月灯館殺人事件 の商品レビュー
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この作者らしい、終わり方。 普通なら探偵とワトソンは生かしそうなものを、容赦ない(笑) そしてえげつない事件現場と物理トリック。 多少無理あるか?(ドラム缶のやつとカーテン)とも思ったけど、それを実際試して証明したのね、と犯人の言い分に繋がって笑ってしまった。 雨論くん好きだったのになぁ(ちょっと疑ってたけど) 最後は名前を乗っ取ったってことだよね? 本人と顔合わせしてた編集者いるからバレそうな気もするが…そういうことじゃないのか??笑 岩手民なのでちょくちょくそうしたワードが出てきて嬉しかった。 この作者のまた違う話を読みたい。 追記 ん、ああそういうことか! 最後の1文… 1人3役してたってこと?? だからパスワードも解けない(振り)してた? いや、でも最初会ってるよね?どゆことだ? やっぱ2役?んんん? 読み返しまーす
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これはちょっと意地悪だろう。「えっっ!?」と仰天させてもらったので私的にはOK牧場だが、この軸となる仕掛けはフェアか、否か。豪雪地帯にある月灯館は、ミステリ作家たちがカンヅメになって作品を執筆するためにできた建物。集まった作家は変な人ばかり。そして『そして誰もいなくなった』ばりに...
これはちょっと意地悪だろう。「えっっ!?」と仰天させてもらったので私的にはOK牧場だが、この軸となる仕掛けはフェアか、否か。豪雪地帯にある月灯館は、ミステリ作家たちがカンヅメになって作品を執筆するためにできた建物。集まった作家は変な人ばかり。そして『そして誰もいなくなった』ばりに告発と連続殺人が起こる。全体的には面白かった。文章も読みやすく、1人可愛いキャラがいてお気に入りに。ずっと怪しいと思っていた伏線も回収され、終了~と思ったところのラスト1行の爆弾。途端に見える世界が変わる。とはいえこれアリなのか?
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「本格ミステリの神」と謳われる天神人の屋敷「月灯館」に集う七人の作家。雪に閉ざされた屋敷で次々と巻き起こる凄惨な密室殺人。犯人は誰か、どうやって密室を作ったのか、犯人の目的は---? 堕天使の名目で殺害される作家のそれぞれが密室、しかも館全体が閉ざされたクローズミステリーです。...
「本格ミステリの神」と謳われる天神人の屋敷「月灯館」に集う七人の作家。雪に閉ざされた屋敷で次々と巻き起こる凄惨な密室殺人。犯人は誰か、どうやって密室を作ったのか、犯人の目的は---? 堕天使の名目で殺害される作家のそれぞれが密室、しかも館全体が閉ざされたクローズミステリーです。 探偵役はいるものの、名探偵がいないので密室の謎は最後まで解かれないものの、減っていく生存者や見えない犯行の意図、濃くなる疑心暗鬼が緊迫感を与えて引き込まれました。 ミステリー初心者なので最後の最後の「答え」にはどういうこと?と思いましたが、密室の図取りがあったり、読みやすい文体なので初心者でも楽しめると思います。 もちろん玄人の方でもひとつひとつの密室の謎を解きながら、最後の大きな謎の回答にびっくりする、はず。 冬の寒い夜に、暖かい部屋で読みたい一冊。
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ミステリ作家版トキワ荘のような共同生活。 しかしその“トキワ荘”が〈吹雪の山荘〉と化し...。 密室と首斬り死体の連打。殴打。 久々にコテコテの新本格だぁーと思いきや、なんちゅう胸が痛い物語。届かぬ想い過ぎる...。 豊かなバリエーションの物理トリックたちも、このテーマの中に沈ん...
ミステリ作家版トキワ荘のような共同生活。 しかしその“トキワ荘”が〈吹雪の山荘〉と化し...。 密室と首斬り死体の連打。殴打。 久々にコテコテの新本格だぁーと思いきや、なんちゅう胸が痛い物語。届かぬ想い過ぎる...。 豊かなバリエーションの物理トリックたちも、このテーマの中に沈んでいく。 読み終わったあとにsyrup16gの『手首』と安藤裕子の『隣人に光が差すとき』を聴いてしっくりくる。とある人物のジメジメした心境的に...。ネタバレです。 北山猛邦さん、なんとなくダークメルヘンなイメージがあったけど、このダークの質感はメルヘンというワードとは噛み合わへんな。ぽっかり空いた深い穴です。 【本格ミステリ作家の七つの大罪】という名目で次々と作家たちが裁かれていくけれど、よく言う『こういうのでいいんよ』はミステリ読者(エンタメ消費者)の七つの大罪の一つやなと思う。 共犯というか、足を引っ張る存在。つら。 最後の着地も、あれの大オマージュでもあるけど、ガワだけ変えてもっていう暗喩でもあるんかな??
