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富士山はいつ噴火するのか? の商品レビュー

4.6

10件のお客様レビュー

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2023/02/21

火山学について学ぶことができる書。江戸時代の噴火以来静寂を守り続ける富士山。しかし必ず噴火する可能性はある。現在の綺麗な姿の富士山の形が変わるかもしれない。また、現代社会では火山灰による影響が一番心配される。情報、通信、交通インフラに大打撃を与えるのは間違いない。地元有珠山は定期...

火山学について学ぶことができる書。江戸時代の噴火以来静寂を守り続ける富士山。しかし必ず噴火する可能性はある。現在の綺麗な姿の富士山の形が変わるかもしれない。また、現代社会では火山灰による影響が一番心配される。情報、通信、交通インフラに大打撃を与えるのは間違いない。地元有珠山は定期的に噴火し、噴火前の兆候もしっかり観測できるから2000年の噴火では、事前に住民避難対応がしっかりできた。富士山はではどうなのか?

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2022/11/12

東日本大震災を経験し、その後も大きな地震や小規模ではあるものの火山の噴火などが相次いでいる中、これまでの歴史からは長い沈黙を続けている富士山も噴火の時が迫っているのではないか、というぼんやりとした不安。それに対して、現在の火山学はどう考えているのか、ということをまとめた本。富士山...

東日本大震災を経験し、その後も大きな地震や小規模ではあるものの火山の噴火などが相次いでいる中、これまでの歴史からは長い沈黙を続けている富士山も噴火の時が迫っているのではないか、というぼんやりとした不安。それに対して、現在の火山学はどう考えているのか、ということをまとめた本。富士山噴火に焦点を絞ることで、火山学の基礎から噴火モデルまでコンパクトにまとめられており、さらに筆者の人間味あふれるユーモアが随所にちりばめられた文体で、非常に読みやすい。 大きな地震と噴火は連動するのか、火山同士は連動するのか、富士山のマグマだまりはパンパンで噴火スタンバイ状態というのは本当なのか、いざ噴火したときに被害はどうなるのか、というメインの疑問から、火山学者なら溶岩なんて見慣れてるんでしょ?というような疑問まで、果たしてどこまで答えがわかっているのか、一読の価値がある。

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2022/11/10

タイトルは少し難しそう? 富士山噴火なんてずっと言われているけれど、専門的な話はよくわからない… と思ったが、思いの外読みやすい。 著者の火山学者が比較的若い(1971年生)こと、イラスト(結構可愛い)や写真が多いこと、 例示のうまさ(5歳児と猫とししおどし)など、わかりやすいし...

タイトルは少し難しそう? 富士山噴火なんてずっと言われているけれど、専門的な話はよくわからない… と思ったが、思いの外読みやすい。 著者の火山学者が比較的若い(1971年生)こと、イラスト(結構可愛い)や写真が多いこと、 例示のうまさ(5歳児と猫とししおどし)など、わかりやすいし、楽しい授業を受けているようだ。 ビジャリカ山ツアーの話では、白黒写真ではあるが、昼間と夜のビジャリカ火山が幻想的だ。 しかも、これが、藤原孝標女、あるいは竹取物語の時代の富士山かと思うと、感慨深く一度見てみたくなる(が、とても危険だ)。 マグマ溜まりの話(これがししおどしの話)は、「〇〇モデル」とは、という基本的なところから説明してくれている。 観測したものをモデルに落とし込むことで、実際の状態を予測しているということは、理解しているようでしていなかった自分の知識をしっかり地固してくれる。 岩脈の作り方や、ハザードマップの作り方、火山灰などそれぞれの章が本当にワクワクする。 知とはこういう楽しみのことだ。 1 普段の生活を見直す 2 インフラが使えなくなった時のことを考える 3 自治体、また、個人でも備えよう という結論は当たり前のことかもしれないが、本書を読めば、それが大事とわかる。 防災意識を高めるためにも、一読の価値ありだ。

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2022/10/30

富士山  世界の陸地面積の0.3%の日本に世界の活火山の7% その最高峰が首都近くにある  1707年12月16日10時に宝永噴火   噴煙11km超の高さ 江戸で降灰 1日で6~9mm 30日朝に終わる   川崎でも4cm、1km離れた須走で直径10~20cmの噴石 死者の記録...

