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消費は何を変えるのか の商品レビュー

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2023/07/10

 消費行為への肯定の書。  資本主義システムの分析の歴史において階級や競争といった概念の中に閉じ込められ、あるいは時に無視されてきた「消費」という人びとの営みに、多様な社会的意義や創造性を認めるべく、文化人類学の観点からの考察がなされる。生産の結果としての消費、というような従属的...

 消費行為への肯定の書。  資本主義システムの分析の歴史において階級や競争といった概念の中に閉じ込められ、あるいは時に無視されてきた「消費」という人びとの営みに、多様な社会的意義や創造性を認めるべく、文化人類学の観点からの考察がなされる。生産の結果としての消費、というような従属的・副次的な見方とは対照的な、消費行為を主役の座に据えた理論が構築されていく。そこで肯定されるのは、資本主義の内で生きるすべての人びとの「日常」でもある。  いっぽうで、ボードリヤールに代表されるような従来の「消費」論を否定的に評価する際や、主流経済学の現実に対する無力さを糾弾する際には、それらを極端に単純化したうえで本書の主張に対峙させる傾向がみられ、やや勢い余っている感がある。

Posted byブクログ