より 逆光を浴びステージに登場したボーカルは、突如悲痛な叫び声をあげるとその場に頽れた。彼の胸には千枚通しが突き刺さっていた。衆人環視の中での不可解な変死により、ロックバンド〈赤い青〉は活動休止に追い込まれる。事件直前、カリスマ的なギタリストが冒した、彼に似つか...

Amazonの紹介より 逆光を浴びステージに登場したボーカルは、突如悲痛な叫び声をあげるとその場に頽れた。彼の胸には千枚通しが突き刺さっていた。衆人環視の中での不可解な変死により、ロックバンド〈赤い青〉は活動休止に追い込まれる。事件直前、カリスマ的なギタリストが冒した、彼に似つかわしくない凡ミスは事件と何か関係があるのか? ライブハウスのスタッフである梨佳は、あの日なにが起こったのかを考え始める。 この作品がデビュー作ということで、ミステリーなのですが、音楽に対する情熱が文章から滲み出ていました。 ロックに夢中になった人たちの栄光と挫折、そしてその先に訪れる悲劇。夢中になったが故の代償は大きく、切なさの残る青春ミステリーでした。 衆人環視の中で起きた事件。密室を彷彿させるような状況で、ミステリーとして考えると興味をそそるですが、結果的には微妙かなと思ってしまいました。 警察側の描写はなく、ロックバンド側の視点しか描かれていません。意外と解決されないので、さぞかしトリックは極上なのかなと期待値が高まっていただけにちょっと残念感がありました。 事件の背景には、「音楽」にかける情熱が関係しています。 随所には、各々の登場人物が音楽に対する情熱などを語っています。初心者にもわかりやすいよう、ロックについての基礎知識や歴史、歌手名なども紹介されています。 あまり音楽に詳しくはありませんが、ロックについて、勉強になりましたし、文章を通じての熱意が伝わりました。 その分、途中ミステリー色が薄まった印象もあり、青春音楽小説とミステリーを分けてもよかったのかなとも思ってしまいました。 ただ、情熱といった背景があることによって、今回の犯行にも繋がるので、もう少し「音楽」の部分を控えめでも良かったかなとも思いました。 また、てっきり主人公の梨佳が探偵役かと思いきや、途中参加の人が担ったので、うーんどうだろうとも思ってしまいました。 好きな事をずっと続けるのか?バンドを組んだことによる他者との考え方によるもつれや方向性、音楽で食べていけることができるのか?など今後の人生における進路についての描写もあって、音楽に限らず、昔の自分を見ているようで胸を打たれました。

Posted byブクログ

2022/08/18

あらすじを読むだけで、衆人環視の殺人!と心惹かれ読み出したものの、当初は地味な感じがしていた。主人公がいまいちはっきりせず、好感を得られなかったからかもしれない。 みんなのロック論を聴いて回るのはなかなかおもしろく、もともとライブ通いをしていた私はそれに気を取られてミステリという...

あらすじを読むだけで、衆人環視の殺人!と心惹かれ読み出したものの、当初は地味な感じがしていた。主人公がいまいちはっきりせず、好感を得られなかったからかもしれない。 みんなのロック論を聴いて回るのはなかなかおもしろく、もともとライブ通いをしていた私はそれに気を取られてミステリということを半分忘れかけていた。しかし当たり前だがそれもちゃんと伏線になっていて、ロジカルな解き方をされる。探偵役もまさかの人物で、途中までは登場人物一人ひとりなんだかぱっとしない気がしていたものの(濃いキャラだらけなのになんでだろうか)たったひとり放り込んだだけで流れが唐突に変化する。この小説こそ、ロックみたいだ。 天才ギタリストがピッキングミスをした理由も、意外性があって。 空中分解したバンドをこの先どうやって着地させるのか、詳しくはネタバレになるので伏せるが、探偵役が出て来た時に少し予感はあった。その時はそんな終わりは嫌だと思っていたのだが、なんとも収まり良く描かれていた。初めてギターを触った時の、あの純粋な、混じり気なしの「ただただ楽しい」という感覚を思い出させてくれる。 人の数だけロックがあり、人の数だけミステリがある。とても掘り下げて書かれていたので、著者が今度は何を描くのかとても興味が沸いた。

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2022/08/17

ロックとは何か!? 主人公の児玉梨佳は全編にわたり登場人物全員に犯人探しの傍ら問いかける! 言葉で現したらロックじゃない! 音楽家の魂! ライブの会場に時たま降臨するもの!! なんて、曖昧陳腐な物ではなく、登場人物達は理路整然と自分達の持つロック像を述べてくる! 学生運...

ロックとは何か!? 主人公の児玉梨佳は全編にわたり登場人物全員に犯人探しの傍ら問いかける! 言葉で現したらロックじゃない! 音楽家の魂! ライブの会場に時たま降臨するもの!! なんて、曖昧陳腐な物ではなく、登場人物達は理路整然と自分達の持つロック像を述べてくる! 学生運動の時代からラブ&ピースの時代を経てヨーロッパから日本へ流入する音楽の一つのジャンル、80年代から90年代にかけて和製ロックが確立されて、ブルーハーツやブランキージェットシティが生まれ、2000年頃に大輪を咲かす! そんな平成の前半期を思い出させてくれるグルーブを持つ作品! 物語に登場する人物達のその後を読んでみたい! と思うほどの読後感! 超絶な人気を持つインディーズロックバンド【赤い青】のボーカル【ヨースケ】がライブ中に千枚通しを胸に刺されステージ上で殺されてしまう!? ライブハウス【ラディッシュハウス】で働く児玉梨佳は、ヨースケがライブ前に放った言葉『ロックって何なんだろうな』の意味と、ヨースケの死の直前カリスマギタリスト【クスミトオル】のピッキングミスに疑問を持ち事件を追い始める・・・

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2022/08/04

ロックバンド小説×本格ミステリーが融合したデビュー作。私は著者と同年代で、90年代以降のバンド文化に多少馴染みがあるので、音楽小説としては文句のつけようがない出来だと思う。業界を取り巻く厳しい現状やコンポーザーが抱える生みの苦しみ等の描写は特にリアリティがある。トリックの種明かし...

ロックバンド小説×本格ミステリーが融合したデビュー作。私は著者と同年代で、90年代以降のバンド文化に多少馴染みがあるので、音楽小説としては文句のつけようがない出来だと思う。業界を取り巻く厳しい現状やコンポーザーが抱える生みの苦しみ等の描写は特にリアリティがある。トリックの種明かしには拍子抜けしたものの、肝心な犯行動機が今作のテーマにきちんと基づいており、このジャンルにしては人間ドラマがしっかりと描けているのも好印象。然しながら、探偵役がこういった形で事件に介入し、解決してしまう手法はあまり好きになれない。

Posted byブクログ