神様の暇つぶし の商品レビュー
直木賞作品のしろがねの葉が素晴らしかったので過去作品を手にとりましたが、読み劣りしました笑 一夏の滾るような恋愛小説でしたが、結末もストーリー展開も使い尽くされた内容でした。千早さんらしい人への眼差しの温かさは唯一良かったと思いました。
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タイトルに惹かれて手に取った。女子大生が歳の離れた写真家に沼っていく話。好きという気持ちに誠実な女子大生も良かったが、描かれていない全さんの気持ちを考えて2回目を読むのがとてもよかった。ここに描かれている恋愛についての論は的を得ているが、それでも恋愛するのが人間だなと感じれて気分が楽になった。
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千早茜さんの二作目。 全さんの存在がなんとも魅力的。全さんと出会ってその会話の中で自分の価値観が炙り出されていく。そして、藤子にとっての全さんも、全さんにとっての藤子も生きるために大切な存在で、その依存関係が魅力的に描かれてるなあと思った。
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★どんなに詳細に思い出しても、いない。いないのだ。あのひとは、いない。逃げていたのは自分からじゃない。あのひとがいないという事実だった★ 父と死別し、ひとりぼっちになった藤子が愛を求めてさまよう。その愛が周りからの青い視線をあびたとしても、求め続けようとする藤子が、どこか可愛ら...
★どんなに詳細に思い出しても、いない。いないのだ。あのひとは、いない。逃げていたのは自分からじゃない。あのひとがいないという事実だった★ 父と死別し、ひとりぼっちになった藤子が愛を求めてさまよう。その愛が周りからの青い視線をあびたとしても、求め続けようとする藤子が、どこか可愛らしく、そして悲しそうにみえる。身近な人達が亡くなっていき、一人ぼっちになっても何とか生きようとする、生へのもがきか描写されていて個人的に好きだ。でも物語の展開は典型的なものだった。
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何気なく手に取り、初めて千早茜さんの作品を読んだので、あまり参考にならない感想かもしれませんが、ご了承ください。 題名である『神様の暇つぶし』の意味する所は、最後まで読み切った今でも色んな解釈が出来る一方で、どれも当てはまりが良いと感じていない。おそらく、それが本作の魅力なのかも知れない。 自身の見た目や生い立ちにコンプレックスを抱えた女子大生は、日常に何ら刺激もなく生き甲斐もなく過ごしている中、ある日、父親と同然の年齢くらいのカメラマンの男性と出逢う。この出逢いをきっかけに二人の奇妙な生活が始まり、そして女子大生は男性に恋心を抱いていく。しかし男性は猫のように付かず離れずを繰り返しながら、女子大生は男性に振り回されることに苦悩しつつも、恋愛の底なし沼にどっぷりと浸ってしまう。 ここまでの恋愛模様の他にも登場人物数名の恋愛の形が描かれており、多様性だったり、恋愛は年齢を超えると言ったメッセージ性も込められていることは分かるが、どうしてもハッピーエンドでない作品は私個人として好みでないため、申し訳ないですが星3つ。 しかし、千早茜さんの『恋愛』の心理描写は、とても繊細かつ共感しやすいため、没頭しやすい作品でした。 ちなみに100ページ目のやり取りは大好き(笑)
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この本、やばい。 やばいって表現は滅多に使いませんが、思わず使いたくなるくらいやばかった。 出会う前には戻れない。 一緒に時間を過ごす前には戻れない。 そのくらい、あの人は私に強く残酷な思い出を残していった。 っていう設定はありきたりだけど、この人にしか書けない言葉と表現が素晴らしかった。新年早々すごい経験しちゃったな。
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誰もがこの瞬間だけは 絶対に忘れたくないと思ったことがあるだろう。 料理をする色の悪い骨ばった指 いつものお酒をいつもより悲しそうに飲む横顔 事後上裸でベットに腰掛ける先生の後ろ姿 別れ話のなんとも例え難い彼の俯いた顔 この瞬間だけは絶対に忘れたくないと思った。 でも、"...
誰もがこの瞬間だけは 絶対に忘れたくないと思ったことがあるだろう。 料理をする色の悪い骨ばった指 いつものお酒をいつもより悲しそうに飲む横顔 事後上裸でベットに腰掛ける先生の後ろ姿 別れ話のなんとも例え難い彼の俯いた顔 この瞬間だけは絶対に忘れたくないと思った。 でも、"この一瞬だけは"と願う心の裏側には 永遠を望む本心が隠れているんだろうと感じた。 嫉妬して執着して縋って、そんな姿はきっと醜い。 様々なことが歪にクロスする人生の中で 醜くも生を感じながら生きていきたい。 野生的な本能を生々しく描かれた すごく面白い本。 カメラを始めたくなった私は つくづく簡単な女だなと思った。
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どんなに深く愛し合っていても、お互い自分の物語の中にいて、それが完全に重なることはない 一見悲しいことだけど真理。その中で愛を持って接することができるか、生を共にしたいかってことだと思う。
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父親をなくした娘の視点、一人称で、人との関わりを語っている。主人公は傷ついたかもしれないが成長したのでは?
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