富士山  世界の陸地面積の0.3%の日本に世界の活火山の7% その最高峰が首都近くにある  1707年12月16日10時に宝永噴火   噴煙11km超の高さ 江戸で降灰 1日で6~9mm 30日朝に終わる   川崎でも4cm、1km離れた須走で直径10~20cmの噴石 死者の記録は無し 活火山  最近1万年以内に噴火した火山、また活発な噴気活動のある火山 日本に111 大陸プレート 花崗岩 マントルより低比重 沈まない 海洋プレート 中央海嶺で噴出するマグマから生産され海溝でマントルへ沈み込む 弧 沈み込み帯の上に生まれる地形 伊豆-小笠原弧に富士山がある 平安時代は常時噴気?  富士山記 都良香著 「常有気蒸出 其色青」=二酸化硫黄を含む噴気  竹取物語 かぐや姫が帝へ贈った不死の薬を燃やす煙が立ち昇る「ふじの山」  更級日記 山の頂から煙、夕暮れは日が燃え立つ(火映現象) 富士山の噴火の時期と規模  予測できない   地下10~20kmのマグマだまりの観測ができないため  過去の噴出量と時間の関係は図式できる   最長で2330年 最大で平安時代の貞観噴火1.3km3 以上の規模が予測   それ以下の規模でそれ以前に発生する可能性はある 噴出量測定誤差も大きい  他の火山噴火や巨大地震との相関性があるわけではない   宝永噴火の年10月 宝永地震は南海トラフ、1703年 元禄関東地震は相模トラフ   しかし各トラフの地震たびに富士山が噴火しているわけではない 想定火口範囲から溶岩の流れる範囲をシミュレーション  相模湖や小田原まで到達する結果に  過去最長の猿橋溶岩を20km超える  17000年前までの古富士は双耳峰 2900年前くらいまでに現在の新富士  山頂火口からの噴火は2300年前が最後

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2022/10/26

富士山の噴火で何が起こるのか。火山学の曖昧な部分を正直に明かしながら多くを教えてくれた習作である。 興味深いテーマであり今後とも注目していきたい。

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2022/10/21

最近話題になっている富士山の噴火について、富士山の歴史や火山の仕組みなどから、とてもわかりやすく解説している。 一番の問題は水不足だという。備えはいつも必要である。

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2022/09/22

一旦見過ごしたのだけれど、新聞で紹介されているのを見て買って読んでみた。5章までは噴火の仕組みや何やらを割と軽い口調で語られている。勉強になる部分はたくさんあったが、それほど深刻に受け止めていなかった。ところが、6章で一転、これはヤバい、となってしまった。とは言え、自分が住んでい...

一旦見過ごしたのだけれど、新聞で紹介されているのを見て買って読んでみた。5章までは噴火の仕組みや何やらを割と軽い口調で語られている。勉強になる部分はたくさんあったが、それほど深刻に受け止めていなかった。ところが、6章で一転、これはヤバい、となってしまった。とは言え、自分が住んでいる地域にはおそらく影響はないだろう。自分の家族もいまのところ関東に住む予定はない。さてそれで安心かというと、友人知人はたくさん関東に住んでいるので、やはり心配ではある。富士山の噴火よりも地震の方が圧倒的に心配で、関東に旅行に行くことさえ、ちょっとためらうことがある。たぶん、噴火には兆候があるだろうから、地震よりもある程度の予測ができるのではないかと思う。それでも、大量の火山灰が降ってきたら、江戸時代よりも被害が大きくなる可能性があるという本書の指摘には納得させられた。交通機関がまひする、食料が無くなる、飲み水が無くなる、病院での治療が困難になる・・・なるほど、自給自足ができていない大都市だからこその問題があるわけだ。つれあいが修学旅行で富士山に行くと言っているが大丈夫か?まあ、それは1ヶ月後のことではあるのだけれど。日本では、近年いろいろと対策を講じてきたおかげで、風水害や地震の被害がずいぶんと軽減してきているのだという。その点は、一つ明るい情報である。さらに、いわゆる発展途上国では、自然災害よりも、貧困、医療、食糧問題などへの対応の方が大変なわけだ。日本がこうして頻度の少ない火山の噴火にまで対策が打てるようになってきたというのは、豊かなおかげということで、これまたありがたい話なわけである。6章を読んでだいぶ沈んでしまった気持ちを、おわりにで少しは持ち上げることができた。

