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サウンド・ポスト の商品レビュー

3.8

13件のお客様レビュー

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2023/12/10

オーストラリアで日本食の料理人をしている崇は、フランス人の妻との間にできた娘・メグと二人暮らし。妻はメグが3才の時に亡くなった。保育園に通うメグは、日常会話は英語になっていく。一方、崇は日本人の経営する店で働いていることもあり、なかなか英語が上達しない。そしてメグは、小学校に上が...

オーストラリアで日本食の料理人をしている崇は、フランス人の妻との間にできた娘・メグと二人暮らし。妻はメグが3才の時に亡くなった。保育園に通うメグは、日常会話は英語になっていく。一方、崇は日本人の経営する店で働いていることもあり、なかなか英語が上達しない。そしてメグは、小学校に上がると友達の影響からバイオリンを習い始め、その才能を認められるようになる。 異国での父子家庭として厳しい環境ともいえるが、良き仲間たちに支えられ成長していくメグ。オーストラリアの公立高校を卒業して、フランスの大学へ進学を決めるまでを描いている。 フランスへ飛び立つメグを見送り孤独感にさいなまれながらも、亡き妻にしっかり生きることを誓う崇にエールを送ろう。

Posted byブクログ

2023/06/12

母国の異なる父と娘が音楽を通じて心を通わせていく。以前読んだMasatoがとても良かったし表紙も良かったので購入。 父親の娘に対する深い想いに共感するけれど、文章がなぜか翻訳っぽかったり心情が表面的に感じられて残念だった。

Posted byブクログ

2023/05/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「トーチャン、音楽って言葉なんだ!」--英語がわからない父親と日本語がわからない娘が、オーストラリアの地でつむぎ、響きあう、言葉と音楽の物語。 (アマゾンより引用)

Posted byブクログ

2023/04/10

転換、展開の速さ、読み終わったあとに続く世界を想像する無限の時間は、実際の子育ての感覚に近いものだろうと想像します。

Posted byブクログ

2023/01/08

あちこちで良い書評を見かけ手に取った本。噂に違わず良い本でした。 フランス人の妻を突然死で亡くし、オーストラリアで暮らす日本人料理人と幼い娘。バイオリンに興味を持った母親似の娘と、それを全力で支援する父親の10年の物語。 本の宣伝にはやたらと「英語がわからない父親と日本語がわか...

あちこちで良い書評を見かけ手に取った本。噂に違わず良い本でした。 フランス人の妻を突然死で亡くし、オーストラリアで暮らす日本人料理人と幼い娘。バイオリンに興味を持った母親似の娘と、それを全力で支援する父親の10年の物語。 本の宣伝にはやたらと「英語がわからない父親と日本語がわからない娘」と言語が主題の様に書かれています。確かにもどかしさは有るのですが、二人の心はちゃんと通い合って居ますから、そこばかり強調するのは如何なものかと。むしろ、音楽に素養の無い父親がバイオリンの音の変化で娘の心の動きを感じられるようになる、そうした音楽の力の方が大切に描かれているように思います。 潰れそうになりながらも、ひたすら娘を支援し応援する父親と、それを受けて何度かの挫折や回り道はあるものの、すくすくと真っ直ぐに育ってゆく娘。そしてそんな親子を温かく見つめ、支援する周りの人々。 ラストが良いですね。 ちょっと独特の雰囲気があります。 俯瞰的な描写が無く、狭い視野を巡らす様に語られます。一つ一つに焦点は当たるのですが、周りはぼんやりした感じ。最初、全体像がつかめず少し戸惑いましたが、なかなか面白い描き方です。また文章は、音楽的なリズムというか大きなうねりを感じさせ、音楽をテーマにしたこの作品に相応しく。 雰囲気など全く違いますが、重松清の『とんび』を思い出してしまいました。 著者の岩城けいさん。新人さんかと思ったら、10年ほど前のデビュー作で太宰治賞など受賞されたオーストラリア在住の作家さんでした。確かにこの小説で描かれるオーストラリアの風俗は在住者でないと書けないのでしょうね。

Posted byブクログ

2022/12/11

読み友さんのレビューに惹かれて図書館にリクエストした本。思っていた内容とはちょっと違っていたけれど、とてもよかった。 フランス人の妻に先立たれ、言葉の通じない3歳の娘を前に途方に暮れる崇と、幼いなりに自分の置かれた境遇を理解し明るく振る舞う娘のメグ。共通の言葉として音楽(バイオリ...

