漂流日本左翼史 理想なき左派の混迷1972-2022 の商品レビュー
左翼の中の人ではなく、外から見た視点(正確には元中の人)。左翼活動への諦めからくる乾いた論調。 成田、テルアビブ、三菱重工など歴史の1ページから現在までを書いている。環境破壊、性的多様性、原発反対、九条だけでは政権取るの難しいと思う。
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池上彰、佐藤優著『漂流日本左翼史 : 理想なき左派の混迷1972-2022 (講談社現代新書 ; 2667)』(講談社) 2022.7発行 2023.12.21読了 日本社会党は1986年に党の綱領を変更し、革命政党の旗を下ろした。その後は社会民主主義の路線に切り替え、199...
池上彰、佐藤優著『漂流日本左翼史 : 理想なき左派の混迷1972-2022 (講談社現代新書 ; 2667)』(講談社) 2022.7発行 2023.12.21読了 日本社会党は1986年に党の綱領を変更し、革命政党の旗を下ろした。その後は社会民主主義の路線に切り替え、1996年には社民党に党名を変更するなどイメージの刷新を図るが、党勢は振るわず、衰微の一途を辿っている。 一方、日本共産党は、日本社会党が失ったマーケットを一部引き継ぐ形で、冷戦後も生き残ることに成功したが、反戦の旗を下ろしてナショナリズムに傾倒してしまった結果、別の生態系になってしまったという。 本書では、左翼的価値観を見直す必要性を訴えているが、日本共産党以外に影響力のある左翼政党はなく、依然として厳しい状態が続いている。 URL:https://id.ndl.go.jp/bib/032243272
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シリーズ最終巻。 この辺りから、だんだん知っている名前も増えてきて面白い。 本作では革マル派、中核派、民青などに加え、労働組合の物語が強くなってくる。 中でも国鉄時代の労働運動は大変に興味深い。 ただし、上尾事件や首都圏国電暴動などは1973年の事件ということで全く知らず。 こ...
シリーズ最終巻。 この辺りから、だんだん知っている名前も増えてきて面白い。 本作では革マル派、中核派、民青などに加え、労働組合の物語が強くなってくる。 中でも国鉄時代の労働運動は大変に興味深い。 ただし、上尾事件や首都圏国電暴動などは1973年の事件ということで全く知らず。 こんな恐ろしい事件があったのかということにひどく驚いた。 スト権スト、だとか、半合理化闘争だとか、ちょっと私の世代では考えられないほどの無駄で生産性のない動き。 本当に時代というものは変わっていく。 また、メディアの考え方もこんなに今とは違うのか、と驚く。 左翼とはなんなのか。 今や「パヨク」などとあげつらわれ、一方でいまだに暴力革命を信じ、しかしながら存在感は逆張りでしか示せない。 人々は、労働組合を忌避し(労働法でいう労働者の権利保護につながらないから?)、環境問題やジェンダー問題を提起すると「ヒダリ」と馬鹿の一つ覚えが如く叩きまくる。 繰り返し問う。 左翼とは、なんだったのか?
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1970年代からの労働運動の盛り上がりと衰退、それと連動した社会党の盛り上がりと衰退、が主なテーマ。 お子様(リアルな意味で)だったので総評潰しとしての国鉄民営化という認識はなかったが、総括としては納得できる。 その後の郵政民営化や国立大学法人化と同様に、悪玉として取り扱う世論が...
1970年代からの労働運動の盛り上がりと衰退、それと連動した社会党の盛り上がりと衰退、が主なテーマ。 お子様(リアルな意味で)だったので総評潰しとしての国鉄民営化という認識はなかったが、総括としては納得できる。 その後の郵政民営化や国立大学法人化と同様に、悪玉として取り扱う世論が作られていたのは覚えている。 労働運動の衰退(明記されていないが連合は御用組合っていう位置づけ)によって左翼は絶滅に近い状態になっているが、揺り戻しはあるというのが2人のスタンスなんだろう。 そのためには「大きな物語が必要」というのは、まあそうなのかもしれないが、いまいちリアリティが感じにくい。 なお、佐藤氏はヴィーガニズム、アニマルライツなどの議論が先鋭化するだろうと予測しており、かなり印象的。 「この思想が引き起こす社会との軋轢が、かつての新左翼に近いものになる可能性も十分あると思っているんです。これは環境問題でもそうですよね。」 ということで対話の重要性を唱える。対話を受け付けないことの末路が新左翼ということですね。
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20世紀末頃、自分が少しの間通っていた都内の大学では革労協が自治会を牛耳っていた。あさま山荘事件で学生運動がその支持を失い、低迷が決定的になっていた時代だったが、校門の前には角ばった文字で政治的主張をする立て看板が置かれていたものだ。(遠い目) 当時革労協は狭間派と木元派に分裂、...
