心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学 の商品レビュー
心は”即興”(ここでは瞬間的な感情に対する脳のはたらき?)の連続によって生み出されている。 この”即興”は、できるだけ思考や行動に一貫性を持たせること、「役柄(キャラクター)に徹し」続けることを任務としている。 我々が認知している深層心理や本当の自分などはなく、脳がその場で役柄に...
心は”即興”(ここでは瞬間的な感情に対する脳のはたらき?)の連続によって生み出されている。 この”即興”は、できるだけ思考や行動に一貫性を持たせること、「役柄(キャラクター)に徹し」続けることを任務としている。 我々が認知している深層心理や本当の自分などはなく、脳がその場で役柄に沿うように創り出す虚構なのだ。(要約) 興味ある章だけサラッと読んだだけだけど結構面白かった。場によって軸がブレてる人が容易に存在する理由にはうってつけの一説だと思った。
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2024-06-09 心、のうち、理性に関する部分はなるほどおっしゃる通り。知性に関する部分もまあわかる。思考が一過性のもので、見えない何かが隠れているのは錯覚というのには説得力がある。 けれど、自己同一性に関しては全く納得いかない。フラットで一過性なものであると主張しながら、過...
2024-06-09 心、のうち、理性に関する部分はなるほどおっしゃる通り。知性に関する部分もまあわかる。思考が一過性のもので、見えない何かが隠れているのは錯覚というのには説得力がある。 けれど、自己同一性に関しては全く納得いかない。フラットで一過性なものであると主張しながら、過去の体験を統合し変奏するって、さんざんその過去の体験は蓄積されないと言ってきたのでは?
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「深層心理」とか「本当の自分」とかなんてない、という主張の本。 今までの自分を振り返ってみると、「心は脳の即興」という筆者の主張がわかる気がするけど、だからこそ信念を持たなきゃならない、本当の自分に気づかなきゃならないと考えてきたので、信念までも脳の即興だって言われて、共感半分...
「深層心理」とか「本当の自分」とかなんてない、という主張の本。 今までの自分を振り返ってみると、「心は脳の即興」という筆者の主張がわかる気がするけど、だからこそ信念を持たなきゃならない、本当の自分に気づかなきゃならないと考えてきたので、信念までも脳の即興だって言われて、共感半分、疑い半分の気持ちで読み進めた。 第11章までは、要は脳は一度に1つのことしか処理できないよね〜ってことと、だから「深層心理」なんてあるわけないよね〜ってことが多くの実験結果を引用して何度も書かれていた。実験の話はたまに「その実験結果からその結論にいくの…?」と思うところがあったけど、筆者の主張は理解。 でもずーっと「じゃあ心って何?」という疑問が頭を離れなくてイライラしてたんだけど、最後の方にきてちゃんとそれに答えてくれてて、それがすーっと腑に落ちたので、すっきりした気持ちで読み終えられた。 「信念」へのこだわりとか「本当の自分」に気づかない鈍感な過去の自分も許せる。だってそんなものないとわかったから。下手な自己啓発よりもずっと自己肯定感上がるし、未来に期待がもてる気がするけど。
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就活中に考えた「人生の目的」とか、流行中のMBTI診断とか、Strength Finderとか、本当の自分(の強み)を見つけよう、とか、全部疑わしく思えてくる。 本書に照らして言うならば、個性とかアイデンティティとか言うものは、今日まで生きた過程で得た経験の解釈(意味の押し付け...
就活中に考えた「人生の目的」とか、流行中のMBTI診断とか、Strength Finderとか、本当の自分(の強み)を見つけよう、とか、全部疑わしく思えてくる。 本書に照らして言うならば、個性とかアイデンティティとか言うものは、今日まで生きた過程で得た経験の解釈(意味の押し付け)の中で最も馴染んだもの、程度のものであって、必ずしもそれらに基づき一貫した行動をする必要はない。 にも関わらず、どうして就職活動や転職活動では「あなたの軸は?」とか、過去から今、これからやりたいことへの一貫性とかを問われるのだろう? 思うに、わかりやすいストーリーなんか無くて、実際には都度都度の解釈で生きている、と言うことを、面接程度の時間で他人に説明することの難しさ(と言うか恐らく殆ど不可能)からきているのかも。 本音と建前ではないが、他人に対する自己紹介と、自分の意思決定との間の整合性なんて、考える必要もないと思えば、だいぶ楽になった。 そう言う意味では、就活生とか中高生とか、「本当の自分は何者なんだろう?」とアイデンティティに悩んでいるような人にこそ読んで欲しい一冊だ。
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原題の「Mind is flat」のほうが内容を過不足なく表現している気もするが、まあ楽しい本だった。先に読んだ「言語は~」のほうは、言語のルールが即興ジェスチャーの伝統でしかないという話だったが、心もまた経験から判断される即興の場繋ぎでしかないとは。 部分しか把握できない人間が...
