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法治の獣 の商品レビュー

3.9

19件のお客様レビュー

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2024/11/04

「一億年のテレスコープ」で衝撃受けて、遡って3中篇からなるこちらを。3作品とも太陽系外に居場所を求め調査に乗り出した地球人が、生命に遭遇したそれごれのケースを描いている。この作品でも驚かされるのは、作者の発想で、思いもよらなかった視点を得て、なんだけ得した気分になれた。

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2024/09/26

中編3編収録。それぞれ時間も空間も登場人物も異なる話だけど、共通の世界線での出来事。また違うストーリーも追っかけていきたい。

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2024/09/08

春暮康一「法治の獣」読了。中編SFの3作品ともに地球外生命へのコンタクトものだが、よくあるアイディアとは全く異なり圧倒された。特に、”主観者“では、人類が探査をしたきっかけが意図せず彼らを滅亡へ追いやるのは斬新で、まるで豪州の入植者が持ち込んだ動物が固有種を駆逐した事を彷彿とさせ...

春暮康一「法治の獣」読了。中編SFの3作品ともに地球外生命へのコンタクトものだが、よくあるアイディアとは全く異なり圧倒された。特に、”主観者“では、人類が探査をしたきっかけが意図せず彼らを滅亡へ追いやるのは斬新で、まるで豪州の入植者が持ち込んだ動物が固有種を駆逐した事を彷彿とさせた。

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2024/07/15

中編3篇からなる。どれも異星の生物とのコンタクトをテーマとしており、筆者の並はずれたアイデアによるファーストコンタクト事例集としておもしろい。中でもシンプルながら新鮮な展開がある「主観者」がよかった。「法治の獣」もアイデアはおもしろいが、設定が混み入りすぎた感があった。「方舟は荒...

中編3篇からなる。どれも異星の生物とのコンタクトをテーマとしており、筆者の並はずれたアイデアによるファーストコンタクト事例集としておもしろい。中でもシンプルながら新鮮な展開がある「主観者」がよかった。「法治の獣」もアイデアはおもしろいが、設定が混み入りすぎた感があった。「方舟は荒野をわたる」は、方舟の設定はメチャクチャ好みだったのだが、ミズグモ以降の展開がちょっとご都合主義的だったな。終盤の地球人の在り方の考察はワクワクした。ほかの系外進出シリーズも読んでみたい。

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2024/06/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これは純文学では。。。?とくに【主観者】 国語の教科書にでてきそう。 この本の収録作は3つとも共通の世界が舞台になっていて、人類は太陽系外に生命や知性の存在を求め、たまには移住先を求めて、各地に調査の手を伸ばしている。 とはいうものの、探索にあたってのモラルと言うか考え方はいろいろあって、基本的に客観者として他の生態系に大きく影響を与えないというのが大前提となっている。(今の考え方と近い) しかし、人間は好奇心に抗えず、そんな前提を無視して度々問題を起こしてきている。そんなどうしようもない人間について3章では "私達は与えるものも持たずに何かを見つけては、与える代わりに奪っていくんだ。望むものも、望まないものも" といっており"私達は宇宙に、何を与えられるだろうか…"と自問からの"私達は宇宙に交流を与えられる"で自答している。 全体的にまとまってるなぁ〜と思いました。 軽い純文学認定を勝手にしました。

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2024/02/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

全体として、SFを基にした科学技術検討に使えそうなお話。異星生物へのコンタクト方法 知りたいという好奇心と他の種族に危害を与えることは避けたいという自制心を どうやって折り合わせるかを考え抜いている(本作品の検討結果は当分の間は使われることはないだろうが)。作者はとっても頭の良い人だと思います。 主観者:サトラレを元ネタに、種族全体として集合的精神を持つ生き物ルミナスを発見した宇宙探査計画アルゴの調査隊の失敗のお話。失敗の過程が良く考えられている。見られてもダメなんだ! 法治の獣:不快衰弱というルールのもと繁栄しているシエジーの種としてのルールを人類のスペースコロニーがマネしているという設定。設定自体がぶっ飛んでいるなあ。主人公たちのドタバタ劇はいまいちだったが、人類は自己複製の手段に遺伝子よりも模倣子(ミーム)を重視している(ので 同じ考えの人と群れ、違う考えの人を排除する)というのは秀逸な視点だ! 方舟は荒野をわたる:物語としては、これが一番面白かった。方舟サイズの生態系が全体で知性を持つ。生態系の生物も知性を持つ。人間が生態系の知性生物なら、方舟としての地球も全体で知性をもっているのかも。人間が細胞や微生物の方舟ととして知性を持っているなら、個々微生物が知性を持っていても不思議ではない。知性を持つ生物を探しだして会話できたら とっても面白いだろうなというのが読後感。

