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教室マルトリートメント の商品レビュー

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25件のお客様レビュー

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2024/08/02

マルトリートメント:不適切なかかわり・養育 “教室"マルトリートメント:教室で行われる子どもの心を傷つけるような不適切な指導を示す造語 「教室マルトリートメント」。本書のタイトルであるこの言葉は、筆者である川上康則先生(東京都立矢口特別支援学校)の造語です。教室内で行...

マルトリートメント:不適切なかかわり・養育 “教室"マルトリートメント:教室で行われる子どもの心を傷つけるような不適切な指導を示す造語 「教室マルトリートメント」。本書のタイトルであるこの言葉は、筆者である川上康則先生(東京都立矢口特別支援学校)の造語です。教室内で行われる指導のうち、体罰やハラスメントのような違法行為として認識されたものではないけれども、日常的によく見かけがちで、子どもたちの心を知らず知らずのうちに傷つけているような「適切でない指導」を取り上げています。 例えば、事情を踏まえない頭ごなしの叱責、子どもたちを萎縮させるほどの威圧的・高圧的な指導などは分かりやすい例です。しかし、本書ではもう少し掘り下げて、褒めるべき時に褒めないとか、「子どもにナメられるから」という理由で笑顔を見せないといったことについても、教室内を重い空気感で包んでしまう指導として取り上げたいと思います。 「マルトリートメント」という概念は、海外ではチャイルド・マルトリートメント( child maltreatment )という表現で広く知られています。mal(マル=悪い)+treatment(トリートメント=扱い)で、マルトリートメント。「不適切な養育」「避けたい関わり方」「行われるべきでない指導」などの意味で使われます。 日本の児童虐待防止法で定められた内容(身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待)よりも広い概念で語られ、子どもの将来を案じてよかれと思って行う「しつけ」や、大人が過去に受けてきたからという理由で行われる指導であったとしても、子どもの育ちにマイナスであれば許されていません。マルトリートメントは、子どもの心にトラウマ(心的外傷)をつくるとされ、脳の一部の萎縮や肥大などの変形につながることも、小児神経科医の友田明美氏の研究によって報告されています。 マルトリートメントは、基本的に親子関係の養育において扱われる概念です。 しかし、不適切な関わり方や本来であれば行われるべきでない指導といった視点から見てみると、教育関係者こそ、常に気を付けておくべき概念なのではないか――。本書では、そのような問題意識のもと、密室空間である「教室」で、「指導」の名の下に子どもたちを傷つけるような関わりが、知らず知らずのうちに行われていることがないか、検討していきます。 本書では、違法行為の一歩手前のレベルの「行き過ぎた指導」から、これまでは当たり前に行われていた指導だけれども、改めて考えると子どもの心を傷つける要素をもつ指導まで、幅広く「教室マルトリートメント」として整理していくことを試みます。 そして、教室マルトリートメントに陥らないための予防としての子どもたちとの信頼関係づくりの方法や子ども理解のために知っておきたい発達に関する知識を押さえていきます。さらに、自分が「教室マルトリートメントをしてしまっているかもしれない」という場合に、今すぐに実践したい立て直しから、常に行いたい教師としての自己検証のやり方まで、その改善方法を具体的に提案していきます。 長々と紹介文を引用したが、本書を読むと、いま学校教育が抱えている多くの問題を解決するための視点を、間違いなくもてると思う。

Posted byブクログ

2024/05/31
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さっと通読。 子どもと関わる大人には読んでほしい一冊。 「毒語」は無意識に言ってしまっていないか、ドキッとさせられた。

Posted byブクログ

2024/04/06

教員である以上、マルトリートメントは無くしていかねばならない。しかし、今まで自分はマルトリートメントを行なってしまっていたかもしれない。この本はバイブルとして読み返すとともに、職場にも広めていきたい。

Posted byブクログ

2024/04/06
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※このレビューにはネタバレを含みます

自分は完全にマルトリしていた。 昨年度、子どもたちとすれ違いがあった。自分は学年主任としてはじめての一年。そして体育主任。出張も多く、自分の所属する研究会でも発表があり…かなり自分で自分を追い込んでいた。 そして、過去に自分の授業が規律がないと言われたらことから、自分はかなり強めに指導していた。とくに話をする時。話を聞くということ。聞かせるということ。従わせるという意識。いろんなものが自分を追い詰め、マルトリに陥らせていた。 まず、成功体験を捨てること。そして、こうあるべきを見直すこと。子供はみんな金平糖。尖っている部分を落とすのではなく、余白を伸ばす。そんな指導をしたい。ただ甘くするわけではない。困った時は、本気で思いを伝える。自分のやり方が良くなかったと思ったら謝る。諭す。状況を冷静に把握する。若さで勢いではなく。一歩引いて、客観的に友達に近いけどそうじゃない。自分の軸はぶれないように。 たくさん話そう。たくさんいじろう。たくさんぶつかろう。目を見て、小さなコミュニケーションから。 さて、今年度、自分は安全基地を作れるか?笑顔を絶やさず、愛を持って関われるか?最後の最後に笑って泣けるか? smile is a medicine with no side effects. laughter is the best medicine.

