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臨床の砦 の商品レビュー

4.1

45件のお客様レビュー

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2022/07/11

私事ながら、 今年始め、数年ぶりに熱を出した。 幸いにして、コロナ感染ではなかったが 発熱していたら、診てもらえない病院もあるなかで 自分を受け入れ、診察、治療してくださった 医療関係者の方々には、感謝しかない。 医師は、お礼を述べた自分に 飄々と「これが仕事ですから」とおっしゃ...

私事ながら、 今年始め、数年ぶりに熱を出した。 幸いにして、コロナ感染ではなかったが 発熱していたら、診てもらえない病院もあるなかで 自分を受け入れ、診察、治療してくださった 医療関係者の方々には、感謝しかない。 医師は、お礼を述べた自分に 飄々と「これが仕事ですから」とおっしゃった。 世界で初めての未知の感染症、コロナ。 コロナに感染し苦しむ患者。 手探りで治療するしかない医療関係者。 まるで戦争の最前線のようだ。 そこに 誹謗、中傷が生まれることが悲しい。

Posted byブクログ

2022/07/02

神様のカルテと重なる印象が多いが、ノンフィクションのように訴えてくるものがあった。まだコロナは完全に終わってはいないが、医療現場では正解ではないかもしれないが最善の道がとられていたのであろう。現場で働く人への感謝を改めて感じた。

Posted byブクログ

2022/07/01

 本書は、小説の形式を取っていますが、現役の内科医である著者が実際に目にし、経験した事実に基づいたノンフィクションの側面を持っています。  コロナ国内初感染から3年目に入り、今でこそワクチンや治療等のシステムが構築されてきていますが、本書には、感染拡大第3波(2021.1〜)の1...

 本書は、小説の形式を取っていますが、現役の内科医である著者が実際に目にし、経験した事実に基づいたノンフィクションの側面を持っています。  コロナ国内初感染から3年目に入り、今でこそワクチンや治療等のシステムが構築されてきていますが、本書には、感染拡大第3波(2021.1〜)の1ヶ月の濃密な記録があります。  新型コロナウイルスに翻弄される医師・看護師たちの、焦燥・不安・奮闘と疲弊…、臨床現場が如何に過酷だったのかが伝わってきます。正解は分からないけれども、最善の対応策を講じようとする医療従事者の皆さんには、敬意と感謝しかありません。  その裏で、人間の愚かな一面にも改めて考えさせられます。ウイルスによる病気そのものである「生物学的感染症」はやむを得ないにせよ、不安や恐怖を引き起こす「心理的感染症」、差別・偏見による誹謗中傷が引き起こす「社会的感染症」も副次的に恐ろしいと心底思い知らされます。  それでも、悲惨と絶望から得た教訓や改善策が、次の困難への希望につながるのだなと教えられた気がします。

Posted byブクログ

2022/06/29

作者の夏川さんが、現役の医師ということで、事実に近い小説なのだろう…と読んでいましたが、あとがきを読み、経験したことを書いた、とのこと。 改めて、コロナ禍での医療従事者の過酷さを知りました。 「来るべき次のパンデミックに備え、具体的な改善策を立てること」 コロナは完全に終息し...

作者の夏川さんが、現役の医師ということで、事実に近い小説なのだろう…と読んでいましたが、あとがきを読み、経験したことを書いた、とのこと。 改めて、コロナ禍での医療従事者の過酷さを知りました。 「来るべき次のパンデミックに備え、具体的な改善策を立てること」 コロナは完全に終息したわけではないですが、 まさにその為に、一般人にもわかりやすく書かれている本書は、必読書と言えるのではないでしょうか。

Posted byブクログ

2022/06/14

壮絶。その一言に尽きる。 2022年も6月になり、コロナは今だ危険な病であるが、2020年から2021年にかけての頃の様な徒手空拳で戦わなければならない病ではなくなってきている。かてて加えて、ワクチン接種の効果は大きいだろう。これにより、感染者の発生そのものが大きく抑えられ(と...

壮絶。その一言に尽きる。 2022年も6月になり、コロナは今だ危険な病であるが、2020年から2021年にかけての頃の様な徒手空拳で戦わなければならない病ではなくなってきている。かてて加えて、ワクチン接種の効果は大きいだろう。これにより、感染者の発生そのものが大きく抑えられ(とはいえ、感染力の大きいオミクロン株の感染が拡大したが)、重症者の発生割合も下がり、かつての様に世の中は騒がなくなってきている。 まだ感染者が少なくないが、世の中が2020年の様な殺伐とした雰囲気でなくなってきたのは、ひとえに、コロナと闘った医師・看護師、ワクチン開発に挑んだ科学者、それらの人々の努力と献身のたまものである。感謝に尽きない。 本書は、治療薬候補は出てきたが、ワクチンがまだ広がる前の頃の1地方病院のコロナとの壮絶な闘いを描いた作品である。小説なのでもちろんフィクションではあるが、実際には著者の経験に基づいて描かれている。 本書を読んでいて、最後の方になり、なぜだか不意に泣けてきた。そんな静かに心に訴えかける書である。

Posted byブクログ