戦争とデザイン の商品レビュー
戦争にまつわる、色、シンボル、言葉、デザインについて、第二次大戦のドイツやアメリカ、ソ連、戦後の中国共産党などの事例を豊富な資料とともに振り返る一冊。 旧作「独裁者のデザイン」と内容がかなり被っている印象。直近のロシア、ウクライナでの事例も登場するので、リニューアル版的な感じか...
戦争にまつわる、色、シンボル、言葉、デザインについて、第二次大戦のドイツやアメリカ、ソ連、戦後の中国共産党などの事例を豊富な資料とともに振り返る一冊。 旧作「独裁者のデザイン」と内容がかなり被っている印象。直近のロシア、ウクライナでの事例も登場するので、リニューアル版的な感じか。
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※このレビューにはネタバレを含みます
戦争における国旗からポスター、 各軍のマークなどの由来を解説。 ナチスのハーケンクロイツが少しだけ斜めになっている 意味など興味深い。 歴史学的な内容ではないので やや乱雑な文章が見受けられるが 著者はあくまでグラフィックデザイナーなので 仕方なし。
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昨年の夏、TOKYO2020のタイミングでギンザ・グラフィック・ギャラリーでやっていた「オリンピック・ランゲージ:デザインでみるオリンピック」という展覧会を見ました。それまで1964年の東京五輪におけるデザインというパワーの発現を「善」なるもの、と捉えていましたが、その展覧会で資...
昨年の夏、TOKYO2020のタイミングでギンザ・グラフィック・ギャラリーでやっていた「オリンピック・ランゲージ:デザインでみるオリンピック」という展覧会を見ました。それまで1964年の東京五輪におけるデザインというパワーの発現を「善」なるもの、と捉えていましたが、その展覧会で資本主義とオリンピック、経済成長とデザインという視点を得て、デザインが持つ「鉄人28号」性(いいも悪いもリモコン次第…)に動揺してしまいました。本書には、デザインがいかに戦争に用いられてきたか?いや現在のウクライナの戦争でも、どう使われているか?という「悪いも」側面についての事例が詰め込まれています。著者曰く「負のデザイン」。事例が十字軍まで遡り歴史的であり、カラー図版も満載で読み物としても濃厚です。「色・しるし・ことば」で章立てしてありますが、系統的というより右に左に上に下に価値観揺さぶられます。はじめに、でダーク・デザイン・ツーリズムって書いてあったけど、そういう狙いに嵌まってしまいました。この本を読んで、今、盛り上がっているカタールのW杯を見るとサッカーも「色としるしとことば」の祭りであるように思え、代理戦争としてのスポーツの存在感を改めて感じたりしてます。サムライ・ブルーのブルーって何なんだろう…
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『#戦争とデザイン』 ほぼ日書評 Day596 米軍機に記された青地に白の星マーク。ロシア軍機の赤星マーク。これらは、軍用機の所属を視認するための印であった。元々は国旗のデザインから取られることが多いが、実はロシア軍機は、国旗が横向きの三色旗になって以降も、旧ソ連時代の赤星と...
『#戦争とデザイン』 ほぼ日書評 Day596 米軍機に記された青地に白の星マーク。ロシア軍機の赤星マーク。これらは、軍用機の所属を視認するための印であった。元々は国旗のデザインから取られることが多いが、実はロシア軍機は、国旗が横向きの三色旗になって以降も、旧ソ連時代の赤星とさほど変わらないものを使用しているという。 これらのマーク(アイコン)は軍用機に限らず、軍服や、さまざまな示威活動ツールにも用いられる。 また、マークだけでなく、色も大きな役割を果たす。共産主義を示す赤は、代表例だ。 されに独裁者によるアイコンの利用例も多い。。『毛沢東語録』は文革10年の間に65億冊が印刷され、さらに毛沢東の肖像バッヂは3年足らずで80億個製造された。これらの発案者であり、貢献も大だったはずの林彪は、その成果の大きさゆえにか毛沢東に疑われ、逃亡中に飛行機事故で亡くなったのは、よく知られた話だ。 もともと無関係なものが、連想によって負のイメージを負う例。食品メーカーのカゴメは、元々「籠目」であり、本来のシンボルマークは六芒星だった。ところが、これがイコール(ユダヤを象徴する)ダビデの星であるため、1980年代に使用を取りやめた。国際化の負の一面といって良いだろう。 全編、こうしたトリビアがこれでもかと詰め込まれており、どこから読んでも拾い読みをしても、なかなかに読みでのある一冊。 https://amzn.to/3Opt55P
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プーチンの始めた戦争に主眼を置いているからか、今回の戦争に対する作者の自論の割合が多い気がします。 大変参考になりましたが、一冊の本として一本軸があったかは少し疑問です。 もっと戦争とデザインの関係性をみたかった。
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東京新聞202293掲載 評者:太田和彦(作家,グラフィックデザイナー,居酒屋探訪家) 産経新聞2022925掲載
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