生命倫理のレッスン の商品レビュー
前に読んだ『はじめて学ぶ生命倫理』が大変よかったので、こちらも読んでみた。 こちらはテーマが美容整形、ドーピング、スマートドラッグで、生命の危険は基本的にないものなので、中高生の話し合いのテーマとしても、いいと思う。 どれも、安全性、公平性、主体性または人間性の観点から論じられて...
前に読んだ『はじめて学ぶ生命倫理』が大変よかったので、こちらも読んでみた。 こちらはテーマが美容整形、ドーピング、スマートドラッグで、生命の危険は基本的にないものなので、中高生の話し合いのテーマとしても、いいと思う。 どれも、安全性、公平性、主体性または人間性の観点から論じられており、この観点を持てること自体がとても大切だと思う。 また、「判断力のある大人が自由意志で行っている」としても、それは本当に自由なのか。美容整形を何度も行っている人達の顔は似ている。つまり、自分が美しいと思っている顔になりたいのではなく、世間が美しいと思っている顔になりたいのである。 といった指摘はとてもよかった。 わかりやすいように中学生の登場人物を出し、考えさせたり対話したりする構成自体はまあいいと思う。 しかし、女子は勉強には興味がなく、二重まぶたの美容整形に興味があるという設定で、男子は国立大学理系を目指して勉強を頑張ってるという設定はあまりに古いステレオタイプではないか。何の必然性もない。さらに二人の男子の会話に、妹である女子が入ってくるときに「そこに陽葵が、お盆にお茶とお菓子をのせてやってきました。」(P97)って昭和か!いろいろ話したあと、陽葵が頭が良いから幸せというわけではない、と言うと兄が「うん。だからお前はそのままでいいんだよ。」(P110)ってなんか腹立つ。 何気ない形でこういう書き方をして、無意識に刷り込まれることにも、著者は注意を払ってもらいたい。昭和の本なら仕方ない。高齢男性ならそんなもんかと思う。しかし、著者は現代の女性である。医大で教授となるまでに様々な苦労もあっただろう。女子も国立大学理系を目指していいし、男子も美容に気を配ってもいい時代になるよう、支援していただきたい。
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美容整形やスマートドラッグなど、人体を改良するための技術利用は「私の自由」といえる? 未来社会や現代人の自由をめぐる、生命倫理の対話の世界へようこそ!
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生命倫理を調べる中で。 扱ってるテーマがわかりやすくて良いです◎ 整形、ドーピング、スマートドラッグなど。あと映画の話題もあってよかったです。 スマートドラッグ、知らなかった。 ヒルドイドも然り、医療用のものを目的外で使うというのはやっぱり良くない(当たり前!!)なぁと思います。...
生命倫理を調べる中で。 扱ってるテーマがわかりやすくて良いです◎ 整形、ドーピング、スマートドラッグなど。あと映画の話題もあってよかったです。 スマートドラッグ、知らなかった。 ヒルドイドも然り、医療用のものを目的外で使うというのはやっぱり良くない(当たり前!!)なぁと思います。 でも、「すばらしい新世界」にもそんな薬ありましたよね。精神を安定させる薬だったかな。 読者は高校生くらいを想定してると思うんですが、ミルの他者危害原理で、なぜミルは「判断能力のある大人」としたのか、とか、もう少し突っ込んで解説があると良かったかも。(単に、ミルが言ったからとか、子供だから決められないよね、では納得できない)
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〇コナンくんのキック力増強シューズについて倫理的に考える日がくるとは… 〇大学生の皆さんがしっかりしてはるなあと 〇いろんなことを、前からも後ろからも見てみるきっかけに ◎はじめに 「自分の身体や心や頭脳」をめぐる倫理問題を、のびのびと自由な発想で考えることが出来る「場」としての書。 ・生命倫理学とは… 人間の生命や先端医療技術に関する倫理問題を扱う ・からだやあたまを改造するエンハンスメント 「からだ」や「あたま」を科学の力で「改造」してよいのか ※治療を超えた医療的介入 ・技術の二重性 ・進化か堕落か ・人間にとって、人生にとって、大切なものとは何か 1:美容整形は「私の自由」? 「整形エンハンスメント」 ・美容整形は「親に悪い」? ・自分らしく生きてはいけない? ・整形は「私の自由」? 