古代ポンペイの日常生活 「落書き」でよみがえるローマ人 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
ポンペイの遺跡で発見された一万以上の落書きから、当時の市民の生活を浮かび上がらせるという本。写真も豊富で良い感じ。 選挙宣伝用の、色付きで大きく人名を書いたものがたくさんあるというのが面白かった。各職場の組合的なものがあり、当時から選挙活動を熱心にしていたらしいというのが驚き。二千年もたった遠い東の地でも同じようなことをしているなんて、当時のポンペイの人々には思いもつかないことだろうけど…。カップルが自分たちの名前を書いていたり、売春婦の連絡先みたいなものが書いてあったりするのもまるで公衆トイレの落書きみたいで時代を感じさせないなと思った。もちろん紀元一世紀のポンペイと今の日本では全然違うことの方が多いのだが、人の営みという根っこの部分に同じものを発見できるというのが、たまらなく嬉しく感じるのはなぜだろう。やっぱり連綿と続く歴史の流れの中に自分を位置付けたいという欲望が人間にはあるのだろう。
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第92回ビブリオバトルinいこま「三冊屋」で紹介された本です。 2022.6.26 ①『古代ポンペイの日常生活「落書き」でよみがえるローマ人』木村凌二 ②『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』庭田杏珠、渡邉英徳 ③『ベリングキャット デジタルハンター、国家の嘘を暴く』エ...
第92回ビブリオバトルinいこま「三冊屋」で紹介された本です。 2022.6.26 ①『古代ポンペイの日常生活「落書き」でよみがえるローマ人』木村凌二 ②『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』庭田杏珠、渡邉英徳 ③『ベリングキャット デジタルハンター、国家の嘘を暴く』エリオット・ヒギンズ
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古代ローマの、市井の人間の痕跡が何千年という途方もない年数を経た今、こうして目の当たりにできることに感動する。さらにそこにいる人間が、今の人間と変わらず、日々の日常を営んでいたということに。 十数年前は街のトイレや施設の壁に落書きってわりとあったように記憶しているのだけれど、そう...
古代ローマの、市井の人間の痕跡が何千年という途方もない年数を経た今、こうして目の当たりにできることに感動する。さらにそこにいる人間が、今の人間と変わらず、日々の日常を営んでいたということに。 十数年前は街のトイレや施設の壁に落書きってわりとあったように記憶しているのだけれど、そういえば最近はあまり見ない。Twitterの発達で、誰もが対外的に発信できるからだろうか。だとすると、人間が自分の思いを誰かに受け取って欲しいという根本的なところは、ローマ時代からも変わらないということなのか…。
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学部生時代この時代を背景にしたフィクションを、という課題が出され参考にしたくて、ちょうど日本から家族が来るときだったのでわざわざ買って来てもらった。気軽に読める。 当時の人々の生活が落書きによってリアルに分かるし、それこそポンペイ=堕落のイメージだけれど、この中でも生について悩む...
学部生時代この時代を背景にしたフィクションを、という課題が出され参考にしたくて、ちょうど日本から家族が来るときだったのでわざわざ買って来てもらった。気軽に読める。 当時の人々の生活が落書きによってリアルに分かるし、それこそポンペイ=堕落のイメージだけれど、この中でも生について悩む人はいたんだろうな、と思いをはせた。
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1996年に中公新書で出た本の増補版の文庫版に巻末対談を加えて新書化したものです(なんじゃそれ)。 ポンペイの発掘はここ20年くらいの間に新しい知見もあった気がしますが、この本は壁に残された文字(落書き)に焦点を当てているので、それほど鮮度が落ちてないようです。 それにしてもよ...
1996年に中公新書で出た本の増補版の文庫版に巻末対談を加えて新書化したものです(なんじゃそれ)。 ポンペイの発掘はここ20年くらいの間に新しい知見もあった気がしますが、この本は壁に残された文字(落書き)に焦点を当てているので、それほど鮮度が落ちてないようです。 それにしてもよくこれだけ大量に落書きがあるもんだ、そんな空間では生活しにくいなと思いましたが、今の日本も壁には選挙ポスターや宗教の警句が貼ってあったりするので、そんなに差が無いのかも。いやポスターよりもバリエーションが有って楽しいのかもと思いました。 あと歴史の文献資料と言うと偉い人の書いた公的記録や日記が中心になりますが、こういう一般の人が書いたものが文献資料になることは珍しく、この落書きが無かったらローマ時代に対する理解がもっと表面的になっていたのかも、なんてことも思ったりします。
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プロローグ 第一章 大噴火と発掘の歴史 大プリニウスの最期 埋もれた都市の記憶 蘇るポンペイ イタリア統一と科学的発掘の開始 未来の世代への配慮 第二章 友に、公職を! パトロネジ マダム、ホステス 第三章 公務にふさわしい人びと 品性が卑しくない 都市参事会 財力と弁論術 第四...
プロローグ 第一章 大噴火と発掘の歴史 大プリニウスの最期 埋もれた都市の記憶 蘇るポンペイ イタリア統一と科学的発掘の開始 未来の世代への配慮 第二章 友に、公職を! パトロネジ マダム、ホステス 第三章 公務にふさわしい人びと 品性が卑しくない 都市参事会 財力と弁論術 第四章 民衆は見世物を熱望する 新しい富裕層 ニギディウス よく戦えば敗者でも助命 死のエロティシズム 第五章 喜怒哀楽の生活風景 第六章 愛欲の街角 第七章 文字を学ぶ 第八章 落書きのなかの読み書き能力 読み書き能力の3段階 誤記・方言も音の表記から エピローグ――人類史のなかの識字率 特別対談 ヤマザキマリ×本村凌二
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