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ノモレ の商品レビュー

4.2

6件のお客様レビュー

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2023/07/18

色々と考えさせられる良書。先住民と接触時、バナナを与え続けて友好を示すという方法で本当によかったのだろうか。読んでいる途中も、読了後もずっと気になっていた。こちら側としては好意の印としてバナナをプレゼントしていたのだが、果たして育った環境の異なる彼らにその気持ちは伝わっていたのだ...

色々と考えさせられる良書。先住民と接触時、バナナを与え続けて友好を示すという方法で本当によかったのだろうか。読んでいる途中も、読了後もずっと気になっていた。こちら側としては好意の印としてバナナをプレゼントしていたのだが、果たして育った環境の異なる彼らにその気持ちは伝わっていたのだろうか。バナナが底をついた時、彼らからすれば今まで際限なく与えられていた甘美な食べ物が理由もなく突然無しになった訳で、怒り狂うのも仕方がないのではと思う。モノで釣るのは一番簡単だが、知性や文明など無形の財産を与えて興味を示してもらうという方法ではダメなのだろうか。読みながらどうしても現代の我々の価値観や尺度で判断してしまいそうになる。彼らには彼らの感じ方や大切にしているものがあり、それを尊重しながら共存していくには国としてどのような方法がベストなのか、まだ正解が分からず考え続けている。

Posted byブクログ

2023/06/11

息子に勧められて読んだ。 結論が出ていない?感があったので、続編希望! 語彙が少なくて、どう表現していいかわからないけど、人間そのものを描いた一冊かなぁ。

Posted byブクログ

2023/03/20

久々にワクワクする読書体験。文明化していない先住民がどのように考えるかを覗かせてくれる。あとがきにある明日の約束はできないが、今の約束か100年後の約束ならできるって言うのが印象に残る。ずっと先の約束は忘れない、時間感覚や利害度外視の優先順位で生きている人もいるということが自分の...

久々にワクワクする読書体験。文明化していない先住民がどのように考えるかを覗かせてくれる。あとがきにある明日の約束はできないが、今の約束か100年後の約束ならできるって言うのが印象に残る。ずっと先の約束は忘れない、時間感覚や利害度外視の優先順位で生きている人もいるということが自分の人生の選択においてに勇気を与えてくれるような気がする。

Posted byブクログ

2023/03/04

信頼を築き上げるためには、膨大な時間とお金と労力が必要。たった一瞬のボートのエンジン音で築こうとした信頼が崩れ去るのはなんとも悲しく、そして当然だなと思いました。人と人とが本当に分かり合えるようになるのは難しいことなのだなと再認識しました。

Posted byブクログ

2022/12/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

アマゾン川流域に広がるジャングルには、近代文明とは関わらずに暮らしている先住民族(イゾラド)がまだ何十部族もいるらしい。 ブラジルのピダハンなんかが有名かと思うけれど、この作品の舞台はペルー。 ブラジルと違って先住民族に対する制度がほとんど整っていない。いやブラジルもそれほどとは…。 選挙権を持ち納税の義務を負う正規の国民のほかに、そのどちらも持たず自給自足と僅かな援助で暮らす先住民族、そしてその存在すら確認されない先住民族。 ほとんどの先住民族は国のシステムに組み込まれているけれど、未だ組み込まれていない人たちとむやみに接触を取ることは許されない。 それはほんの些細な感染症(風邪とか)ですら一族を全滅させてしまうかもしれないから。 ある時、急に目撃例が増え始めたイゾラド。 その監視を命じられたのが、この作品の主役であるロメウ。 しかし彼らの姿を見たとき、イネ族のロメウは自分たちに近しい懐かしいものを感じたのだ。 もしかすると彼らは、100年前に曾祖父たちと生き別れになった仲間たちの子孫なのでは? そう思ったロメウは「ノモレ(友よ)」と声をかける。 ロメウの一族は、その生き別れになった仲間を探すことを曾祖父の代からの願いとしていた。 その一方で、未確認の先住民族に村を襲われ、国からあてがわれた土地に仮住まいをしている状況で、村に戻れる当てはない。 何しろ船を動かすガソリンを買うお金すらない。 ロメウは一族の悲願と一族の現状を背負い、先住民族の国際的渉外組織であるFENAMADとともに政府と交渉し、その傍らノモレと思われるイゾラドの一家とも距離を縮めていく。 フィクションならここで「友よ!」とハグでもしてめでたしめでたしなのだろうけれど、これはノンフィクション。 先住民族の処遇は一向に改善されず、一時は親しく交流を深めたイゾラドの一家は森の奥で姿を見せなくなる。 けれど、自分の子どもか孫の時代にはきっと、また交流できればいいと、ロメウは思っている。 読んでいるとジャングルの中で未開だけれど、必要なものは全て身近なものから手に入れることができる生活と、文明の中で便利なものに囲まれながら、お金がないと何もできない生活の、どちらが幸せなんだろうと思えてくる。 「あなたたちのような街の人間は明日の予定をよく聞いてくる。しかし、私は、今のことしか約束はできない。未来について約束せよというのなら、百年後の約束ならできる。あなたにはできるか。私は、今とずっと後のことだけを考えている。だから、明日の約束はできないが、百年後の約束ならできる」(ある先住民族の言葉)

Posted byブクログ

2022/08/29

イゾラドの話。東京POD許可局で「共通言語を持たない人」という文脈で生活のそこかしこに潜むイゾラドについて話していたのがしっくりきた。

Posted byブクログ