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掬えば手には の商品レビュー

3.9

444件のお客様レビュー

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2025/02/11
  • ネタバレ

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『走ることを手放してしまった香山は、何か大事なものを失ったのだろうか。光が差す道からそれてしまったのだろうか。(中略)けれど、陸上に全く興味がなかったぼくを、走らせたじゃないか。そして、走るのがこんなにも気持ちがいいことを教えてくれたじゃないか。』p165 『打ち明け話にどうでもいい話。こんなことを繰り返しながら、ぼくたちは少しずつ確かなものを手にいれていくんだ。』p169 『無傷じゃ救えないものってあるんだね』p215 『誰かに出会って、誰かが去っていくのはどうしたってつらい。だけど、その寂しさを差し引いても、出会わなかったほうが良かった相手なんていない。』p227 自分は普通。自分には何もない。 果たして、そうだろうか? その人を見つめ、その人の思いを掬い、救いを差し伸べる。 それは、誰にでもできることじゃない。 すごく、すごく、素敵なことだと思う。 子どもが生まれ親になり、色んな人に助けられる場面が増えた。世界ってこんなにもあたたかいんだなと思った。 今度は自分が手を差し伸べられたらいいな。 与えてもらうだけではなく、与える番だ。

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2025/02/02

「自分なんて」とついつい思ってしまうけど、皆んな良いところがあって、誰かがちゃんと見ている。 最初の一歩は難しいけど、勇気を出して、胸張って歩き出そう!

Posted byブクログ

2025/01/30

普段、ミステリー系が好きで、人がたくさん死んでしまったり、辛い話ばかり読んでいるので、見るからに「これいい話」というのを読むのは久しぶり。 楽しめるかな、最後まで読めるかな、と心配でしたが、 一気読みでした。 すごい楽しくて先が気になって読み進めた、というのとは違うけど、スルス...

普段、ミステリー系が好きで、人がたくさん死んでしまったり、辛い話ばかり読んでいるので、見るからに「これいい話」というのを読むのは久しぶり。 楽しめるかな、最後まで読めるかな、と心配でしたが、 一気読みでした。 すごい楽しくて先が気になって読み進めた、というのとは違うけど、スルスルっといつの間にか読み終えてました。 声の主が誰かとか、彼らの過去に何があったかとか、そういうの、私はあまり響かなかったけど、 前半の方が楽しかったかな。 すごくすごく好きなフレーズがありました。 今後絶対忘れたくないし、誰かに伝えたいと思える言葉です。 歳をとって、1番近くにいた人のことを忘れてしまう。他の人のことは覚えてるのに。 1番そばにいた人は悲しくなるよね…でもそんな人に対して 「それって、思い起こすこと一つもなく大竹さんに愛情を注いだから。心残りがないくらい大事にできたから。だから、大竹さんのこときれいに忘れられたんじゃないでしょうか。不確かな記憶を探ってわざわざ思い出す必要がないほど。そんなにも、誰かを愛しきれたって凄いと思います。」 って言ってあげられる主人公。 素敵すぎます。 いつか、この言葉が私を支えてくれる日がきっとくると思いました。 主人公は前向きで、一生懸命で、とても好感が持てます。 でも、共感できなかったのは「普通」であることにすごく反発してるところです。でも、そっか、今思えば、私も学生の頃は何かになりたかったかも… 何か特別なものが自分にはあってほしいと、願っていたのかも。 そして、今、大人になって、 なんの変哲もない普通の人生でも、その中に絶対色々あるし、当たり前の日常がどれだけ大切か分かりました。 ちゃんと私も成長したんだなぁ、としみじみ思いました。 そして、普通であることに不安を感じる若者たちのことも、否定したくないなと思いました!

