競歩王 の商品レビュー
「競歩」 決して走ってはいけない人間らしい"歩く"という行為を人間らしいルールで凝り固めた競技 長くつらい道のりをゴールを目指して1人で歩く その中で本当に辛い瞬間があって、応援してくれる人がいて、少しの乱れが自分を苦しめて、やりきってもやりきれない時もあって...
「競歩」 決して走ってはいけない人間らしい"歩く"という行為を人間らしいルールで凝り固めた競技 長くつらい道のりをゴールを目指して1人で歩く その中で本当に辛い瞬間があって、応援してくれる人がいて、少しの乱れが自分を苦しめて、やりきってもやりきれない時もあって、それでもゴールテープを切る爽快感は何事にも変え難い 本当にまるで人生みたいな競技だ そんな競技に結果がふるわずとも真剣に打ち込む八千代と挫折を知った主人公の出会い お互いの中に負け続ける自分を見てお互いのできることをぶつけ合うことで進んでいく 劇的なことは起きない この小説はまさに主人公の書いている上手に夢を見れない人への小説だと思った わたしもわたしを諦めたくない なんだか無性に歩きたくなった
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2024/03/17 競歩という競技を題材にした小説なんですが、ただの競歩小説じゃなかったのがこの小説の面白いところだと思います。 高校生天才作家と持て囃されて、ライバル作家の存在によって創作活動に行き詰まっていた大学生作家の榛名忍、また、彼と同じ大学に所属している八千代篤彦は箱...
2024/03/17 競歩という競技を題材にした小説なんですが、ただの競歩小説じゃなかったのがこの小説の面白いところだと思います。 高校生天才作家と持て囃されて、ライバル作家の存在によって創作活動に行き詰まっていた大学生作家の榛名忍、また、彼と同じ大学に所属している八千代篤彦は箱根駅伝を諦めて孤独に競歩という競技に挑む選手。彼らを引き合わせる新聞部の福本愛梨と彼らの周りの人達がだんだん競歩という競技にそれぞれの形で絡んでいく話(?) 競歩に対して知識のない人でもとても読みやすくなってるし、読者目線の競歩初心者にも自然と解説が組み込まれていて競歩について知りながらその競技の醍醐味を味わうことができる構成になっていると思います。 最初は榛名も八千代も仲が悪いのですが、競歩という競技が段々と彼らを引き合わせていく過程で、それぞれのライバル事情だったり、諦めようとする挫ける気持ちだったりと言った葛藤が二重、三重にもなって描写されているので読んでて先が気になると同時に、あー自分もこれに似たような経験あるなと心のどこかで感じることができるような追体験をできる小説じゃないかなと思います。
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こちらもまたフォローしている方のレビューを読んでのチョイス。 天才高校生作家という触れ込みでデビューしながら既に行き詰まった大学生小説家が、担当編集者から勧められるままなりゆきで競歩の小説を書くことになり、同じ大学の陸上部の練習を見に行くと、そこには箱根駅伝を走るという夢破れ転向...
こちらもまたフォローしている方のレビューを読んでのチョイス。 天才高校生作家という触れ込みでデビューしながら既に行き詰まった大学生小説家が、担当編集者から勧められるままなりゆきで競歩の小説を書くことになり、同じ大学の陸上部の練習を見に行くと、そこには箱根駅伝を走るという夢破れ転向した競技で東京五輪を目指す、ただ一人の競歩選手が黙々と歩いていた、という出だし。 五輪や世界陸上で競歩の中継があると必ず観ており、ルールも概ね頭に入っているが、他の種目からの『転向ありきのスポーツ』だとか「人に見られること」が重要なスポーツなのに一人で練習するしかない選手が多く、だから、『所属とか関係なく集まって合宿して、みんなで強くならないと駄目』だというようなことは知らなかった。 競歩の選手たちのゴールした後の勝者を祝福したり互いに称え合ったりする姿には他の競技以上に相手に対するリスペクトや親しみが溢れるところがあるように見受けていたが、そこにはそういったことが根底にあるかもしれないな。 小説家の書けない苦しみや痛み、ウォーカーの競技に対する屈託や伸びない記録に対する焦燥感などがシンクロして描かれ、それぞれがもがいた上に紡ぎ出す一文と踏み出す一歩の臨場感がなかなかに良い。 競歩の面白さも存分に描かれ、終盤の輪島の50kmレースの展開はベタではあるがウルッとさせられた。 この本を読んでいた時、今年も日本選手権の35kmは4月に輪島で行われることになっていて、無事開催されるのだろうかと思っていたが、1月30日に中止が発表された。止むを得ないのでしょうね。 被災地の方々が1日でも早く平穏な生活に戻られることをお祈りしています。
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元天才高校生作家で現在絶賛スランプ中の忍と、箱根駅伝を諦めて競歩に転向した八千代。 全く別の道ながら、同じような苦悩を抱える2人の出会い。 落ち込んでいるときや、絶望しているときって、どうしても自分が世の中で一番のどん底にいると思えて、他人が輝いて見えてしまう。 小説家のことは全...
