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生のみ生のままで(下) の商品レビュー

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27件のお客様レビュー

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2023/07/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

わたしにとって綿矢りさは合う合わないが極端に分かれる作家なのだけどこれは合わない方の綿矢りさだった。 物語の展開はシンプルというか何かのテンプレートか?と思うくらいにお決まりのものばかりで、まあ、あるよねこういう物語…という感想。劇的な恋の落ち方、彼氏との別れと反発、同居、見え見えな感じで入ってくる邪魔、そこからの別れ、からの復縁、などなど… ただ、逢衣のモノローグはとても鮮やかで、綿矢りさの力はここに表れているのだなと感じた。抑えめながらも情緒的で情熱的。すばらしいと思う。 そして彩夏が逢衣の存在を周囲に明かさないと選ぶこと、逢衣の家族の反応など、読者に夢を見させない展開も綿矢りさの意図するところなのだろうなと思うと同時に切なくもあるのだった。 物語はハッピーエンドで終わるけど、この物語がいつか時代遅れの古臭いものになってくれればいいなと思う。

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2023/07/22

同性愛の話かなと思って購入しましたが良い意味で裏切られました。 逢衣と彩夏の純愛の物語。 作者の美しい文章の表現力に読んでいて心を奪われました。 男とか女とか関係なく、 逢衣だから好きになった。 彩夏だから好きになった。 人を愛せることって素敵ですね。 そう思える作品です。

Posted byブクログ

2024/07/15

一昔前に比べたら、多様性が叫ばれるようになって、ずいぶん生きやすい時代にはなったけれど、 好きになった相手が同じ性別だから、家族になることを諦めざるを得ない状況、なんとかならないか。 場合によっては未だに同調圧力が凄まじいことも多く、マイノリティは蔑ろにされがち。 ただ、心の性を...

一昔前に比べたら、多様性が叫ばれるようになって、ずいぶん生きやすい時代にはなったけれど、 好きになった相手が同じ性別だから、家族になることを諦めざるを得ない状況、なんとかならないか。 場合によっては未だに同調圧力が凄まじいことも多く、マイノリティは蔑ろにされがち。 ただ、心の性を偽るのはいかがなものかと思う。 心の性がどうであれ、性別でトイレや更衣室の使い分けることには特に何の思い入れもないし、それをありがたく享受しているわけでもない。それらに対して強い拘りを持っている時点で…とは思う。 いくら心の性が女性だからって、男の外見をした人が入ってくるのはこわいし、同性ならそれがわかるはずなんだけどなあ… 自分がマイノリティだと公言するのは、まだ少し憚られるような気がする。 いろんな人が胸を張って、それぞれの人生を生きられる時代が来ることをただただ願うばかり。

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2023/05/27
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かわいそうだね?を読んでみて、同じ作家の他の本も読んでみたくなり手に取った本。 同性愛についての話で結構読んでいて辛くなることも多かったけど、想定よりは世間から貶められることなく(本人たちはかなり傷付いてはいたけど)幸せな結末を迎えられてよかった。 彩夏は頭の中では今田美桜のイメージ。 人生の短いひととき、なんで自分を、もしくは誰かを、むげに攻撃する必要があるだろうか。同じ時代を生きているだけでも奇跡のような巡り合わせの周りの人を。 がほんとそのとおりだなと。

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2023/02/13
  • ネタバレ

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社会の様々な障壁を乗り越えられずとも、二人の中で納得できる結末を迎えられて安心した。最後まで描写が美しく読み終わったあとの余韻が長く続く作品。

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2023/01/18

上巻と併せて。 面白かった 自分の愛を貫きながらそれぞれ生きる2人がかっこよくて 周りの人に受け入れられない場面はすごく胸が苦しかった

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2022/12/18

なんだかんだで最後まで読んでみたけど、いまいち現実感がないのか、どこか冷めた目で見てしまう自分がいた。別に女性同士の恋愛モノが悪いというわけではなく、芸能人が相手っていうところなのかなぁ。綿谷りささん芸能人が出てくるお話はたくさん書いていて嫌いじゃないのにこれはちょっとなぁだった...

なんだかんだで最後まで読んでみたけど、いまいち現実感がないのか、どこか冷めた目で見てしまう自分がいた。別に女性同士の恋愛モノが悪いというわけではなく、芸能人が相手っていうところなのかなぁ。綿谷りささん芸能人が出てくるお話はたくさん書いていて嫌いじゃないのにこれはちょっとなぁだった。

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2022/12/17

少し苦手だと思いつつ読んだ上巻。下巻はどうかと思ったが思いのほか、面白かった。 最後の解説を読み、気が付いたことがある。この作品は、当初同性愛の物語ではないと称賛されたという。なるほど、何度も感じていたこれは同性愛の話か?という感想を世間には称賛されていたのかと。そう考えると、私...

少し苦手だと思いつつ読んだ上巻。下巻はどうかと思ったが思いのほか、面白かった。 最後の解説を読み、気が付いたことがある。この作品は、当初同性愛の物語ではないと称賛されたという。なるほど、何度も感じていたこれは同性愛の話か?という感想を世間には称賛されていたのかと。そう考えると、私は「同性愛の物語」に何かを期待していたのかもしれない。 この作品は、生のみになれない読者にこそ、それを突きつけている。という最後の解説の言葉に納得。 綿矢りさは生のみ生のままを描いていた。これは女性達の生のみ生のままの物語。 私は、同性愛の話に勝手な想像をしていたのだなぁと感じた。

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2022/11/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

p131 なんかさ、上手く言えないけど、"その身体が何をして来たか"が分かるのってすごいセクシーじゃない? p132 彼女の話で思い出したのは、私たちが離ればなれになる前に、彼女が自分に傷痕を、一生消えない傷をつけてほしいと懇願したことだった。 p252 なんでもいいから自分たちの愛の証を刻みつけて、見えないものから見えるものへ変化させ、そんな儚いやり方で永遠を見つけていこうと必死なのだ。 p253 私たちを見守る風が、空が、海が、永遠の証人となった。

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2022/10/10

続きが気になって2冊とも購入後即読了。最高だった。同性愛について描かれているけれどなぜかそこら辺にある恋愛と同じで尊くて切なくて。両思いって奇跡だと思うから何だか2人が羨ましくなったり、私もこんな恋愛してみたいなと感じました。綿矢さんのつかう言葉が綺麗でとても読みやすい作品でした...

続きが気になって2冊とも購入後即読了。最高だった。同性愛について描かれているけれどなぜかそこら辺にある恋愛と同じで尊くて切なくて。両思いって奇跡だと思うから何だか2人が羨ましくなったり、私もこんな恋愛してみたいなと感じました。綿矢さんのつかう言葉が綺麗でとても読みやすい作品でした。

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