Posted byブクログ

2024/03/12

確かに、ハウツー本じゃなくて在り方の本 学び 信頼関係アップのためにまだ言語化できていない部分をキャッチアップ 職員室の環境が子どもに伝わる 気を配る 教師の成長ステージという意識を持つ

Posted byブクログ

2024/02/08

p.147 「相手を変える」ために行われるものではない p.202 成長ステージを得て身に付けていきたい 教育技術五選 ①待つ ②受け流す ③目をつぶる ④力に頼らない ⑤言葉を選ぶ

Posted byブクログ

2024/01/21
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・マルトリートメントとは 不適切な関わり、本来ならば避けたいかかわり ・子どもに〜させる →教師が常に上、子どもをコントロールできる存在という価値観△ ・子どもは金平糖 マイナス思考 =理想の子ども像–実際の子ども像 プラス思考 =実際の子ども指導-新たな発見 ・認知バイアス →○年生ならできる、できて当たり前など ・うまくいかなかった経験の直後に一緒にその原因を考え直す習慣を作る 結果の原因を考え直す=再帰属 ・未学習…知らないことやまだ身についていないこと →子どもの内面世界の代弁者になれる教師へ 【教師の成長ステージ】 1.信頼関係未形成期 2.知識先行期 3.理念先行期 4.実践準備期 5.実践過度期 6.実践充実期 7.態度変容期 ・子どもたちが求めている授業 参加感と達成感 →効果的なペア学習を ※ペアに学びの開きがあるならクローズドクエスチョンで限定 →ギャラリーウォーク 認められた離席の機会を作り出す ・虎の威を借る言葉=敗北宣言 【教師五訓】 あせるな いばるな うつむくな 笑み、忘れるな おこたるな

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2024/01/20

【背景】 ①なぜ読むか 自身の指導が“マルトリートメント”に該当しているように考えるようになったから ②何を得たいか 自身の指導をふりかえるための一視点を得たい ③読後の目標 マルトリートメントを予防する視点をもち、自身の指導を改善していくことができるようになる 【著者】 川上康...

【背景】 ①なぜ読むか 自身の指導が“マルトリートメント”に該当しているように考えるようになったから ②何を得たいか 自身の指導をふりかえるための一視点を得たい ③読後の目標 マルトリートメントを予防する視点をもち、自身の指導を改善していくことができるようになる 【著者】 川上康則(東京都立矢口特別支援学校主任教諭) 【出版社】 東洋館出版社 【感想】 公立中学校に勤務4年目の私の経験の中にも、マルトリートメント(不適切な関わり)は多くあったように感じた。 特に、「それは、ダメだと言ってあるよね」のような自身の責任を回避するような発言は多かったように思う。 その背景には、一校目で身につけた価値観があった。当時身につけた型は「授業規律を厳格にし、空気感をつくる」ものだった。本書の言葉を借りれば、「風」よりも「圧」を吹かせる指導だったと思う。そして、その型のまま現在の四校目にいたり、どの学校でも「生活指導に定評がある」ポジションを獲得している。 しかし、一方で今年度の部活指導では、そのやり方だけでは上手くいかないことも多くあり、悩んでいたのも事実だ。 ただ、この本を読んでいて「あまい」「ぬるい」と思ってしまう自分がいるのも隠せない。読んでいて「リベラルかぶれ」を感じてしまうのは、メタ的視点に立った時になんとも言えない気持ちになる。 東浩紀の言う「訂正する力」が足りないのかもしれません。 教育現場に立ち、正直なところ一年目から価値ある研修を受けたことがない。このような話は本来全教員が学ぶべき内容だと思う。 もう少し仕事に余裕が生まれて、全ての教員がより良い教育のために研鑽に励める環境が整備されることを願うと同時に、そのために行動にしていきたいと思う。

Posted byブクログ

2023/11/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

学校や教室はある種密室的だ。 学校は入試の時は外部に開かれるが、それも3割程度。その実態は内部に入って初めてわかる。 教室もしかり。30余名を相手に教員は密室での授業を行う。他の教員からはその実態はなかなかわからない。 対個人となればそれはもっと不明瞭だ。 自分の発した言葉、見えているのに見過ごしてしまったもの。数えればきりがない反省は日々山積している。 学校が嫌いな学生だった私にとって教室は戦場、教師は敵だった。 だからこそ学校に不信感を抱く生徒の気持ちはよくわかる。 「こうでなければならない」という固定観念に当てはめずに 個人に対してみれば教師は意固地にならなくてもできる仕事だ。 周りに染まらないこと。ステレオタイプにならないこと。 それが大事なのではないだろうか。 本書より 笑顔 これだいじなり

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2023/10/01

教室マルトリートメントとは? どうしたら居心地のよいクラスができるのかを考える。 ①分からない、ことについて安心して表明できるようにしましょう。 「正直いうとピンと来ていない人?」 「え?あれ?と思っている人」 「もっと考えるヒントが欲しい人?」 「一人では無理だという人」 「...

教室マルトリートメントとは? どうしたら居心地のよいクラスができるのかを考える。 ①分からない、ことについて安心して表明できるようにしましょう。 「正直いうとピンと来ていない人?」 「え?あれ?と思っている人」 「もっと考えるヒントが欲しい人?」 「一人では無理だという人」 「みんな助けて!の人?」 「なんだかすっきりしないなあ、の人?」 「今、指名されたら困るなあって人?」 ☆いろいろ言い方がある。 こういう言い方をもっておくことが大切だと思う。 引き出しは多く。 ②理解の自信度をはっきりと表現してもらうような工夫を行います。 「自信があるという人?自信がないという人?」 「絶対こうだという人?たぶんこうだという人?もしかしたらこうだという人?」 「間違いない、と断言できる人?ちょっと待てよ?の人?」 「100%言い切れる人?50%くらいの人?10パーセントくらいの人?」 ☆これも同じ。 そもそも、教師がわに余裕がないと、 教室を居心地よくなんかできないと思う。 休むこと、人と比べないこと。 職員室を居心地よいものにすること。

Posted byブクログ