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2025/01/29

https://paz-library.opac.jp/opac/Holding_list?rgtn=00056975

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2025/01/28
  • ネタバレ

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何の取り柄もない平凡な自分だけど、実は人の心が読める超能力がある。その力で誰かを助けたり、みんなの役に立つようにしたりしてきた。 でもその力は超能力なんかではなく、自分で培った力だった。 主人公にとても共感しながら読みました。 自分には長所なんかないと思っていても、できることは意外とあるのかもしれません。「自分なんか」から抜け出して、超能力があるかのように勇気と自信を持って過ごせば、まわりのことを幸せにすることだってできるのかもしれない、と思わせてもらえました。

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2025/01/24
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不思議な声に対してなんだろう?誰の声だろうとイメージが膨らんだ。 梨木くんがどこまでも優しく寛容で、でもそんな彼にも実は悩みがあって… 梨木くんと河野さんの最高の友人関係も、ほのぼのてはしているけど絆が強くて安心して読めた。河野さんは絶対に裏切らない本当にいい子。うんうん!ってな具合に。 最後の付録も(今後の梨木くんと店長、番外編)よかった。 梨木くんはもちろん、店長も新しいバイトの北條さんも最高!! ☆心に残った言葉メモ 梨木くん、一体どういう才能が欲しいの?みんなを感嘆させるような絵や音楽を作れたらいいの?そんなことより見てよ。不登校だった私が大学で楽しく過ごしているんだよ。梨木くんが私を次の場所に連れて行ってくれたんだよ。誰よりも特別な力持ってるじゃん。 梨木君は自分がどう見えるかより、相手の気持ちを感じ取って進むことを選べる人だよ。その場で変わる空気なんかじゃなくて、人の気持ちを読んでくれる人。

Posted byブクログ

2025/01/19

自分の出来ることを頑張っていきたいなと思える作品でした。不器用な登場人物たちには人間味があって、自分の悩みを代弁してくれているかのようでした。

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2025/01/18
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心に残ったフレーズ。 「きっと、おばあさん思い残すこと1つもなく、大竹さんに愛情を注いだんだと思います。心残りがない位に大事にできたんだとだから、大竹さんのこときれいに忘れられたんじゃないでしょうか不確かな頭で記憶を探って、わざわざ思い出す必要がないほど、そんなにも誰かを愛し切れたってすごいことと思います」

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2025/01/12

人の心に触れたい、なんとかしたい でも自分には何もない、自分の事は話したくない それでも、あの人の心の声が聴こえる 葛藤しながら自分や周囲の人と向き合う主人公の手の中にはいつもほのかな光があって、読者の私にもあたたかく見せてくれていました。 人の心は外から見る事もできるけれど...

人の心に触れたい、なんとかしたい でも自分には何もない、自分の事は話したくない それでも、あの人の心の声が聴こえる 葛藤しながら自分や周囲の人と向き合う主人公の手の中にはいつもほのかな光があって、読者の私にもあたたかく見せてくれていました。 人の心は外から見る事もできるけれど、直接声をかけたり考えを打ち明け合うことではじめて、喜びや不安を共有したり傷つきながらも心を通わせ合うことができるのだと思いました。 読んだ後に、「あの人ともっと話がしたいな」と思わせてくれます。

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2025/01/10

瀬尾まいこさんの本を少しずつ読んでます。続けて読んだら、読むものなくなって、悲しくなるからです。 こちらの作品に出てくるのは「特別な力のある普通の男の子」です。他の登場人物も、「あ、この人はあの人みたいな人だ」と身近な人を思い浮かべられるような普通の人達ばかりです。 でも普通っ...

瀬尾まいこさんの本を少しずつ読んでます。続けて読んだら、読むものなくなって、悲しくなるからです。 こちらの作品に出てくるのは「特別な力のある普通の男の子」です。他の登場人物も、「あ、この人はあの人みたいな人だ」と身近な人を思い浮かべられるような普通の人達ばかりです。 でも普通って何?何かすごいことできなきゃダメなの?と投げかけてくれました。 破天荒であったり、優等生であったり、走りが早いなど、特技がなかったとしてもよく、あってもいい。 ただ、人をよく見て思いやる気持ちを持つことが特別なことだと思いました。 作中にでてくる声の人がとても好きです。 初回限定には、おまけの冊子がついているようです。こちらも面白かったです。

Posted byブクログ