スクラッチ の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
コロナ禍の2020年、中3最後の夏の物語だった。 5年前、台風で家が洪水になり、大阪に引っ越してきた美術部の男子中学生と、バレー部で一生懸命頑張ってきた女子中学生。 部活は毎日続くなか、コロナ禍のため、大会や作品展示会が急遽中止になる。 中学3年間頑張ってきた意味がないと落ち込んだり、 ストレスでちょっとしたことでもムキになってしまったりしながらも、少しずつ前をむいていく物語だった。 コロナ禍のことを思い出しながら読んだ。 コロナ禍の時は高校卒業していたためコロナ禍の時の部活のことなどが詳しくかかれており、勉強になった。 また、コロナの休校以来、生活リズムが狂って体調不良やメンタル不調、起立性調節障害などになって、不登校になった生徒がいること、休校期間にペットを飼ったが、休校期間が明けて世話できなくなったため、ペットを捨てる人が多く、保健所行きを防ぐため、老人ホームなどのアニマルセラピーとして活躍していることをはじめて知った。
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中三の夏、部活動で思いっきりはじけたかったのに、大会がキャンセルに。夏祭りがキャンセルに。コロナ禍でやるせなかったこと、かなわなかったこと、悔しさ、戸惑いなどが詳細に描かれている。複数の登場人物目線から描かれているため、意地を張ったり、強がりから誤解が起きていることもよくわかる。...
中三の夏、部活動で思いっきりはじけたかったのに、大会がキャンセルに。夏祭りがキャンセルに。コロナ禍でやるせなかったこと、かなわなかったこと、悔しさ、戸惑いなどが詳細に描かれている。複数の登場人物目線から描かれているため、意地を張ったり、強がりから誤解が起きていることもよくわかる。 進路を決める時期、悔しさから医者になりたいと決意する友人を目前に進路が決まらない主人公の焦りや苛立ちには共感する。 同じ時代を生きる中、コロナ時代を前向きにとらえるか、後ろ向きにとらえるか。 自分でコントロールできることがあればできないこともある。 そんな状況の中でも力強く生き抜いていこうとする登場人物たちの姿に心が動かされた。
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コロナが騒がれ始めた頃に思っていたことは、もうほとんど忘れている。この作品は22年なので、まだまだ「禍」の頃のお話。自分もコロナで苦しいことはあったけど、「もう取り戻せないこと」はなかったので、子どもたちは苦しかったんだろうなと今更ながら思う。スクラッチで表現される青春がまぶしい...
コロナが騒がれ始めた頃に思っていたことは、もうほとんど忘れている。この作品は22年なので、まだまだ「禍」の頃のお話。自分もコロナで苦しいことはあったけど、「もう取り戻せないこと」はなかったので、子どもたちは苦しかったんだろうなと今更ながら思う。スクラッチで表現される青春がまぶしい。
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仙先生いいな。でも高瀬先生もいい。 コロナで緊急事態宣言が出された頃の空気感、やりたいことが思うようにできない中3生の物語。主人公、千暁と鈴音、二人の視点から物語が語られる。タイトルのスクラッチは絵画手法の一つ。 「関わること。影響されること。影響すること。し合うこと。混じり合う...
仙先生いいな。でも高瀬先生もいい。 コロナで緊急事態宣言が出された頃の空気感、やりたいことが思うようにできない中3生の物語。主人公、千暁と鈴音、二人の視点から物語が語られる。タイトルのスクラッチは絵画手法の一つ。 「関わること。影響されること。影響すること。し合うこと。混じり合うこと。」人と関わるって、そういうことだよな。後半涙が出て困った。 登場人物で起立性調節障害の子(健斗)が出てくるってTwitterで見かけたので読んでみたのでした。柔道で結構強かったけど急に朝起きられなくなって体がだるくなって、怠けてると思われて…。物語の中に出てくるようになったのかとちょっと感慨深かった。
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読書感想文の課題図書なので読みました。コロナ禍の2020年を描いた物語として、すでに少し懐かしいような気持ちで読みました。登場人物の話し言葉が現代的で私には合わず、読み進めるのが難しかったです。
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第69回青少年読書感想文全国コンクール 中学校の部課題図書 中三最後の夏がコロナで終わる...。 美術部の千暁(かずあき)もバレー部の鈴音(すずね)も、目標としていた「市郡展」の審査や「総体」がなくなり、部活に身が入らない。 それでも中学最後の夏は、今しかない...。 目の前...
第69回青少年読書感想文全国コンクール 中学校の部課題図書 中三最後の夏がコロナで終わる...。 美術部の千暁(かずあき)もバレー部の鈴音(すずね)も、目標としていた「市郡展」の審査や「総体」がなくなり、部活に身が入らない。 それでも中学最後の夏は、今しかない...。 目の前のことにも進路にも迷い、自分と向き合わざるを得なくなる。 中学生は自分の意志や考えがあっても、大人の決めたことに従わなければならない。 決められてしまった狭い枠の中で、どう自分を納得させ、また納得させないで過ごすか...。 私自身、中学校に身を置くため登場人物たちの様子がリアルに見えるようだった。 しかし実際の所、生徒たちは表面上は何事もなく状況を素直に受け入れているように見えるので、気の毒で歯がゆい気持ちにもなった。 この本は読書感想文コンクールの課題図書だ。 色々な生徒に読んでもらおうとするならば、今の子に333ページは少し長い気がする。 読んでいて、千暁と鈴音、それぞれのパートに重なる内容の繰り返しが少し多いようにも感じる。 読書好きな生徒であれば問題ないが、様々な生徒を念頭に置くと300ページ未満が望ましいように思う。2023.7
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自分と重ねて読むことができたから、すごく満足感がある本だった。今まで読んできた本の中で一番面白くて、一番影響を受けた!
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令和5年度課題図書 コロナ禍の描き方が上手な本です。3年前は、あぁこういう事があったな、そうだったな、と思い出しながら読みました。 コロナに対するやるせなさは生徒たちにきっとあると思うので、感想文は書きやすいと思います。 「活発な子」「優等生な子」「運動部」「文化部」「にぎやか...
令和5年度課題図書 コロナ禍の描き方が上手な本です。3年前は、あぁこういう事があったな、そうだったな、と思い出しながら読みました。 コロナに対するやるせなさは生徒たちにきっとあると思うので、感想文は書きやすいと思います。 「活発な子」「優等生な子」「運動部」「文化部」「にぎやかな家族」「穏やかな家族」と主人公二人の属性のどこかに寄り添ったり、比較したりするのが良いかな。 好きな文章 不要不急がなんぼのもんだ。 不要でも不急でも、大事なもんばっかなんじゃないのか、それは。
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2023年読書感想文課題図書。 2020年のコロナパニックを実感を持って描き出していて、あの時のピリついた空気をそのまま思い出せる。 読んでて全く眠くならないし読みやすかったけど、 特に心揺さぶられるセリフとか心躍るシーンはなかったかな。
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コロナ禍で、普通にできていたことすら我慢せざるおえない世界。中学生の鈴音と千暁を交互に語らせ、これは感情移入できるし、読み物としても面白かったなぁと思った。
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