読み友さんのレビューに惹かれて図書館にリクエストした本。思っていた内容とはちょっと違っていたけれど、とてもよかった。 フランス人の妻に先立たれ、言葉の通じない3歳の娘を前に途方に暮れる崇と、幼いなりに自分の置かれた境遇を理解し明るく振る舞う娘のメグ。共通の言葉として音楽(バイオリン)に出会った2人は、それぞれにふさわしい父娘となっていく。 子供に音楽教育を受けさせることの意義や、親としてどのように対処すべきかなど考えさせられた。まあ、今更考えても手遅れだが。 ラストは切なすぎて泣けた。

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2022/11/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フランス人の妻を亡くし父娘二人となった崇はオーストラリアでシェフをしながら娘メグの成長を楽しみに生きていく.メグが習いたいと言ったヴァイオリンの稽古に自分もついていきずっと寄り添って見守る姿にこちらも温かい気持ちになった.メグが成長の過程で色々な風景を音楽で感じるところなどは面白い表現で新鮮だった. そして,メグの周りから愛されまっすぐに育っていく姿の核に不器用で口下手な父親の姿があって(崇の友人瑛二も忘れてはいけないが)最後には涙がでた.

Posted byブクログ

2022/10/25

 図書館で新刊の棚に置かれていたこの一冊。知らない作家さんで、題名の意味もよくわからない。手に取って装画を見ると、素敵な親子と楽器の絵が…なんとなく心が惹かれ、他にも読みたい本がたくさんあったのだけれど、この本を借りて帰りました。 サウンドポストとは、ヴァイオリンの中に立ってい...

 図書館で新刊の棚に置かれていたこの一冊。知らない作家さんで、題名の意味もよくわからない。手に取って装画を見ると、素敵な親子と楽器の絵が…なんとなく心が惹かれ、他にも読みたい本がたくさんあったのだけれど、この本を借りて帰りました。 サウンドポストとは、ヴァイオリンの中に立っている柱のことで、日本語では「魂柱」と呼ぶヴァイオリンの心臓とも言えるパーツだそうです。 オーストラリアに住み、フランス人の母、日本人の父を持つメグ。メグが幼い時に母は亡くなり、シングルファーザーになった料理人の崇。そのビジネスパートナーの瑛二も加わり、他人種が共生する異郷の地でメグを育てていく。 メグは友達の影響でヴァイオリンを始め、没頭し、才能を開花していく。 父親の、愛娘を、慣れない中、周りの助けを借りながらも、一人で必死にサポートしていく姿に心を打たれます。日本ではない土地でならではの壁にもぶつかりながら、弱々しくもあり、逞しくもあるトーチャン。二人目の父親のようなエーチャンは、一番好きな登場人物でした。 音楽を勉強している身としては、ヴァイオリンの先生がレッスン中に発した言葉にも惹かれました。 ☆もちろん、楽譜通りに弾くことは守らなければならない。楽譜は音の粒を紙に書きつけたもので、この曲を作った人に、「こんな曲ですよ、だから、こう弾いてください」と、話しかけられているのと同じ。どの曲にも作った人の思いが込められているのだから、それを無視することは失礼でしょ?でも、同じように話しかけられても、どう答えるかは、人それぞれ違う。みんな、それぞれ違うお話を持っている。 ☆五線譜に引っかかって離れない音符も、その曲が生まれたときのことをちゃんと覚えているの。記号も音楽用語も、正確に思い出すためにあるの。メグ、楽譜に書かれていることには、一つ一つに意味があります。無駄な音、無駄なしるし、無駄な言葉はひとつもありません。そそれをどう弾くかは、あなたの心が決める。音楽は心で奏でるものなの。 ☆意志を秘めた最初の一音が立ち上がったあと、その体はその楽器と同じく音を共鳴させるための伽藍になった。 作者はオーストラリア在住だそうです。この本を読むきっかけになった装画は、伊藤彰剛さんという方が描いているそうです。この本に出会えて良かったと心から思いました。

Posted byブクログ

2022/10/23

胸が痛い。読んでいる間ずっとメグを応援し、不器用なタカに添い、お人好しのエーチャンに微笑み、なんて素敵な物語だろうと思いながら読み、最後に泣かされた。期待以上の作品だった。

Posted byブクログ

2022/09/28

父娘の切ない成長物語。 日本人の父とフランス人だった母の間に生まれたメグは オーストラリアで育つ。 父娘の共通言語の音楽を 父はシェフなので1番自分が理解しやすい料理の言葉に置き換えて 娘への理解を深めていく。 父が娘を誕生から次の世界へ送り出すまでの愛の物語。 透明感のあ...

父娘の切ない成長物語。 日本人の父とフランス人だった母の間に生まれたメグは オーストラリアで育つ。 父娘の共通言語の音楽を 父はシェフなので1番自分が理解しやすい料理の言葉に置き換えて 娘への理解を深めていく。 父が娘を誕生から次の世界へ送り出すまでの愛の物語。 透明感のある文章が美しい。 他国で暮らすということがどういうことなのか そういう意味も含めて オーストラリアの住んでいる日本人の作者が書いた小説を興味深く読んだ。

Posted byブクログ