ゴリラからの警告 「人間社会、ここがおかしい」 の商品レビュー
ゴリラからの警告 山極寿一 毎日新聞 副題を「人間社会、ここがおかしい」とする 学生を主軸とする京大の気風を継承する数少ない教育者だと自負する筋の通った方のようだ この本を全ての現代人に読んでもらいたいと思う 教育の場についてはほぼ全面的に同感であるが 少々意を唱えさせてもらう...
ゴリラからの警告 山極寿一 毎日新聞 副題を「人間社会、ここがおかしい」とする 学生を主軸とする京大の気風を継承する数少ない教育者だと自負する筋の通った方のようだ この本を全ての現代人に読んでもらいたいと思う 教育の場についてはほぼ全面的に同感であるが 少々意を唱えさせてもらうならば 高校までの教科書や教師について「国家による検定や免状」を必要と言う立場を取られていることについてだ 一人ひとりが個性を持って生まれたその時からそれぞれを尊重するべきだと思うし だとすれば子供であろうとも常に答えのあることだけに閉じ込めてはいけない 最初からこの世に絶対など存在しえないこと教えるべきだろう 誰もが対等な存在として自律を目指してこそ唯物的な競争世界に埋没することなく 切磋琢磨による相乗効果を得る無限なる調和を創造し続けてられるのだと思う
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霊長類の視点(ゴリラやサル)から今の現代社会のあり方や問題を語っている内容である。 今回は自分が特に印象に残ったところを 言いたいです 特に印象に残ったのは「金は今ある可能性や価値を劣化しない貨幣や硬貨にかえて、それを将来に担保する装置」という視点などは貨幣の本質をついている点...
霊長類の視点(ゴリラやサル)から今の現代社会のあり方や問題を語っている内容である。 今回は自分が特に印象に残ったところを 言いたいです 特に印象に残ったのは「金は今ある可能性や価値を劣化しない貨幣や硬貨にかえて、それを将来に担保する装置」という視点などは貨幣の本質をついている点やゴリラにかなくて人間にあるものが高い共感力なども大変興味深いところでした。 さらに学問も自由に発言するべきだというのも大変正しいのはわかるのだが、山極先生は日本学術会議の会長もやられた方なので、昨年起きた学術会議の問題を踏まえて考えるとちょっと説得力にかけるかな… 正直、中学入試として出すのはいいが、学校のがこの本に書かれている教育や学問のあり方などをちゃんと考えているのかは疑問です。
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■ Before(本の選定理由) ゴリラ?動物研究の方の提言だろうか。 群れのルールとか。 ■ 気づき 著者は霊長類学の大家で、元・京大の総長。読み手が勝手に権威を感じるだけかもしれないが、いろんな意味でエビデンス(実体験)に基づいていて説得力がある。 我々はどこから来て、どこ...
■ Before(本の選定理由) ゴリラ?動物研究の方の提言だろうか。 群れのルールとか。 ■ 気づき 著者は霊長類学の大家で、元・京大の総長。読み手が勝手に権威を感じるだけかもしれないが、いろんな意味でエビデンス(実体験)に基づいていて説得力がある。 我々はどこから来て、どこに行くのか。みたいなことを読みながらぼんやり考えた。 ■ Todo 食事は単なる栄養補給では無い。子供たちに安心出来る世界を提供し、信頼の芽を育てる大切な機会なのである。人間こそ、これを大切にしよう。
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チンパンジーとサルが違う事も、チンパンジーがサルを食べる事も知らなかった。 共食をしない現生人類はサル化して行っているという忠告はそうだと思う。まさしく私もそうだ。 そうだと気付いた今、なるべく人と会う機会を増やしご飯もなるべく人と食べるようにしている。 自然と人間を対立関...