元天才高校生作家で現在絶賛スランプ中の忍と、箱根駅伝を諦めて競歩に転向した八千代。 全く別の道ながら、同じような苦悩を抱える2人の出会い。 落ち込んでいるときや、絶望しているときって、どうしても自分が世の中で一番のどん底にいると思えて、他人が輝いて見えてしまう。 小説家のことは全く分からないわたしだけど、売れてる作家も売れない作家も、賞を取ったら取ったなりの、それぞれに多様な地獄があると読んで、それは世の中全ての人に当てはまると思った。 最も人間らしい”歩く”という行為が、ルールでガチガチに縛られた競技。確かに(笑)
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天才高校生作家とかつて呼ばれた榛名 箱根駅伝を諦めて競歩の道に進んだ八千代 今に苦悩する2人が「歩む」先は栄光か挫折の続きなのか 単にスポーツ小説とは言えない感じが、この物語の深さでした だって、主人公は小説家だから 今は書けない小説家だから 立場は違えど、壁にぶち当たってい...
天才高校生作家とかつて呼ばれた榛名 箱根駅伝を諦めて競歩の道に進んだ八千代 今に苦悩する2人が「歩む」先は栄光か挫折の続きなのか 単にスポーツ小説とは言えない感じが、この物語の深さでした だって、主人公は小説家だから 今は書けない小説家だから 立場は違えど、壁にぶち当たっている2人だからこそ語れる言葉が心地良い 強引に涙を誘う展開ではなく、恋愛要素も多少のスパイス程度にしてるのも、2人の感情に光を当て続けられた要因かと思う それが私には丁度良かったです とても爽やかな、そして前向きになれた素晴らしい作品でした
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今作も文句なく面白かった。額賀さんのスポーツものって、単にその競技の話だけじゃないところが本当に素晴らしいと毎回思う。今回も鳴り物入りでデビューした若き学生作家と、やむなく駅伝から競歩に転向したあるアスリートの2人の人生が絡み合う形で、非常に面白かったです。知られざる競歩の世界も...
今作も文句なく面白かった。額賀さんのスポーツものって、単にその競技の話だけじゃないところが本当に素晴らしいと毎回思う。今回も鳴り物入りでデビューした若き学生作家と、やむなく駅伝から競歩に転向したあるアスリートの2人の人生が絡み合う形で、非常に面白かったです。知られざる競歩の世界も興味深い!ただ一つ、主人公に絡んでくる新聞部女子のキャラが微妙だったな…主人公との関係の結末も含めて。そこ以外は大満足!でした。
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「タスキメシ 箱根」を読み終えて余韻を抱えたまま、短期間積読になっていたこの本を「えいやっ」と勢いで読み始めました。 只今、絶賛?スランプ中の「天才高校生作家」として華々しくデビューした大学三年生の榛名忍。 走ることが好きで、箱根駅伝に憧れて大学進学をしたものの、競歩に種目...
「タスキメシ 箱根」を読み終えて余韻を抱えたまま、短期間積読になっていたこの本を「えいやっ」と勢いで読み始めました。 只今、絶賛?スランプ中の「天才高校生作家」として華々しくデビューした大学三年生の榛名忍。 走ることが好きで、箱根駅伝に憧れて大学進学をしたものの、競歩に種目転向した陸上部二年生の八千代篤彦。 物語は2016年〜2019年春、そして、東京オリンピックまで続きます。 「競歩」 言葉は知っていても競技そのものを見たのは、何年か前のオリンピックだったと思う。 そんな感じなので、もちろんルールについては知らないけれど、しっかりと学ぶことが出来ました。 ひょんなことから競歩について小説を書くことになった榛名忍。そこで、自身が在籍する大学の陸上部に見学に行き知り合った八千代篤彦との交流の中で自分というものを探し見つめなおしていく。 物語後半の忍の小説を産み出す様は、こちらも何だか苦しくなって、とても辛かった。 また、ラスト近くの世界陸上出場をかけての試合の様子も素晴しく、やっぱり泣いてしまいました。 「よかった~」の一言です。 青春ものは良いですね。読了後はスッキリ爽やかです。 次は「タスキメシ 五輪」でしょうか。 実は、今作と「タスキメシ箱根」の大学がリンクしているんですよね~。もしかしたら、「タスキメシ 五輪」に今作と関わりのある事が書かれているかも、と少し楽しみにしています。
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縛られたルールと長い距離、もがき苦しみながらも一歩一歩前へ。小説家と競歩選手とは…素晴らしい組み合わせ。
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競歩を知らなくてもすんなり楽しめる一冊。 誰でもスランプに陥ったりくすぶってしまうことってあって。そんなとき一所懸命な人が眩しく見えたり、別世界の人におもえたり。 でもそんなことないよ、何者かにならずともあなたは唯一無二の人間だし、まずは自分にできることを始めてみよう。きっと自...
競歩を知らなくてもすんなり楽しめる一冊。 誰でもスランプに陥ったりくすぶってしまうことってあって。そんなとき一所懸命な人が眩しく見えたり、別世界の人におもえたり。 でもそんなことないよ、何者かにならずともあなたは唯一無二の人間だし、まずは自分にできることを始めてみよう。きっと自分だけの景色が見えるはずだから。 って背中を押されたような気になれるお話だと思います。 忍と八千代の友情関係好きです。
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競歩というマイナーで転向が多いスポーツで、諦めたこと諦めきれなかったことをまっすぐ受け止めて成長していく青春小説
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