脳は世界をどう見ているのか の商品レビュー
古い脳と新しい脳の関係、それを踏まえた汎用人工知能の定義提案、人工知能が暴走するシナリオのあり方など、興味深い議論も少なくなかった。
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興味深く読めたが、後半は少し飽きてしまった。 古い脳と新しい脳の役割の違いや、脳が一つではなくてたくさんの働きの繋がりであることは今までのイメージと違っていて、新鮮で面白かった。ただ、脳が座標系でとらえるというのが??で、科学的な立証がされているのか気になった(信じられない、、)
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『#脳は世界をどう見ているのか: 知能の謎を解く「1000の脳」理論』 ほぼ日書評 Day590 評者の理解が正しければ、脳の予測のシステムは次のようなものだそうだ。 ヒトの脳は絶えず予測をしているが、本人はそれにほとんど気づいていない。これを脳内物質の働きに置き換えると、...
『#脳は世界をどう見ているのか: 知能の謎を解く「1000の脳」理論』 ほぼ日書評 Day590 評者の理解が正しければ、脳の予測のシステムは次のようなものだそうだ。 ヒトの脳は絶えず予測をしているが、本人はそれにほとんど気づいていない。これを脳内物質の働きに置き換えると、なんらかのきっかけ(本当に無数の小さなきっかけがある)を受けて、これも無数のシナプスが活性化(電位を帯びる)される。ただ、大半のシナプスは遠位シナプスと呼ばれ、ニューロンに調節的な作用を及ぼさないという状態にある。 ただ、ひとたび、その活性化したシナプスが役目を帯びる機会があれば、活性化していないものに比べ、格段に早く反応をすることができる。この積み重ねが、まさに無意識の「予測」であるのだ。 さらに「予測」などと書くと、非常に大上段なことのようにも感じられるが、実は、壊れやすいものを手でそっとつかむ…というようなシーンでも、この予測機能は大活躍をしている。 1本の指先の一点だけでなく、5本の指をフルに使うことで、瞬時に物の形や、硬さ、温度といった属性を読み取り、無意識のうちに触り方、さらには熱ければ手を引っ込めるといったことが行える。 さらに中盤では、記憶や論理の、脳内での取り扱いが解説される。たとえは「民主主義」というような抽象概念についても、何と、脳は座標系の仕組みを使って、処理を行うのだという。 とこの辺りまでは興味深く読んだが、後半AIが人間に取って代われるか?といったあたりから、哲学的というか、著者の思いばかりが語られるようになり、斜め読み。 ビル・ゲイツ氏あたりは、この辺も含めて称賛したらしいが、そこが凡人との違いか? https://amzn.to/3U6MTNp
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認知モデリングの下のレイヤに、この本の新皮質のモデル入れたらどうなるんだろう。知識残そうぜって言われて、セラエノ大図書館とか思い出した。
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脳は物体だけでなく、抽象的な概念も座標系で保存し、理解しているということらしい。そして、感覚を動かすことで認識している。 抽象的な概念と座標系の関係が良く分からなかったが、頭の中を整理出来れば記憶も理解も進むので、何となく理解は出来る。 後半の知識のアーカイブは、考え方としては面...
脳は物体だけでなく、抽象的な概念も座標系で保存し、理解しているということらしい。そして、感覚を動かすことで認識している。 抽象的な概念と座標系の関係が良く分からなかったが、頭の中を整理出来れば記憶も理解も進むので、何となく理解は出来る。 後半の知識のアーカイブは、考え方としては面白いがその必要性と目的には懐疑的である。
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なかなか手強い実学書でしたが、なんとか読了。 脳は、所詮、視覚や聴覚等の感覚器から伝わる信号を解釈して学習モデルに従って解釈している、、、って、まんま「マトリクス」の世界観。 あと、第14章で脳をコンピュータに”アップロード”する話は、これも、まんま、アマプラのドラマ「アップ...
なかなか手強い実学書でしたが、なんとか読了。 脳は、所詮、視覚や聴覚等の感覚器から伝わる信号を解釈して学習モデルに従って解釈している、、、って、まんま「マトリクス」の世界観。 あと、第14章で脳をコンピュータに”アップロード”する話は、これも、まんま、アマプラのドラマ「アップロード」の世界観。(そのままじゃん) ホモサピエンスがその知力により宇宙の存在を認識したとすれば、人類が存在しなければ宇宙も存在しないのと同じ、そういう意味で宇宙は脳内に存在する、、みたいなロジックはなるほどと思いました。我々はちっぽけであると同時に宇宙規模な偉大な存在なのか、と。 人類の未来は古い脳と新しい脳の戦いに依存する。確かに。そして、今のウクライナ禍はプーチンの古い脳が引き起こした悲劇。リスクが思いっ切り顕在化している! ベストセラーな読み応えでした。
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ベストセラーだけあって、なかなか面白かった。 遺伝子の複製と生存を目的とする古い脳に対して、新皮質は知能をつかさどる。見る、触れることで、新皮質は常に世界モデルを学習し、予測をするようになり、合理的な判断ができるようになる。しかし、古い脳にも支配されるゆえに、人間は争いや他害...
