にほんの詩集 石垣りん詩集 の商品レビュー
石垣りんさんの詩を私は勘違いしていたように思う。 中学生の時に読んだその感覚では感じなかったのか、 それとも中学生用のものを読んだのか、 生活をやさしく溶き卵みたいに書き写してくれる詩人さん、なんて思っていたのが、 生活に押しつぶされないための背骨として詩を強く強く叩いて叩いて書...
石垣りんさんの詩を私は勘違いしていたように思う。 中学生の時に読んだその感覚では感じなかったのか、 それとも中学生用のものを読んだのか、 生活をやさしく溶き卵みたいに書き写してくれる詩人さん、なんて思っていたのが、 生活に押しつぶされないための背骨として詩を強く強く叩いて叩いて書き続けた詩人だったのだと。 言葉の平易、それに付きまとうやられてなるものかという心情の暗さ、の強さ、が本当に胸に、腹に届きました。読んでよかった。
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祖母と同い年の人が書いたという意識で読んだこともあり、当時の社会情勢も感じつつ、著者の強い意志も感じつつで、思い入れが強い本となった。
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石垣りんさん、1920年(大9年)2月21日生まれ、14歳で銀行に就職、40年勤め1975年定年退職。2004年心不全で没。4つの詩集をまとめたもの。「石垣りん詩集」、2022.6発行。「家」半身不随の父が4度目の妻に甘えてくらすこのやりきれない家。「表札」自分の住むところには自分で表札を出すにかぎる。他人がかけてくれる表札はいつもろくなことはない。
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『新年の食卓』 人間が“食べる”という歩調は 昔から変らない。 わずかに平らなテーブルの上に ことしの花を咲かせるために 喜びの羽音を聞くために 杯(さかずき)を上げよう。 では向き合って もう一度おめでとう! … 『三十の抄』 齢三十とあれば くるしみも三十 悲しみも三十 … 『水』 思い出します はじめて水の冷たさを知ったときを。 どんなに教えられても じょうずに泳ぐことのできなかった子は 苦い水をどっさり飲んで年をとりました。 くぐりぬけたさまざまなこと 試験、戦争、飢え、病気 どれひとつ足の立つ深さではなかったのを。 …
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石垣りんさんの戦争の詩の中には“顔”がある 「戦争の記憶が遠ざかるとき、 戦争がまた 私たちに近づく。 そうでなければ良い。」 暮らしや来し方を強く見つめた詩 女性の手が担ってきたもの
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