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本が語ること、語らせること の商品レビュー

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15件のお客様レビュー

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2024/03/27

誠実な言葉がじんわり心をあたためる。みんなの頭の中にある「図書館ってこういう(良い)ところだよなあ」という場所を実現し、守ってらっしゃるのだなあと思った。ぜひ一度訪れてみたい。

Posted byブクログ

2023/07/01

素敵な詩集のような本だった。 と言っても詩が書かれているわけではない。挿絵や文章の雰囲気。築約70年の平家に開かれたルチャ・リブロという私設図書館。縁側から入り、書架の森を分け入った奥に位置する司書席。それはどっしりした木造りの机で、設計士の祖父がこしらえた古いもの。机越しに向...

素敵な詩集のような本だった。 と言っても詩が書かれているわけではない。挿絵や文章の雰囲気。築約70年の平家に開かれたルチャ・リブロという私設図書館。縁側から入り、書架の森を分け入った奥に位置する司書席。それはどっしりした木造りの机で、設計士の祖父がこしらえた古いもの。机越しに向かい合い、お茶を飲みながらの来館者との会話。 読書を通じて人と人が交感する場。夢中で本を読む閲覧者の誰か。窓から差し込む日の光、本の手触りや紙の匂い。仮想の居場所ではない具体的な装置としてのルチャ・リブロという場所。 この実感、ぬくもりとして体感できる具体性こそ、デジタルには無いもの。恍惚感に浸る至福の時間ではないだろうか。ルチャ・リブロにはそれがある。世の中には、それに類する場所がある。人間は、自らそれを作り出すことができる。文章や行間から観念をイメージ化する力を身につけた読書家たちでさえ、肌に伝わる空気感は捨てがたい。よくわかる。

Posted byブクログ

2023/04/09

奈良県東吉野村の古民家で「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」を営む夫婦のエッセイ。人と接するのが苦手な著者が自らの本棚を開放して気づいたこと。本を間に挟むことでしか生まれないものがある。私も同じ。本を共有することで根本のところでぐっと近くなれるものがある。本を間に挟んだことで続いて...

奈良県東吉野村の古民家で「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」を営む夫婦のエッセイ。人と接するのが苦手な著者が自らの本棚を開放して気づいたこと。本を間に挟むことでしか生まれないものがある。私も同じ。本を共有することで根本のところでぐっと近くなれるものがある。本を間に挟んだことで続いている関係がある。そうか。私が求めるのもそういう居場所なんだな。

Posted byブクログ

2023/01/21

『ルチャ・リブロ』、可愛い名前。 スペインに「自由な戦い」を意味するルチャ・リブレという言葉があるそうですが、そこから来てるのでしょうか? 本を通して誰かと通じたり意気投合したりって、思えば全く経験無いなあ。 図書館通いなんかも良いなと凄く思うのですが、どうしても買って家で読む...

『ルチャ・リブロ』、可愛い名前。 スペインに「自由な戦い」を意味するルチャ・リブレという言葉があるそうですが、そこから来てるのでしょうか? 本を通して誰かと通じたり意気投合したりって、思えば全く経験無いなあ。 図書館通いなんかも良いなと凄く思うのですが、どうしても買って家で読む事がほとんどなんですよね。 ただ人から薦められた本を読むのは凄く好きです。 本書に登場してくる本たちも全て読みたいです。

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2022/11/12

奈良の山奥の私設図書館。 お悩み相談に選ぶ本が、ただ沢山読んでいるだけではない、血肉になっているのがわかるごりごりしたセレクトで羨ましい。自分は読書の量も少ないし遅いし、読み終わっても反射のように「面白かった!すごかった!」と思うそばからもうするすると抜けていって、反省する…。 ...

奈良の山奥の私設図書館。 お悩み相談に選ぶ本が、ただ沢山読んでいるだけではない、血肉になっているのがわかるごりごりしたセレクトで羨ましい。自分は読書の量も少ないし遅いし、読み終わっても反射のように「面白かった!すごかった!」と思うそばからもうするすると抜けていって、反省する…。 本を通して他者と、世界と関わることの幸せさよ。

Posted byブクログ

2022/08/27

奈良県の東吉野村というところで私設図書館を開いている著者のエッセイ。図書館を利用する人の悩みに合った本を紹介していたり、図書館というものについての考察があったり、コロナ禍の今こそ、その存在がすばらしい。 紹介する本に沢山の付箋が付いている写真が、とても良い。

Posted byブクログ

2022/08/25

地に足がついた取り組みと、静かな語り口に惹かれてすぐ読み終わってしまった。彼岸の図書館では毎日何かが生まれてるんだな。もう少し纏まった文章で書かれているのも読んでみたい!