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2023/08/14

「主観者」「法治の獣」「方舟は荒野を渡る」の3作品収録のSF中篇集。 未知との遭遇が基本におかれた3作品です。 ファーストコンタクトの際、無意識下にあるコンタクトした側のマウントが何をもたらすのか、ということを書き出したかったのかなと思います。 蟻の行列をいじくりまわす子供のよ...

「主観者」「法治の獣」「方舟は荒野を渡る」の3作品収録のSF中篇集。 未知との遭遇が基本におかれた3作品です。 ファーストコンタクトの際、無意識下にあるコンタクトした側のマウントが何をもたらすのか、ということを書き出したかったのかなと思います。 蟻の行列をいじくりまわす子供のような振る舞いをしないようにと戒めているのですが、結果としていじくり回すことになってしまう「主観者」と「方舟は荒野を渡る」。 対象の観察から何かを学ぶことができる、と考えるがゆえに、いつの間にか依存してしまって崩壊してゆく「法治の獣」。 本能と知性という相反する存在が、実は繋がっていて連動しているということへの気づき、を記そうとしたのかな。 どんな形であれ、未知との遭遇という行為自体が、彼我双方に何かの影響を与えることからは避けられないという物語だったのかな。あるものをあるがままに、ということを保つには、他者とのコミュニティ外との接触を完全に遮らなければならない。それはコンタクトすることを盲目的に善としてはいけないよ、ということか。 そこまで振りかざしてはいないけども、短絡的に感じてしまったのも事実。それを戒めている物語でもあるか。 「法治の獣」のモデルは一角獣がメガテンに登場するカイチだそうで。読んでいる最中から、勝手にビジュアルイメージをカイチと想像していたので、思わぬところで正解をもらいました。変にシンクロ感じて嬉しい。

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2023/08/12

めちゃめちゃハードSFで、文系脳には全てを理解したとは言えないが、SF好きとしては非常に楽しめた。 スタニスワフ・レムのソラリスをなんとなく想起させる1作目。 ハードSF×スペキュレイティブ・フィクションのような2作目。これが文系頭には非常に面白かった。 新たな知性体系の可能性を...

めちゃめちゃハードSFで、文系脳には全てを理解したとは言えないが、SF好きとしては非常に楽しめた。 スタニスワフ・レムのソラリスをなんとなく想起させる1作目。 ハードSF×スペキュレイティブ・フィクションのような2作目。これが文系頭には非常に面白かった。 新たな知性体系の可能性を提示した3作目。 おすすめです。

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2023/07/22

少し硬いかな。ファーストコンタクトの短編集。20世紀のファーストコンタクトに比べると、生物がかなり凝っていて、コンタクトをとるルールが随分と科学であっても倫理的。

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2023/05/05

SFにはビックリドッキリ(宇宙)生物が出てくる話には枚挙がない。植物が異常進化しただの、タイヤ生物だの、血液が強酸になっているだの。 この小説ではなんじゃそりゃという奇想と、進化学生態学的に納得できる(少なくとも一般人には)を両立した科学的に納得できるビックリドッキリ生物が出てく...

SFにはビックリドッキリ(宇宙)生物が出てくる話には枚挙がない。植物が異常進化しただの、タイヤ生物だの、血液が強酸になっているだの。 この小説ではなんじゃそりゃという奇想と、進化学生態学的に納得できる(少なくとも一般人には)を両立した科学的に納得できるビックリドッキリ生物が出てくる。しかも、中編3編全部である。 この宇宙生物の設定だけでも面白いが、そこから紡がれるストーリーの妙もまた素晴らしい。 八方隙の無い生物SFなので読む以外の選択肢なぞない。

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