チンパンジーとサルが違う事も、チンパンジーがサルを食べる事も知らなかった。 共食をしない現生人類はサル化して行っているという忠告はそうだと思う。まさしく私もそうだ。 そうだと気付いた今、なるべく人と会う機会を増やしご飯もなるべく人と食べるようにしている。 自然と人間を対立関係だと考える西洋人の哲学も限界に来ているのではないだろうか。 今のネット社会は越境を簡単にする。それに伴い、一人で完結させることも可能である。これを個人主義で終わらせることなく、「国がある地域を独占支配する時間が時代は終わったのではなかろうか」という前向きな提案は目から鱗である。 その後、その方法についての具体的な方策が並べられており、作者を応援したい気持ちになったが、今どこまで進んでいるだろう。
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効率化・情報社会化が進んで自分の意見を主張しやすくなり自由な時間も増え便利な時代であるのに人間の孤独化や争いは絶えず不安が多いこの頃。 著書にはゴリラの目になって見つめ直すと見える人間社会の不思議が綴られている。 人が満たされないのはなぜなのか、サルの心が支配する現代日本等、...
効率化・情報社会化が進んで自分の意見を主張しやすくなり自由な時間も増え便利な時代であるのに人間の孤独化や争いは絶えず不安が多いこの頃。 著書にはゴリラの目になって見つめ直すと見える人間社会の不思議が綴られている。 人が満たされないのはなぜなのか、サルの心が支配する現代日本等、ゴリラや他の動物とも比較しながら人間社会との違いが語られていて興味深い。人間の勝手な想像で凶悪とみなされて虐げられた時期もあったゴリラたち。実際はそうでなかったのだ。なのに長年接する中で少しずつ人を受け入れてくれるようにもなったという。懐が深すぎる。 今地球上は人間中心社会になりがちだが、人間は昔から生物に囲まれて生きてきた。共生しながら他の生き物に学ぶことは多いのではないだろうか。
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山極壽一(1952年~)氏は、京大理学部卒、京大大学院理学研究科博士課程修了、日本モンキーセンターリサーチフェロー、京大大学院理学研究科教授、同理学研究科長、京大理学部学部長、京大総長、国立大学協会会長、日本学術会議会長等を歴任し、総合地球環境学研究所所長。ゴリラ研究の第一人者で...
山極壽一(1952年~)氏は、京大理学部卒、京大大学院理学研究科博士課程修了、日本モンキーセンターリサーチフェロー、京大大学院理学研究科教授、同理学研究科長、京大理学部学部長、京大総長、国立大学協会会長、日本学術会議会長等を歴任し、総合地球環境学研究所所長。ゴリラ研究の第一人者でもある霊長類学者。 本書は、毎日新聞に連載された「時代の風」(2012年4月~2016年3月)をまとめ、2018年に出版され、2022年に文庫化されたもの。 内容は、著者が長年アフリカに通い、研究を続けてきたゴリラを、700万年前に我々人類と共通の祖先から分かれた存在と位置付け、その進化の枝分かれが起こった後、人類の体や心がどのように変化してきたのか、その変化の背景・歴史はどのようなものだったのか、そして、それらを踏まえて、現代の人間社会の「おかしい」点と、その解決のための著者の思いを綴ったものである。初出の性格から、学術的というより、エッセイ風な文章となっている。 一通り頁をめくってみて、再認識したのは、ゴリラ、チンパンジー、オランウータン等のヒト科の類人猿は明らかにサルとは異なり、人間に近い習性を持っているということである。そして、そこには、現代の人間社会が抱えた課題に対する、いろいろなヒントが隠されているのである。 例えば、サルは、争いにならないように一匹で食事をする(子ども以外の他者に食物を分配することはない)が、ゴリラは、大人同士で食物の分配を行う。また、サルが相手の顔をのぞき込むのは威嚇をするときであるが、ゴリラのその行為は相手に対する好意的なあいさつを意味する。それらを踏まえれば、人間が一人で食事をする(ぼっち飯)ことも、人間のコミュニケーションが対面ではなくスマホ等を通して行われることも、自然な行動ではないのである。 現代の人間の行動様式・習慣には様々な背景があるし、多くの課題の解決がそう簡単ではないことは言わずもがなではあるが、共通の祖先を持つ「ゴリラからの(シンプルな)警告」を一時聞いてみるのも悪くはないだろう。 (2022年6月了)
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異文化の視点から自分たちの文化を捉えなおそうと言う動きは最近流行だけど、それをゴリラの視点からやろうという試みは面白い ただ、議論とか指摘が表層的で、山極さん自体はすごい研究者なのだから、もう少し踏み込んだ議論が見たかった、と言うのが正直なところ
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