MOMOYO'S MAGIC BOOK 龍と宇宙とつながる7つの新魔法 の商品レビュー
著者が能力者とは思えませんでした。 だが、経営者としては有能なのは間違いない。 とくに教祖的ポジションを確立する手腕に長けています。 まず本書では自分の権威付けをしっかりとやってのけてます。 エネルギーが突然、自分に入り込んで来たストーリーを語り、自分は「宇宙から選ばれしもので...
著者が能力者とは思えませんでした。 だが、経営者としては有能なのは間違いない。 とくに教祖的ポジションを確立する手腕に長けています。 まず本書では自分の権威付けをしっかりとやってのけてます。 エネルギーが突然、自分に入り込んで来たストーリーを語り、自分は「宇宙から選ばれしものである」ということを読者に印象付けます。 そして、自分が話している高次元存在というものに根拠を与えるために、 「私に話しかけているのはサナトクマラです」と出典を明確にして読者の安心を買う。 どこの馬の骨か分からない高次元存在では、読者やクライアントを増やすのに不安があったのでしょう。いまはみんなアシュタールだのバシャールだの、ハッキリ言いますもんね。 それから、幼少から龍と話が出来ていたというストーリーも絡めて、 龍とも話ができて、しかもいつも龍が自分の側で見守っているという、信者なら涙を流して読むであろう、選ばれし能力者であることを印象付ける物語が序盤で語られます。 さらにこの著者は時世を逃すことはしません。魔法というキーワードがチラホラとスピリチュアル界に浸透してくれば、すぐに自分も「秘伝の魔法を教える」という内容で本を出して(つまり、本書です)スピリチュアル界に名を知らしめるという辣腕さ。ほんとに有能ですね。 しかし、MOMOYO様を信じたい人たちは、 この本からにじみ出る著者の人間性について注目した方がいいかも知れません。 まず、著者のセミナーに来たとあるビジネスマンに対する扱い。そのビジネスマンは真剣に「15億円を手に入れる必要がある」と思って藁をもすがる気持ちでセミナーに来たかも知れないのに、MOMOYO氏はこのビジネスマンを俎上にあげて「3次元でお金を求めると目覚めから遠ざかる云々」と、このビジネスマンを反面教師扱いで書いています。 それから、MOMOYO氏の友人の一人に対する扱いも、ちょっと疑問を感じます。 とある理系職の友人の質問に対して、MOMOYO氏がスピリチュアルな返答をしたら友人が理解できずそこで会話が終わってしまう、でも別の”波動の高い”理系職の友人はスピリチュアルな返答を理解できると書いてます。 MOMOYO氏に近しい人たちならば、ここで書かれた「いつも会話の続かない波動の低い友人」が誰か分かるでしょうし、書かれた本人はこういう書き方をされて気分を害するかも知れませんね。 本書のこれらの文面を読んで分かったのは、MOMOYO氏は思いやりに欠けた人間である、ということ。 思いやりに欠けた人間に、ヒーラーとしての能力はあるんでしょうかね? あと、ハートに意識を持って行くエクササイズなんかドランヴァロ氏の模倣に過ぎないと思いました。ハートの空間、という概念あたりはドランヴァロ氏の方がもっと高度なので、 中途半端にMOMOYO氏のやり方でやらない方がいいと思いましたね。 ドランヴァロ氏はハートに意識を持って行く過程において、注意点や不測の事態のことに関して事細かに書いてましたが、この本にはそんなものはありません。 しょせんは模倣なんで、そこまで追求できなかったのは当然かも知れません。 本書を読んでの感想としては、スピリチュアル界に蔓延るエセヒーラーの一人、そんな印象しか持てませんでしたね。 エセなだけに、あの手この手で色んなものを取り入れて節操の無いヒーラーです。 ・エネルギー ・スピリット ・サマナクトラ ・龍 ・魔法 ・ハートの空間 ・インナーチャイルド なんでもござれ、使えるものならなんでも使う。これこそエセのエセたる所以。 大学で心理学などを学んで心理学者としてやってきた経験すらないのに、いきなりインナーチャイルドを持ち出してその療法を語ってしまう粗忽さ。 本書を読む価値はゼロと言わざるを得ない。
Posted by
- 1