アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した の商品レビュー
邦題があまりにクソ過ぎない? 内容としては「貧困の経済学」をもっと身近に感じられるよう、先進国の貧困層にスポットを当てて書いている形。横田増生「仁義なき宅配」のイギリス版といったところか。しかし読むだけでも地獄のような職場の連続でよく精神が保てたものだとちょっと感心する(コールセ...
邦題があまりにクソ過ぎない? 内容としては「貧困の経済学」をもっと身近に感じられるよう、先進国の貧困層にスポットを当てて書いている形。横田増生「仁義なき宅配」のイギリス版といったところか。しかし読むだけでも地獄のような職場の連続でよく精神が保てたものだとちょっと感心する(コールセンターは明らかに楽だったみたいだが)。 こういう労働環境に問題意識は持ちつつも、結局何かしらのサービスを使わずにはいられないし、自身の人生選択ではなるべくこういう道は避けようという感情が多分に働くのも事実。良心と偽善の狭間で何を思うかは読者の社会階層次第とも言え、中々に評価が難しい。こういう世界があると知れるだけでも良しとすべきかもしれない。 しかしこれだけは声を大にして言いたい。このひど過ぎる邦題どうにかならなかったの?
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2024年9月14日読了。イギリスの元鉱山街などに建てられたアマゾンの倉庫やコールセンター、介護職やウーバーのドライバーなどの「ギグワーカー」を自ら体験したライターによるルポ。アマゾンやウーバーのような「テクノロジーにより課題を解決し自らの収益を拡大・顧客価値を最大化する」巨大I...
2024年9月14日読了。イギリスの元鉱山街などに建てられたアマゾンの倉庫やコールセンター、介護職やウーバーのドライバーなどの「ギグワーカー」を自ら体験したライターによるルポ。アマゾンやウーバーのような「テクノロジーにより課題を解決し自らの収益を拡大・顧客価値を最大化する」巨大IT企業のビジネスが格差社会と結びついた果てが、古くからの住民が移民労働者を敵視し、移民労働者は「ゼロ時間契約」による不安定な生活・搾取される賃金に甘んじて日々生きるのに精いっぱい、というこの世界なのか…しかもこれは「果て」ではなく現在も進行中・世界の格差は広がり続けており自分もGAFAのサービス利用によりこの現象に加担している、と考えると恐ろしすぎる…EUがいかに規制を激しくしようとも、資本主義のルールにのっとり戦っている企業らや現実を変えられるとは思えない。少数の資本家が生き残り低賃金の労働者は絶滅し機械に置き換えられる、未来はそんな姿しかありえないのかもしれない。
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潜入ルポ。 イギリスの話しとはいえ、読むのがしんどくなるほどの劣悪な労働者環境と格差社会。 移民問題など、なぜEU離脱の流れになっていったのかもなんとなく理解できる。
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世界的企業での潜入ルポ。 内容としては、徹底したコスト管理の上で、世間的弱者にあたる移民をゼロ時間契約で搾取するなど、差し詰め現代版の奴隷のような図式にも捉えられる内容が赤裸々に語られていた。 そして本著は「人生とは、必然的にどちらか一方が他方の上に立とうとする、拮抗する力のあ...
世界的企業での潜入ルポ。 内容としては、徹底したコスト管理の上で、世間的弱者にあたる移民をゼロ時間契約で搾取するなど、差し詰め現代版の奴隷のような図式にも捉えられる内容が赤裸々に語られていた。 そして本著は「人生とは、必然的にどちらか一方が他方の上に立とうとする、拮抗する力のあいだのせめぎ合いなのだ」と、締めくくられた。 最後のこのフレーズ、なんかすごい考えさせられるなー。 確かに、人生って常に選択の繰り返しだよね。だけど出来れば第三者の思惑の中で上下の優位を決めるような選択ではなく、一個人の想いの中で並列に選択できる環境でありたいよねって、自問自答してみる。
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イギリス国内の話だったが、日本でも同様に格差が広がっていると思う。 イギリスほど移民が多くは無いが、この本に登場するポーランド人のような、ベトナム人等の外国人と、日本人の中でも悲惨な状況での労働が放置されていると思った。
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介護士の時間かつかつすぎて、利用者に「〜ないですよね?」って不可疑問文で聞いちゃう下りが辛すぎるが、普通にあるあるなんだと思う。
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現代の貧困や分断についての、潜入ルポ。今の世界の主要産業を牛耳るビジネスは、不運や偶然のせいで、その仕事しか選べない人々を「搾取」することでなりたっていることを、読者と臨場感を共有することで明らかにしようとする、伝統的な手法。
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