スクラッチ の商品レビュー
コロナ禍の学校生活。こんなだったなぁと思い出した。多くの制限の中、折り合いをつけて中学生たちは頑張っていた。 千暁も鈴音も、夢中になっていたものがあったから苦しかったのかも。みのりや健斗みたいなスタンスだったら、違っていたのかな。
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コロナコロナでなにひとつまともにできない学校生活だったときのお話。 そりゃもうフラストレーション溜まるでしょうよ。 それをどう発散させ、どう折り合いをつけていくか。 結局自分と向き合うしかない。 でも、その時に仲間がいれば。尊敬できる友がいれば。 学校の中での人付き合いまで制限さ...
コロナコロナでなにひとつまともにできない学校生活だったときのお話。 そりゃもうフラストレーション溜まるでしょうよ。 それをどう発散させ、どう折り合いをつけていくか。 結局自分と向き合うしかない。 でも、その時に仲間がいれば。尊敬できる友がいれば。 学校の中での人付き合いまで制限される状況にならなくて本当によかったね。 クラスターとか発生しちゃってたらそれもできなかっただろうしなあ。
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千暁(かずあき)と鈴音、主人公が入れ替わりながら物語は進む。 ふたりの語り口が軽快で、さくさく読めます 美術部の千暁は成績優秀 気を遣ってるのに、気を遣った発言ができないことを自覚している バレー部の鈴音は、「安定の口の悪さ」と思われてしまうような子 コロナ禍まっただ中の、...
千暁(かずあき)と鈴音、主人公が入れ替わりながら物語は進む。 ふたりの語り口が軽快で、さくさく読めます 美術部の千暁は成績優秀 気を遣ってるのに、気を遣った発言ができないことを自覚している バレー部の鈴音は、「安定の口の悪さ」と思われてしまうような子 コロナ禍まっただ中の、中学生の青春物語。 バレーの大会が中止なだけでなく、美術展の審査もなくなるような 最も混乱していた頃のこと。 思い出話のようにのぞいてみては。
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第69回青少年読書感想文コンクール課題図書 これは、ぜひ読んでほしい!! この本を読んで、子どもたちがどんな感想を持って、それをどう伝えるのか、すごく知りたい。 コロナ禍を経験したからこそ感じるやるせなさとか、経験したからコソの自分の強さや感情。日常の尊さ、"今&qu...
第69回青少年読書感想文コンクール課題図書 これは、ぜひ読んでほしい!! この本を読んで、子どもたちがどんな感想を持って、それをどう伝えるのか、すごく知りたい。 コロナ禍を経験したからこそ感じるやるせなさとか、経験したからコソの自分の強さや感情。日常の尊さ、"今"しかない学校生活の中で考えもがく姿。 読みながら、読んだ後、きっと、みんながみんな、色々思い出して感じると思う。 子どもたちにおすすめしよーっと。
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※このレビューにはネタバレを含みます
この「日常」を突き進め! 総体がなくなった。バレー部の鈴音は青春の行きどころを探してエネルギーを溢れさせている。美術部の千暁も毎年出展していた市の大会がなくなると聞いて描く意味に迷う。コロナ禍で曇る日々に、中学生の心の天気は——。 黒く塗りつぶしたキャンバスを削るスクラッチという手法。下にある鮮やかな色が削り取られることで見えてくる。コロナ禍で中止・禁止にされた行事は多かった。そもそも学校にも行けなかった。往来が禁止されて家族の交流が絶たれた。ようやく新型コロナは5類となり、マスクを付けない人も増えてきた。私たちは「日常」を取り戻しているのだろうか? 千暁の家族は洪水で家を失ったので、母の地元に引っ越してきた。避難所の日々やその頃の家族を思い、千暁は考える。立ち直るとか克服するとか言われる「日常」を取り戻すことについて。 何かが起きた時、私たちは「日常」を取り戻す、と言う。頑張って。区切りをつけて。でも、「日常」とは何だろう。この3年間ほどはマスクを付けていることが「日常」だった。オンラインや配信で授業やイベントに参加することが「日常」になった。不便だったこともあるが、新しいやり方が広がっていいところも見つけた。コロナが5類になって、私たちは何を取り戻せばいいのだろう。 鈴音や千暁の同級生である文菜は、コロナ禍で入所した祖母に会えない日々を過ごし、感染症の研究者を目指す選択をする。変化したものは戻れない。墨で汚れた絵を黒く塗り、そこから鈴音の姿を削り取り、さらに自分の手を描き加えた千暁の絵のように、降りかかるあれこれに影響されて私たちは変わっていく。常に積極的にはいられない。何もしない時間でエネルギーを貯めるのも必要。でも、戻らない。代わりに前を向いて進んでいく。その日々こそが「日常」だ。
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中学3年生たちの青春ストーリー。 コロナ禍で本来あるべき自由を奪われながらも、自分たちの進むべき道を学校生活を通して見つけて進んでいく。 中学3年生になる子を持つ自分としては、主人公たちに我が子の姿を重ね合わせて読んだ。 友人や先生との関わりの中で自分を見つめる姿がまっすぐい...
中学3年生たちの青春ストーリー。 コロナ禍で本来あるべき自由を奪われながらも、自分たちの進むべき道を学校生活を通して見つけて進んでいく。 中学3年生になる子を持つ自分としては、主人公たちに我が子の姿を重ね合わせて読んだ。 友人や先生との関わりの中で自分を見つめる姿がまっすぐいいな、と感じた。
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悔しい。辛い。苦しい。わからない。 不要不急?不謹慎?我慢? たくさんの人の人生が、社会が大きく変化するきっかけになったコロナ禍を、みずみずしく、たくましく、正直に生きる中学生たちが描く日々に、私たちがこれまで表現できなかった思いが重なりました。 登場人物たちはみんないいひとた...
