これからの時代を生き抜くための文化人類学入門 の商品レビュー
堅苦しくなくスラスラと読めた。 実際のエピソードから、自身の価値観、いわゆる「普通」というものがいかに「普通」ではないかというところを認識した。 また確かに人間を中心とした世界の見方しかしていなかったとも思う。
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性、経済、宗教などがテーマ。プナンはシェアの理念が根づいているからありがとうの言葉はない。というのが興味深かった。ピダハンを思い出す。 第4章の宗教ではバルネオ島先住民の複葬が出てくる。白骨化するまで死体を安置する。 埋葬の仕方によって死の受け入れ方が変わってくるだろうとより世界の葬儀について知りたいと思った。
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作者のフィールドを例に取り、文化人類学とは、文化とは、フィールドワークとは、異文化理解とはなんなのかをさまざまな切り口でまなべる。
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性・経済・宗教などの切り口で、現代日本の規範からは想像もできないような文化を持った集団を例に、文化人類学とはどういうものか、どういう思考をもって世界を見ると発見が得られるのか、といった事例が語られている。 文化人類学というとどうしても人とその文化が主眼に置かれるが、人の生活を構...
性・経済・宗教などの切り口で、現代日本の規範からは想像もできないような文化を持った集団を例に、文化人類学とはどういうものか、どういう思考をもって世界を見ると発見が得られるのか、といった事例が語られている。 文化人類学というとどうしても人とその文化が主眼に置かれるが、人の生活を構成する自然や生物も含めた人新世という考え方は、今までの自身になかった視点だったのでおもしろく読めた。 一番興味深かったのが、著者の思考の形成過程を旅と共に紹介する最後の章で、それまでの章で語られていた言葉がどのような背景を持ったものなのかがなんとなく想像できる。 文化人類学という学問に興味を持ったがどのようなものかわからない、といったタイミングで読むのが良さそう。
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白人中心の進歩史観にレヴィストロースらが文化人類学で比較文化論を唱える。白人中心から、文化の相対性を主張し、底から白人中心の発達史観の見直しを迫った。 そして今や、人間中心の考えから人間以外の生物環境へと視野を広げた環境学になっていく。「これからの」というだけある内容であった。 ...
白人中心の進歩史観にレヴィストロースらが文化人類学で比較文化論を唱える。白人中心から、文化の相対性を主張し、底から白人中心の発達史観の見直しを迫った。 そして今や、人間中心の考えから人間以外の生物環境へと視野を広げた環境学になっていく。「これからの」というだけある内容であった。 インセントタブー:近親相姦の禁止 他部族との女の交換ー閉ざされる集団は自滅 魚類など 卵たくさん→子孫確率を高めるため 哺乳類 一度の行為で最大化 睾丸が大きくなり、乱交で妊娠確率を高める 二足歩行→視覚→前面(胸 口唇が赤くなる=発情期) ヒトは通年可能となる 保護者確保のため 一妻多夫制
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こういうスパイキーな経歴の人の思想は大変興味深い。 >「シェアリング」の理念が植え付けられているプナン社会には、「ありがとう」という感謝の言葉がない。 言葉はコミュニティの文化の表れであり、カテゴライズされない行為に名前はつかない。 その一方で、言葉で定義付けをすることに...
こういうスパイキーな経歴の人の思想は大変興味深い。 >「シェアリング」の理念が植え付けられているプナン社会には、「ありがとう」という感謝の言葉がない。 言葉はコミュニティの文化の表れであり、カテゴライズされない行為に名前はつかない。 その一方で、言葉で定義付けをすることに端を発して、自己改変的に進化するカテゴリーもある気がする。みうらじゅん的な。 例えば企業理念、キャッチフレーズ、◯箇条なども、一つのカテゴライズされた行為である。が故に、それは自己改変を生むリスクが生じるのだと考える。 従って、言葉で定義された行為は、定期的にその意味を共有する必要がある。 ・・なんか言語の話ばっかになったな。
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この地球上にはいろいろな文化、思想、価値観が溢れている。正解なんてものは無いけれど、お互いを理解し、受け入れ、尊重できる人がどれだけいるだろう。自分のものさしが全てだと思ってはいけない。
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文化人類学異文化や人類を取り扱う学問で、既成のやり方や考え方を疑う姿勢をもち、異文化を内側から観察する。 私たちが普段見て考えていることは、私たちの文化なら内側からしかのものでしかなく、私たちの「普通」は別の文化からは普通ではないことだったりする。 本書では、性や経済、宗教や環境...
文化人類学異文化や人類を取り扱う学問で、既成のやり方や考え方を疑う姿勢をもち、異文化を内側から観察する。 私たちが普段見て考えていることは、私たちの文化なら内側からしかのものでしかなく、私たちの「普通」は別の文化からは普通ではないことだったりする。 本書では、性や経済、宗教や環境の問題などを元に、異文化の例を挙げて、いかに私たちの視野が狭かったかをわからせてくれる。 文化人類学の基礎を学ぶのにとても良い良書であった。 特に呪術に関する記述が興味深く、面白かった。
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文化人類学の基本的な様態から、筆者の体験談まで本書に入っていて、読みやすく、学問のイメージをするには丁度良いくらいの内容だった。 人間に優等も劣等もなく、ただ生きてきた形跡と築かれた様式があるだけ。 それをフラットに観察するには、奢りを捨ててその人たちとともに暮らし、まさにその人...
文化人類学の基本的な様態から、筆者の体験談まで本書に入っていて、読みやすく、学問のイメージをするには丁度良いくらいの内容だった。 人間に優等も劣等もなく、ただ生きてきた形跡と築かれた様式があるだけ。 それをフラットに観察するには、奢りを捨ててその人たちとともに暮らし、まさにその人たちに馴染むことが肝要だ。 帰ってきたあとに、元の自分と比較し、人間のあり方を考察していく。 自分以外の誰かの「誰か」は、思った以上に狭いもので、世界は自分の想定を超える文化圏で生きている人たちがいて、それを生理的に受け入れられないことも多々あるが、それはそれとして認める以外にないし、そのような態度が倫理としてあるべきなのかなと、思った。
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