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本格ミステリ作家が集う月灯館で殺人事件が起こる話。犯人も動機もさっぱり分からんしラストの畳み掛けが凄い。そして最後まで読んだその瞬間から再読が始まる。再読が一番楽しい。ただ夕食会と最後の殺人の所が分からんかった難しい。読み終わった人教えてほしい。
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城シリーズで一番評価されたという「アリス・ミラー城」を、作者さん自らがなぞって見せたような印象。ネタバレが過ぎるのでいちいち指摘はしないが、本作を読んで気に入った人はご一読を。直ぐに共通点が目に付くはずだ。ことに理解できない読者が大量発生してネットに考察が溢れた結末は、考察が溢れているところまでよく似ている。その上で、「アリス城」にあったぎこちなさや無理矢理感が払拭されていて、作者さんが色々問題を整理されたんじゃないかと思う。 只まあ、その手のトリックとしては定石すぎるきらいはある。そういう話だと思うと、少しひねたミステリ読者なら、一行も読まないうちから「犯人は○○かな」くらいのことは言うはずで、それがその通りというのはね。なんというか、皆殺し系のクローズドサークルというのは、もはや様式美の世界なんでしょうか。
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デビュー作以降一文字も書けなくなった孤木は、編集者の勧めで本格ミステリの大御所天神人が若手ミステリ作家に執筆の場として提供している自宅「月灯館」に滞在する事になる。晩餐会で不気味な宣言が流れた次の日から、雪で陸の孤島と化した館で天神を皮切りにミステリ作家達の首挿げ替え連続密室殺人...
デビュー作以降一文字も書けなくなった孤木は、編集者の勧めで本格ミステリの大御所天神人が若手ミステリ作家に執筆の場として提供している自宅「月灯館」に滞在する事になる。晩餐会で不気味な宣言が流れた次の日から、雪で陸の孤島と化した館で天神を皮切りにミステリ作家達の首挿げ替え連続密室殺人事件が起こる。王道の舞台と展開、「物理の北山」大盤振る舞いににやにやしていたら、解決シーンでえ、となり犯行理由でおお⁉と投げられラスト一行で床にきっちり叩きつけられた。他の方達のレビューを確認した上で慌てて読み返したらぎりぎりを攻め過ぎ。成立してるけど空中に浮いているんじゃないか。脱帽。
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本格ミステリの大御所が若手作家たちの執筆を応援するため、人里離れた館に部屋を提供して住まわせているという月灯館。そこで起こる不可解な連続殺人の行き着く先は… 本格ミステリのネタをこれでもかとぶち込んだ大盤振る舞い。シニカルな中に流れる本格愛はすばらしい。 いろいろ実際には不可能な...
本格ミステリの大御所が若手作家たちの執筆を応援するため、人里離れた館に部屋を提供して住まわせているという月灯館。そこで起こる不可解な連続殺人の行き着く先は… 本格ミステリのネタをこれでもかとぶち込んだ大盤振る舞い。シニカルな中に流れる本格愛はすばらしい。 いろいろ実際には不可能な気はするが、最後の一文で再読したくなる傑作であるとは思う。
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著者がデビュー20周年の節目にリリースした本作は、積雪で道が塞がれ陸の孤島化とした館に閉じ込められた作家たちが密室状態で殺されていく王道な展開に物理トリックの連続で「物理の北山」は健在。トリックの出来ばえは悪くないですし、本格に対する著者の考えが重要な動機になっているところも好印...
著者がデビュー20周年の節目にリリースした本作は、積雪で道が塞がれ陸の孤島化とした館に閉じ込められた作家たちが密室状態で殺されていく王道な展開に物理トリックの連続で「物理の北山」は健在。トリックの出来ばえは悪くないですし、本格に対する著者の考えが重要な動機になっているところも好印象です。 また、全てが明らかになるラストストロークが衝撃的。アンフェアか否かで賛否両論に分かれそうなところですが、間違いなく著者の新たな代表作になっていると思います。
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雪で外界から隔てられた館で起こる、『そして誰もいなくなった』を彷彿とさせる連続殺人事件。 物理的密室はできたんだからできるんだろうと思考放棄する読者である私。それにしても既視感だらけと読み進め…… ごめんなさい、舐めてました。こうきたか! ラスト一行を読んで、始めから読み返しましたよ。途中、引っかかった描写もよくよく読めば、そういうことか! と、脱帽。うまいな~
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