自由主義社会の倫理 「①判断能力のある大人なら、②自分の生命、身体、財産などあらゆる〈自分のもの〉に関して、③他人に危害を及ぼさない限り、④たとえその決定が当人にとって不利益なことでも、⑤自己決定の権限を持つ」 ・美容整形は本当に「個人の自由」として完結する行為なのか。 美容整形をうけない自由に影響を与えていないか ・「美しさ」の基準 ・「美しさ」=「幸せ」ではない ありのままの自分を愛し、受け入れることについて 広告主のメッセージの刷り込みではないか →「他者による支配」 判断能力の判定(コンピテンス評価) 2:ドーピングはなぜいけないのか? 安全性・公平性・主体性から考える 「スポーツの場面におけるエンハンスメント」 ・なぜドーピングは批判されるのか スポーツを危害原理で禁止する ・ドーピングは「個人の自由」や自己決定の問題とみなせるか →個人の自由ではなくルールの問題 個人の趣味で行うなら問題ない ・なぜスポーツのルールでは「ドーピングはいけない」とされているのか 薬物を使用したエンハンスメントだけが、ルール違反となる →安全性:身体に悪い ←薬物だけが危険なわけではない 安全な薬ならいい? →公平性:ズルい ←あらゆる不公平ををルールで禁止すべきだという前提はない →主体性:薬物勝利の価値 ←自由や主体性や自尊心を失う スポーツではなく薬物の祭典になる ←厚底シューズや高速水着は? 3:スマートドラッグで「私」でなくなる? 「認知能力増強エンハンスメント」 ・スマートドラッグ「頭のよくなる薬」とは ・脳の改造で人間性が脅かされる? →安全性:副作用、依存症の懸念 →公平性:ドラッグを使用しての受験はズルい →人間性:努力の価値と達成感。自己同一性が脅かされないか ※経験や学習でも私たちは別人になれる ←なぜスマートドラッグの変化は批判されるのか 4:スマートドラッグは、人間を幸せにしてくれるのか? 「薬物による「効率化」は人類を幸福にするか」 →スマートドラッグの使用の規制は「個人の自由」の侵害になる ←社会全体の自由を脅かす可能性 →スマートドラッグが夢を叶えてくれる ←「人間性」が置き去りにされる危険性 →「効率的」に勉強することで、人生が有意義になり、社会にも有益になれる ←「頭の良さ」の道具的価値 ←学力における能力の低い人がより恩恵を受ける。平等性の実現? ←新たな不公平が生まれる ←個人の自由な選択が、社会全体の自由を脅かす ←新しい技術にアクセスしやすいのは誰か ※生きづらさを感じているみなさんへ 「私の自由」は、本当に自由なのか 現代を生きる人の「生きづらさ」 「他者の声」ではなく「自分の声」に耳を傾けて欲しい ◎おわりに 倫理学は「知る」ことより、「考える」こが求められている。
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体外受精で生まれた子供は14人にひとり。 エンハンスメント=強化は、生命倫理学の新しいテーマ。 治療技術がエンハンストメントに使われる。 美容整形は自由か。 親に遠慮しなければいけないか。整形は私の自由か。 自由主義社会の倫理では、①判断能力がある大人で、②自分の生命身体財産など自分のことに関して、③他人に危害を及ぼさない限り、④たとえ当人に不利益なことでも、⑤自己決定の権限を持つ。 美容整形を受けない自由にも影響を与えないか=他者による支配が作用しないか。 心のトラウマは美容整形をしても治らないのではないか。 歯列矯正をさせない親はひどい親と思われないか。 ドーピングはなぜいけないのか。 ツールドフランスのランスアームストロングのスキャンダル(疑惑のチャンピオン)。 自己決定権に制限を加えることができるのは、危害原理のみである=自由主義 麻薬は法律で禁止されているが、ドーピングは法規制はない。個人で趣味で使うぶんには問題にならない。=ドーピングがいけないのは、ルールで決められているから。 レーシックは許されているのは、ルールだから。 棒高跳びは、木の棒から竹、グラスファイバーに道具が進歩し、そのたびに記録が飛躍的に伸びた。 なぜ薬物だけが禁止されるのか。 ①体に悪い(安全性)旧東ドイツの例。薬物以外でもラグビーや相撲の選手のように食事を大量にとって太るのは、どうだろうか。ボディービルダーのプロテインはどうか。安全な薬があればいいだろうか。 ②ずるい(公平性)スポーツはお金がかかることでそもそも不公平ではないか。あらゆる不公平を是正するものではない。 ③薬物を使うと勝利に価値がなくなる、観客の感動もなく、本人の主体性、自尊心も損なわれる。勝利をつかむプロセスにこそ価値があるのではないか。 厚底シューズや競泳用水着は物理的ドーピングか。 古代オリンピックでは、一糸まとわぬ裸体で競技していた。与えられた才能だけで勝負するべき。 