ベストセラーだけあって、なかなか面白かった。 遺伝子の複製と生存を目的とする古い脳に対して、新皮質は知能をつかさどる。見る、触れることで、新皮質は常に世界モデルを学習し、予測をするようになり、合理的な判断ができるようになる。しかし、古い脳にも支配されるゆえに、人間は争いや他害をしてしまう。今後の真の汎用型AIには知能をつかさどる新皮質をモデルとすべきで、逆に古い脳をモデルとしない限り、AI自体が人間の脅威になることはない。この考え方は、説得的でかつユニーク。これと関連して、いわゆるフェイクニュースや陰謀論が広まってしまう仕組みも説明されている。 もっとも、皮質コラムだとか、専門的で、少し理解しづらい部分もあるし、古い脳の具体的な定義も少しあいまいな気がした。また、最後の2章は、著者の希望的観測が多く含まれており、少し壮大的すぎる。 それでも、脳の仕組み、AIに興味があれば、読んで損のない一冊。
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最新の脳の研究をしている作者は、パームパイロットを創業者として開発しながらも本当は脳の研究がしたかったそうな。晴れて脳研究にもどって20年近くの研究成果を一般書にまとめた。曰く 大脳新皮質の15万個の皮質コラムは、それぞれが固有の世界モデルの予測をして、予測するための座標系を独自...
最新の脳の研究をしている作者は、パームパイロットを創業者として開発しながらも本当は脳の研究がしたかったそうな。晴れて脳研究にもどって20年近くの研究成果を一般書にまとめた。曰く 大脳新皮質の15万個の皮質コラムは、それぞれが固有の世界モデルの予測をして、予測するための座標系を独自に持っている(はず)。それぞれのコラムが投票をすることによって、一つ(場合によっては複数)の知覚が生成される。詳細なメカニズムはまだ不明だが、この仕組みを1000の脳理論と呼ぶ。 たくさんの予測演算が脳内だ行われ、メモリー空間を整理する適切な座標系が3次元だけでなく 問題によっては高次元で組まれる。数学の方程式を格納する座標系は何次元かは不明だが、個別の問題ごとに座標系を持ち、知らない問題は座標系がないので迷子になるという説明は腑に落ちる。作者1000の脳理論に絶対の自信を持っているようだが、真実はどうかは今後の研究結果を注視したい。 2部・3部は著者のAIや人類の未来に関する想いであり、古い脳と間違った(だまされた)知識が重なり、強権国家やカルト宗教が地球を滅ぼすのが心配というのは同意だが、本書の1部の科学的記述に比べて蛇足と思えたので星3つ。
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脳が知識や知能を獲得・発達させた仕組みを解き明かすとともに、AI開発を含めた人類のあるべき未来に向けた方向性を提案する一冊。 IT企業家兼脳科学者という特異な経歴を持つ著者は、自身のライフワークとして脳の仕組みを研究する中で、人類の脳は、”遺伝子の乗り物”としての動物的な生存本...
脳が知識や知能を獲得・発達させた仕組みを解き明かすとともに、AI開発を含めた人類のあるべき未来に向けた方向性を提案する一冊。 IT企業家兼脳科学者という特異な経歴を持つ著者は、自身のライフワークとして脳の仕組みを研究する中で、人類の脳は、”遺伝子の乗り物”としての動物的な生存本能を司る「古い脳」の上に、知識や理性を司る「新しい脳」である新皮質を徐々に積み重ねることで進化してきたが、脳の総重量の7割を占める「新しい脳」が外部世界を認識し、知識として蓄積するメカニズムを解明する新説を提案している。 具体的には、「新しい脳」が行なっているのは感知した事物の情報の「モデル化」であり、新皮質に存在する約15万の「皮質コラム」が、事物そのものに付随する特徴的な情報と、それを感知している人間との位置関係の「座標軸」を整理することで、脳は世界の構造を効率的に学習するとともに、新たな情報を感知した際には既存のモデルを使ってその内容を「予測」することができる。 このようなモデルは数多くのコラムが保持しており、複数のコラムによる「予測」を「投票」することで、人間は効率的に外部世界を把握したり、新たな情報を学習したりすることができ、しかもこれは物理的に感知できるものに限らず、言語や数字や民主主義といった概念上の情報にも適用できることから、これらの知識を活かすことで人類は、他の生物を一線を画する進化を遂げることができたのだという。 一方でこのような「新しい脳」の進化がもたらした知能とその成果である新技術などは、人間が相変わらず「古い脳」に支配されていることで、本来あるべき目的外に悪用されるリスクを孕んでいる。著者はだからこそ、AIは「古い脳」の要素を排して「新しい脳」の要素のみを活用することで安全に汎用人工知能を開発することが可能であり、また知識の未来への保存を遺伝子の保存よりも優先するならば、人間自身も含めた遺伝子組み替えは正当化できると主張する。 ともすれば極論として批判されるであろう内容も数多く含まれるが、長年謎とされてきた脳の仕組みに対する有力な新説を提案するとともに、我々が直面しているのは「古い脳 vs 新しい脳」の戦い、つまり人間の存在の目的を相変わらず動物的な「遺伝子の保存」に求めるのか、それともそこから脱却して「知識の保存」へとシフトするのか、という対立軸であるという視点を持つことによって、地球温暖化といった現代社会が抱える問題への対処の難しさの要因も見えてくるのが非常に興味深い。
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図書館で 脳のモデルは座標系、あらゆるものが座標系。 そしてシンプルな分散系。 ディープラーニング深層学習は賢い。ただ知識ではない統計や大量のデータによる分類・推測・予想。 人間の知能こそリスク 知識と知能を伝える
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