筆のみが知る の商品レビュー
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確かに宮部みゆきの百物語シリーズを連想させる。時代は新しいけど。 料亭の娘が年上の絵師を呼び捨てにするって、絵師ってそんなに身分が低いのかな。娘自身も実父は役者なんだから、そんなに身分が高いとは思えないが。まして後に絵の師匠と仰ぐことになるのだし。 とりあえずまだ絵師の滞在は続くようなので、続きを楽しみとします。
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霊感がある絵師と居候先の娘が織りなす短編集。人の悲しみ、苦しみ、死んでもなお生きている人間へメッセージを送り続ける執念。『悲しまない男』の話が一番救いがあって良かった。
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独特な雰囲気の和製プチホラー短篇連作。 ショートストーリーだから纏まっているのだが、だからこそか全体としてはとっ散らかった印象。 さくっと暇つぶしに。
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幽霊絵師火狂と料理屋『しの田』の娘真阿が幽霊たちの心残りと謎を解き明かす連作短編集。未練を残す者たちを絵にする火狂。絵の者が真阿に訴える真実。火狂と真阿の霊感は亡き者の魂を救う。
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なんかちょっと馴染みが薄い時代というか、着物で生活しているけど「警察」は存在するし、行灯を使ってるけど十年以上前に遊女が消えた時代。絵をめぐる不思議な連作で、面白かったんだけどちょっと物足りなく感じた。どの短編も結構あっさりと終わってしまう。
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※ 幽霊絵師 火狂(かきょう) 序幕 座敷小町 犬の絵 荒波の帰路 堀師の地獄 悲しまない男 若衆刃傷 夜鷹御前 筆のみが知る 終幕 人には見えないものが見える絵師 興四郎。 彼が描く絵は恐ろしくて美しい。 絵に込められた悲しくて切ない想いは、 ある人には恐ろしく、別の...
※ 幽霊絵師 火狂(かきょう) 序幕 座敷小町 犬の絵 荒波の帰路 堀師の地獄 悲しまない男 若衆刃傷 夜鷹御前 筆のみが知る 終幕 人には見えないものが見える絵師 興四郎。 彼が描く絵は恐ろしくて美しい。 絵に込められた悲しくて切ない想いは、 ある人には恐ろしく、別の人には美しく見える。 生者と死者の想いを絵が紡ぐ、不思議な物語。 空気になって漂いながら、 違う時代を覗いてきた不思議な気分です。
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【収録作品】序幕/座敷小町/犬の絵/荒波の帰路/彫師の地獄/悲しまない男/若衆刃傷/夜鷹御前/筆のみが知る/終幕 大きな料理屋「しの田」のひとり娘である真阿は、十二のときに胸を病んでいると言われて以来、部屋にこもり、絵草子や赤本を読む生活を送っている。 あるとき「しの田」の二階に、幽霊絵で有名な絵師の火狂が居候をすることになり、真阿は興味をもつ。 真阿の過去は辛いが、今の境遇は幸せ以外のなにものでもない。それ以外を知らなければわからないことだろうけれども。
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8話+序章、終幕からなるホラーミステリー時代小説短編集。 夢で何かを感じ取る料亭の少女とそこに居候の視える絵師 2人が体験するホラー風な不思議なお話。 絵師がだいぶ年上なのでそっと見守っている感じの距離感が読んでて心地よい。 ホラーは苦手という人でも読める内容だと思う一冊。
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幽霊絵師として名をはせる飄々とした大男と料理屋のひとり娘が不思議な絵を通して、さまざまな人々の想いのあり方を知っていきます。 淡々と明かされる真実のなかには、まだこの少女・真阿には辛いかもしれない人の醜さも隠れているものもある。けれど、彼女は彼女なりの感性でそれを理解し、柔らか...
幽霊絵師として名をはせる飄々とした大男と料理屋のひとり娘が不思議な絵を通して、さまざまな人々の想いのあり方を知っていきます。 淡々と明かされる真実のなかには、まだこの少女・真阿には辛いかもしれない人の醜さも隠れているものもある。けれど、彼女は彼女なりの感性でそれを理解し、柔らかく受け止めていく。そんな、成長しつつある少女の内面が、一見淡泊な筆致の中でしっかり描かれているのが良いなと思いました。 どちらかというと人の業を描いたものが多いですが、「悲しまない男」は温かくなれる話で、好きでした。真阿が共感して言うように、赤の他人との真摯なかかわりあいこそが、この世の中の在り方をとてもやさしいものにしてくれるのだと、そう信じたいと思いました。
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