ドーピング可と不可の競技にわけたらどうだろうか。 スマートドラッグは許されるか。(脳ドーピング) ①安全性=副作用、依存症、 ②公平性=ずるい ③人間性=努力の価値がなくなる、薬が効いているときといないときのギャップが自己同一性を脅かされる。どちらの自分が本当の自分か。 認知能力の低下は、人格の喪失につながる。 経験や学習でも、別人化する。 スマートドラッグは、練習や経験による別人化をショートカットするもの、という見方もできる。 人間は生まれながらに能力的には不平等。スマートドラッグはそれを均すことができるのではないか。 教育機会の不均衡、経済格差を招く。新しい薬にアクセスできるのは、富裕層が先。高学歴高収入が固定化する恐れ。
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美容整形、ドーピング、スマートドラッグについての論考。安全性・公平性・主体性がキーワード。個人的にまず気にかかるのは、公平性かな。で、少し踏み込んで考えて、安全性や主体性に考えが及ぶ、って感じ。以下の映画は、併せて観てみたくなったもの。 映画 疑惑のチャンピオン
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生命倫理学。 SF小説をよく読む自分には、非常に興味のある学問。 整形、ドーピング、スマートドラッグ。 内容的には想像よりも軽めの内容。以前読んだ『マンガで学ぶ生命倫理』が重すぎたからか? この分野は、明確な正解がなく、考えること自体が重要という印象を受けた。 とりあえず、『アル...
生命倫理学。 SF小説をよく読む自分には、非常に興味のある学問。 整形、ドーピング、スマートドラッグ。 内容的には想像よりも軽めの内容。以前読んだ『マンガで学ぶ生命倫理』が重すぎたからか? この分野は、明確な正解がなく、考えること自体が重要という印象を受けた。 とりあえず、『アルジャーノンに花束を』は早めに読もうと思う。
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◆はじめに Lesson1 美容整形は「私の自由」? これは私じゃない 美容整形は親に悪い? 自分らしく生きてはいけない? 作られたシンデレラ幻想 みんな同じ顔に見える 整形で幸せになれるのか ありのままの自分を愛せなのか 判断能力の判断 Lesson2 ドーピングはなぜいけない...
◆はじめに Lesson1 美容整形は「私の自由」? これは私じゃない 美容整形は親に悪い? 自分らしく生きてはいけない? 作られたシンデレラ幻想 みんな同じ顔に見える 整形で幸せになれるのか ありのままの自分を愛せなのか 判断能力の判断 Lesson2 ドーピングはなぜいけないのか? 安全性・公平性・主体性から考える スポーツを危害原理で禁止 個人の自由ではなくルールの問題 薬物エンハンスメントはアスリートの主体性を損なう 厚底シューズは物理的ドーピング? Lesson3 スマートドラッグで「私」ではなくなる? Lesson4 スマートドラッグは、人類を幸せにしてくれるのか? 能力クジから遺伝クジへ ◆Private Lesson──生きづらさを感じているみなさんへ ◆おわりに ◆おもな参考文献 ◆次に読んでほしい本
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美容整形、ドーピング、スマートドラッグなどの使用の是非を考えさせる本。 筑摩書房から出ている若い人向けの本、図書館で借りた。 それらを一概に悪いと決めつける趣旨ではなく、「生命倫理」の観点から読者に考えさせるという形をとっている。 特にスマートドラッグというのは私は知らなくて(脳...
美容整形、ドーピング、スマートドラッグなどの使用の是非を考えさせる本。 筑摩書房から出ている若い人向けの本、図書館で借りた。 それらを一概に悪いと決めつける趣旨ではなく、「生命倫理」の観点から読者に考えさせるという形をとっている。 特にスマートドラッグというのは私は知らなくて(脳を活性化して頭が良くなる薬だとのこと)、そんなものが今時はあるのかと、びっくりした。 私自身は美容整形もドーピングもしたくないし、スマートドラッグも飲みたくないけれど、そういった行為を切実に必要としている人もいるだろうと思う。 そういう人には読む価値のある本だと思う。 まぁ、私もスマートドラッグというものを知れて良かった、多分飲むことはないけれど。
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