原題の「Mind is flat」のほうが内容を過不足なく表現している気もするが、まあ楽しい本だった。先に読んだ「言語は~」のほうは、言語のルールが即興ジェスチャーの伝統でしかないという話だったが、心もまた経験から判断される即興の場繋ぎでしかないとは。 部分しか把握できない人間が、意識できないレベルでの視点移動で全体を把握しようとし、そうしたトリックを意識それ自体は把握できず、ただ入力される感覚情報に頼るしかないなどなど、得心が行くとともに実に興味深い話ばかりだった。
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人間に深層心理は存在せず、脳がたった今処理した情報から過去の記憶に関連づけて「即興」しているにすぎない、心に深さはなく薄っぺらであるという内容。なんとか最後まで読み通したけど似たような記述や比喩が多くて斜め読みになってしまった。様々な図形を用いた実験の例は興味深かったけれど、筆者...
人間に深層心理は存在せず、脳がたった今処理した情報から過去の記憶に関連づけて「即興」しているにすぎない、心に深さはなく薄っぺらであるという内容。なんとか最後まで読み通したけど似たような記述や比喩が多くて斜め読みになってしまった。様々な図形を用いた実験の例は興味深かったけれど、筆者の主張に100%の説得力を持たせたかというと違う気がする……。最後の訳者の解説が端的にまとまっていて分かりやすかった。
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「なんじゃこの即興芝居人生」と思いながら生きてきたので「てか他の人も皆んなそうだよ Don’t worry ひとつずつ解説していくねー」と言われた気がして好き。この本。オススメ本。
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無意識、深層心理は存在しない。 自分が何を感じているのか、認識しているのか。 脳のフィルターを通したものしか認識出来ないし、元になる情報がどのような解釈や変換をされたのか、過程を知ることはできない。 このラフな仕組みを持つことで今の生活が成り立っているのは不思議なことだ。
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「心の奥」なんてものは存在しないと言われると、「本当にそう言い切れるか…?」と疑ってしまう。そんな感じで、本書を読み始めた。冒頭を読んでいる間は、「なんだか言い過ぎている感じがするなあ」と思っていたが、読み進めていくうちに、「やはりこっちが正しそうだ」と説得された。 「心の奥」が...
「心の奥」なんてものは存在しないと言われると、「本当にそう言い切れるか…?」と疑ってしまう。そんな感じで、本書を読み始めた。冒頭を読んでいる間は、「なんだか言い過ぎている感じがするなあ」と思っていたが、読み進めていくうちに、「やはりこっちが正しそうだ」と説得された。 「心の奥」が存在しないことは、少し寂しい気もするが、むしろ存在しないからこそ、人間は変わっていけるし、クリエイティブになれるのだという、希望のもてる話であった。
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具体的にイメージしにくい部分があり、やや理解に苦しんだが、脳は「心の奥」があるという錯覚を創り出しているのみならず、「心というものが存在している」という錯覚さえも創り出している。感覚情報のほんのひとかけらを解釈して意味付けした結果がその瞬間の意識となっているのみであって「心」と呼...
具体的にイメージしにくい部分があり、やや理解に苦しんだが、脳は「心の奥」があるという錯覚を創り出しているのみならず、「心というものが存在している」という錯覚さえも創り出している。感覚情報のほんのひとかけらを解釈して意味付けした結果がその瞬間の意識となっているのみであって「心」と呼ばれるものはない と言うある意味衝撃的なセオリーだった。 以下、心(と言ってはいけないのだが)に残った言葉。 「喜びや怒りといった感情も、内なる深みから湧き上がってなどいなくて、人は自分の感情をその瞬間に解釈している。かつ、その解釈は、自分の置かれた状況(居合わせた人が浮かれているか怒っているか)のみならず、自分の生理学的状態(鼓動が速まっているか、顔が火照っているか)に基づいている」つまり、「感情というのは内側から自ずとほとばしり出てくるのではなく、そのとき置かれた状況に照らして、そのときの身体状態のフィードバックについて脳が作り出した、その瞬間の最良の解釈。つまり創作行為なのだ」と言う。 また、一人ひとりが類例なき存在である理由を一言でいえば、思考や言動を積み重ねてきた歴史の限りない多様性のゆえにである。脳の働きは原理原則にではなく前例に基づいている。思考のサイクルの新たな一回転が、そのとき注意を向けている情報の意味をとるのは、関連した過去の思考の残滓を手直しし、変換することによってである。そして思考のサイクルの一回ごとの結果は、それ自体がまた未来の思考のための、いわば加工用の素材となる。 そして想像の飛躍は人間の知性の正に核心である。
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