Posted byブクログ

2022/09/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

〇箱根山が本来のフィールドの著者  あちこちを軽くディスりながらの講義がフフッとなる。専門家として、ムキーと思っていることあるんだろうなあ 〇富士山の火山活動について、わからないことがわかっているということがわかった! 〇箱根山推し 〇火山学者はクレイジーサイエンティスト(←偏見) 〇面白かった!防災意識を育てる。気まぐれな自然の脅威にひれ伏す ◎はじめに 火山学者が富士山を堂考えているか 世界の陸地面積の0.3%しかない日本に活火山の7%が集中する火山国日本 そしてその最高峰の山が富士山で活火山なのだ 1:富士山は特別な火山なのか? ・日本で活火山とは一万年以内に噴火した火山、活発な噴気活動が認められる火山のこと:2003年 ・現在、休火山というカテゴリは無い ・火山の活動前から存在していた地層を基盤という  火山は噴出物とそれをのせる基盤で出来ている ・富士山のすごさ…標高のかなりの部分が噴出物である。マグマの努力で成長した ・富士山は黒い火山岩 ・伊豆ー小河原弧  “弧”によって異なる火山活動 ・富士山のマグマだまりは深さ20㎞付近 2:富士山は他の火山とどういう関係があるのか? ・日本では年平均6~7座の火山が噴火する ・レイリー・テイラー不安定…タコ坊主の実験  マントルダイアピルとホットフィンガー ・マグマが隣の火山に移動することがある ・地震と噴火の関係  富士山と巨大地震  ☆地震がないときも、気をつけて! ・噴火屋地震は立て続けに起きるのが当たり前 ・火山は個別に見た方がいい 3:富士山は活発といえるのか? ・活発である ・竹取物語 ・更級日記  昼間は噴煙があがり、夜は赤く光って見える ・チリ:ビジャリカ火山  平安時代の富士山ぽい火山  ※クレイジーな火山学者たちの学会  青い火山ガス ・平安時代:富士山記・都良香  純青な気…青いガス ・富士山の火山ガス事故 4:富士山の次の噴火はいつ起きるのか ・現代の火山学ではマグマだまりの状況はわからない ・ししおどしとマグマシステム  複雑なししおどしかもしれない桜島 ・モデルと現実  モデルを疑う ・火山地質学の登場 ・ししおどしの階段ダイアグラム、ボリュームプレクタブルモデル、タイムプレクタブルモデル、ランダム ・富士山の階段ダイアグラム  …ランダムなししおどし。予測不可能 ・火山の将来予測と注意書き  わかりやすさの誘惑と戦う ・火山の噴火予想 5:富士山の溶岩はどこまで流れるか ・伊豆半島、三島神社の湧き水…三島溶岩の中を通ってきている ・火山ハザードマップ  北海道生まれ ・富士山のハザードマップ  改訂版2021 ・ひとつに決められない火口位置  マグマの上昇と火口実験  富士山の火口  …2300年間、山頂火口を利用していない ・溶岩流の体積と火口  双耳峰だった過去の富士山  崩れ去った古富士火山…山体崩壊 6:富士山の火山灰はどのくらい危険なのか ・宝永噴火  15日間続く降灰が4㎝積もる  噴煙は10㎞以上と予測  死者ゼロ!? ・噴煙と降灰  大きな噴石、小さな噴石  噴石はどれくらい危ないか  火山灰で麻痺する交通網  現代都市は降灰に弱すぎる  水不足  避難=安心・安全ではない ・「降砂記」 ・大規模噴火は将来の課題 ◎おわりに ・国によって違う防災の順番 ・日頃から1~2週間分の食べ物のストックを持つ ・人口集中を分散させる ・災害への備えを生活設計の中に組み込む

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2022/09/06

経済的に豊かでないと低頻度の災害に考えを巡らせる余裕が社会や行政にできてこないと本書にあり、富士山の大規模噴火の想定もそれに含まれるようです。宝永噴火の降灰分布図と同じ方向であれば降灰は静岡、山梨から、一都三県に降り注ぎ都市の鉄道、道路、飛行機を止める。火山灰に付着した有害物質が...

経済的に豊かでないと低頻度の災害に考えを巡らせる余裕が社会や行政にできてこないと本書にあり、富士山の大規模噴火の想定もそれに含まれるようです。宝永噴火の降灰分布図と同じ方向であれば降灰は静岡、山梨から、一都三県に降り注ぎ都市の鉄道、道路、飛行機を止める。火山灰に付着した有害物質が溶け込んだ川の水を取水すると飲水に適さない。こういう想定ができる暮らしを日頃できているかと考えたときに、大雨、台風、地震と重複する対策はあるかと思いました。

Posted byブクログ

2022/09/11

結論から言うと「分からない」のです。 しかしなぜ「分からない」のかが、この本ではよく 理解できます。 火山は地球のプレートがぶつかり合う場所の歪みに よって発生することは、よく知られています。 富士山付近は3つのプレートがぶつかり合っている からこその火山地帯です。しかし、...

結論から言うと「分からない」のです。 しかしなぜ「分からない」のかが、この本ではよく 理解できます。 火山は地球のプレートがぶつかり合う場所の歪みに よって発生することは、よく知られています。 富士山付近は3つのプレートがぶつかり合っている からこその火山地帯です。しかし、ぶつかり合って いるプレートの一方が地下深くに沈み込む角度によ って、火山の規模も変わってくるのは初耳でした。 角度が浅いほどプレート同士の接地面は大きく、そ れが動いた時には地上に大きな揺れを引き起こす、 逆に深ければ何も起こらないこともあるそうです。 まさしくその場所や、前回の噴火からの空白期間か ら「危ない、危ない」と不安を煽るのではなく、科 学的視点で解説をしてくれる一冊です。

Posted byブクログ