20世紀末頃、自分が少しの間通っていた都内の大学では革労協が自治会を牛耳っていた。あさま山荘事件で学生運動がその支持を失い、低迷が決定的になっていた時代だったが、校門の前には角ばった文字で政治的主張をする立て看板が置かれていたものだ。(遠い目) 当時革労協は狭間派と木元派に分裂、木元派が自治会を掌握していた。そんな中、学内から閉め出された狭間派がキャンパスに侵入し、旗竿持ってシュプレヒコールを上げたりしていた。安保闘争の頃ほどじゃないが、かなり不穏な時代だった。 当時は学園祭も自治会が管理していて、まあおそらく学生から集めた学園祭の費用は革労協にも流れていたのだろう、それを快く思わない大学当局は「資金を学園祭の開催前に半分、終了後に残り半分出す」と学園祭の実行委員会に通達してきた。期間中何か問題が起こればその残り半分はやりませんよと。 前年泥酔した学生が校舎から転落した事故を受けての通達ではあったが、お金が足りなくなったら君たちでなんとかしなさいとのたまう。 実行委員会には所謂「ノンポリ」の学生も混ざっていたが、かかる「姑息な不正義」に怒り、当局に対しデモを敢行、100名規模の学生が集った。 過激派の居る自治会など学生が支持するはずがないと高を括っていた当局は慌てて前言を翻し、全額が無事交付された。 それはそれで良かったのだが、その学園祭で弁論部が元国連事務次官の明石康氏を招き講演を依頼したことに対し自治会は難色を示した。理由はよくわからない。結局隣の寺院を会場に借り講演は行われることになったものの、学内に貼られた講演のポスターは自治会によって全て剥がされた。ここでも「不正義」が行われていた。 「…共産党は、…前衛思想と民主集中制の剄木から逃れられずに行き詰まっているというのが本書の分析だ」(p184)というのは、左翼全般に当てはまる気がする。
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副題に「理想なき左派の混迷」とあるように、現在の日本の左派リベラルは、存在価値が問われています。ロシアのウクライナ侵攻という異常事態が発生し、世界は大きく変化します。左派の新しい役割は何でしょうか。 https://www.honzuki.jp/book/313994/revie...
副題に「理想なき左派の混迷」とあるように、現在の日本の左派リベラルは、存在価値が問われています。ロシアのウクライナ侵攻という異常事態が発生し、世界は大きく変化します。左派の新しい役割は何でしょうか。 https://www.honzuki.jp/book/313994/review/286273/
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1−2巻は熱く読めたけれど3巻目はゆるいというか薄いというか現在に近いから書きにくいところもあるのかな
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3部作シリーズ。全作品読んだ。ソ連崩壊後に生まれた世代としてはそれ以後の共産党、左翼についての知識を得る機会がなかったのでお勧め。
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左翼=過激派、ソ連の崩壊、自社さ、民主党から立民へ、共産との共闘…。どこに向かうのかますますわからなくなっているなぁ。社会党が、ソ連というバックボーンをなくして漂流する様、共産党が自衛隊を一部肯定してしまったことで漂流する様…。対談なのでわかりやすく、左翼の概括的な歴史を学べる。
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ほとんどの国民が労働者であり、労働者の権利を守るためには労働組合やストが重要なはずなのに、その労働組合の意義が理解されていないの何故なのか、ずっと分からなかったが、この本で分かった気がした また、ソ連崩壊の歴史的な意義についてはいろんな読み物を読んだつもりだったが、その影響の広...
ほとんどの国民が労働者であり、労働者の権利を守るためには労働組合やストが重要なはずなのに、その労働組合の意義が理解されていないの何故なのか、ずっと分からなかったが、この本で分かった気がした また、ソ連崩壊の歴史的な意義についてはいろんな読み物を読んだつもりだったが、その影響の広さを理解できていなかったことも分かった気がする 著者らが共産党を嫌いなのは前々書、前書で分かっていたので、共産党の評価に関する記述は少し引いて読む。
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