Posted byブクログ

2022/08/25

ケアを感情論でなく、図書館という仕組みを通じて行いたい、という記述に、深くうなづいてしまった。ほんと、「愛が足りない」とか感情論で片付けるやり方は全然良いとも思わないし、そういう考え方では持続しないだろうと思う。 また、著者が最初に丁寧に説明していたとおり、悩みに対して解決を提示...

ケアを感情論でなく、図書館という仕組みを通じて行いたい、という記述に、深くうなづいてしまった。ほんと、「愛が足りない」とか感情論で片付けるやり方は全然良いとも思わないし、そういう考え方では持続しないだろうと思う。 また、著者が最初に丁寧に説明していたとおり、悩みに対して解決を提示するわけでは無いところがこの本のミソだ。こそこそ、ネガティブ・ケイパビリティだと感じた。

Posted byブクログ

2022/08/14

少しハードルを上げすぎて読んだかもしれない。 山村に私設図書館を作ること。周りのスピードや価値観に合わせないで手作りのアジールを作ること。それを発信すること。 全て賛同するし、実際に作り上げた実行力すごいと思う。 最後の佐藤優と内田樹の本に救われた話はいい話だった。自己開示もし...

少しハードルを上げすぎて読んだかもしれない。 山村に私設図書館を作ること。周りのスピードや価値観に合わせないで手作りのアジールを作ること。それを発信すること。 全て賛同するし、実際に作り上げた実行力すごいと思う。 最後の佐藤優と内田樹の本に救われた話はいい話だった。自己開示もしててそこらへんも好感持てる。 でも、読後感はあまりよくない。 悩み相談がしっくりこなかったからだ。 人生相談って難しいんだなと今回この本を読んで思った。どれだけ必死になれるか、なんだなと。あるいは、距離を取ったとしても、その人の人生の真っ芯を射なければいけないのだなと。 その点伊藤比呂美の人生相談大好きだ。捨て身の相談者と絶対になんとかしてあげようという相談された側の愛がものスゴいから。 この本の青木夫妻の悩み相談の回答は、何処かすかしてて、少し上から目線に思えてしまう。 私はこの夫妻に相談はしたくないなと思ってしまった。 特に真兵さんのアドバイスは、私はいらない。そうじゃない、と思った。 それから、本に付箋をつけまま本が行き来するのを良しとする感覚も、正直、私には合わないかな。 ここの本は借りたくないなと思ってしまった。青木夫妻の付箋を意識しながら読む本。うーん。 うーん。 うーん。 せっかく誰にもとやかく言われないアジールとしての私設図書館作ったのに。 まとわりつくような人間社会から一歩離れたのに…。 ちょっと期待しすぎたかもしれない。

Posted byブクログ

2022/08/06

「図書館に住んでみたいとずっと思っています。」を自分のプロフィール欄に書いていた自分にとっては、本当に図書館に住んでいる人がいるんだ!というのが驚き。それが奈良の山奥の清流の脇にひっそりとある、ポツンと一軒家みたいな、しかも猫が館長の私設図書館という存在であることも揺さぶられまし...

「図書館に住んでみたいとずっと思っています。」を自分のプロフィール欄に書いていた自分にとっては、本当に図書館に住んでいる人がいるんだ!というのが驚き。それが奈良の山奥の清流の脇にひっそりとある、ポツンと一軒家みたいな、しかも猫が館長の私設図書館という存在であることも揺さぶられました。私有空間なんだけど、公的なコミュニティという在り方はこの図書館の魅力の源泉なのだと思います。手の届く「公」をつくる、という意識、そしてその実践、それをマナジリ決してやっているわけでないことに心打たれました。「本屋」ではなく「図書館」ってことの意味も大きいです。そして「司書席での対話」で悩める人に紹介される本についても本というものの力を再発見した気持ちになってうれしくなりました。この悩みにこの本持ってくる?というような驚きと悩みを解決するのではなく悩みへの向き合い方のヒントをくれる深さと、それぞれの本がキラキラして見えました。本は読むものだけど、語るものだと改めて。レファレンスってすごい行為なのですね。この本、一瞬で読み終えることできますが、自分にとっての「窓」になりました。それも「小さな窓」じゃなくて「大きな窓」です。

Posted byブクログ