悔しい。辛い。苦しい。わからない。 不要不急?不謹慎?我慢? たくさんの人の人生が、社会が大きく変化するきっかけになったコロナ禍を、みずみずしく、たくましく、正直に生きる中学生たちが描く日々に、私たちがこれまで表現できなかった思いが重なりました。 登場人物たちはみんないいひとたちです。だからこそ、ほっとできたのかもしれません。
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※このレビューにはネタバレを含みます
千暁 美術部・部長。コンクールが軒並みなくなり、混じりけのない色で絵を描いていたが まわりにはクールだと言われている 小学校の頃、大きな台風で被災している 鈴音 バレー部、部長。猛獣と言われている 思ったことをそのまま口にしてしまう傾向があり、まわりにフォローされたり叱られたり 大会が無くなり、むしゃくしゃしている 千暁のご近所で幼なじみ 姉が大阪から戻ってきた 文菜 バレー部。鈴音の親友。生徒会、しっかり者。 男女に人望があるが、打ち込むものがないことに引け目を感じている 健斗 美術部。寝に通っている 元空手部。県の強化選手になる直前で理由があり、空手をやめる 少し遠巻きにされている 〇コロナ禍で中高生の部活動は大きな影響を受けた。体育会系だけでなく、文化系も。 悔しさ、怒り、むなしさ、理不尽さ、のみ込めないものをのみ込んで、自分の中から“未来”を見つけていく 千暁の絵を見てみたいな 登場人物たちのかけあい、それぞれの家庭、まわりの同級生や部員たちと混じり合って 応援したくなる物語でした
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2020年、コロナ禍の中で中学最後の年を迎えた鈴音と千暁。バレー部の強力アタッカーの鈴音、物静かだが勉強ができ美術部でもその作品は群を抜いている千暁。猛烈な台風による水害で住む家を失い、引っ越してきた千暁を何の抵抗もなく受け入れた鈴音は、正反対の性格だがお互いを理解しあっている。...
2020年、コロナ禍の中で中学最後の年を迎えた鈴音と千暁。バレー部の強力アタッカーの鈴音、物静かだが勉強ができ美術部でもその作品は群を抜いている千暁。猛烈な台風による水害で住む家を失い、引っ越してきた千暁を何の抵抗もなく受け入れた鈴音は、正反対の性格だがお互いを理解しあっている。進路に悩みながら、次々と無くなっていく中学最後の様々なイベント。持って行き場のないモヤモヤを抱える特別な年の中学生を描く。 彼ら・彼女らは、たとえ希望の高校に進学しても又コロナの影響を受け続けるのだ。誰のせいでもない、そういう時代に生きているだけなのだ。今を生きている中・高校生の感想を知りたい。
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久しぶりに読書して泣いた。 日本全国全ての中学校に置くべき傑作。 コロナ禍での学生生活。どんだけ想像しても過ごした本人たちにしかわからない経験だと思う。 だけれども、カロリーメイトのCMで神門がラップしていたけど、 「自分達には コロナのない中で過ごした学生時代がないのではな...
久しぶりに読書して泣いた。 日本全国全ての中学校に置くべき傑作。 コロナ禍での学生生活。どんだけ想像しても過ごした本人たちにしかわからない経験だと思う。 だけれども、カロリーメイトのCMで神門がラップしていたけど、 「自分達には コロナのない中で過ごした学生時代がないのではない コロナ禍で過ごした学生時代があるのだ」 まさにそういうことなんだと思う。 大会が無くなったバレー部、審査が無くなった美術部。 どちらも「他者と競って、手に入れて、上に進むこと」のチャンスさえも理不尽にも手放さなければいけなかった。 聞き分けの良さも、諦めも、怒りも、どんな感情を内包してどんな態度を取ったとしても、真摯に向き合っていたら簡単に割り切れることじゃない。 そしてその割り切れなさを抱いたまま、終わらせず変わらず突き進むのか、新しいことを始めるのか、思っても見なかった夢に挑戦してみるのか、進み方は生徒それぞれだった。 主人公の少年・千暁が描いた、大人(審査員)が良いと思う絵にもう一人の主人公の少女・鈴音がアクシデントで墨をかけてしまう。そこから全てを黒で覆って、コロナ禍で経験した傷(スクラッチ)を描き、希望の姿や本来であれば経験するはずであった輝きを掘り起こし描き出す。その展開と少年にスイッチが入った瞬間の熱量はとても惹きつけられる魅力があった。 でも物語はそこに終始せず、コロナ以前の災害で負った傷や身につけてしまったブレーキも絡ませ、不恰好でも万人受けする整いがなくても、本当に今の自分が描きたいもの=自分の姿をさらに描き、「コロナに負けず僕たちは学校生活を精一杯やり切りました」では収まらない、一人の人間の人生と成長を綴っている。 また今作は他の生徒たちの成長も魅力的で、それぞれの理由で中学生活最後の夏休みを通して大人の想像を超えて大きくなっていく。 夢があってもなくても、かけがえのないものが見つかってもまだなくても、日々生活していくだけでどんな環境だろうと子どもたちは成長していく。その環境の要因のひとつがたまたまコロナであっただけ。それは何かが欠落していたのではなく、逆にこの3年間を学生として過ごした世代しか経験できなかった、少しでもプラスな意味を持った特別なものになってほしいと思う。
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