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内部告発のケーススタディから読み解く組織の現実 の商品レビュー

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2024/09/15

多くのケーススタディーとともに、その背景事実に迫るドキュメンタリーとしても読める本。内部告発と言うテーマでの本だが、組織というものに内在するリスクとその改善ポイントをも示している貴重な本。内部告発者の告発の際の具体的な行動や、その後の事実の推移についても丁寧に書かれている。諸外国...

多くのケーススタディーとともに、その背景事実に迫るドキュメンタリーとしても読める本。内部告発と言うテーマでの本だが、組織というものに内在するリスクとその改善ポイントをも示している貴重な本。内部告発者の告発の際の具体的な行動や、その後の事実の推移についても丁寧に書かれている。諸外国のとの比較についても非常に学びになる。米国の巨額の報奨金を出すが、そのコストを遥かに上回る是正がされてきたとのこと。表題からは仕事の上で内部告発の部署を担当する人などが対象の専門書のようにも思えるが、組織に働くすべての人が読んで発見のある本。

Posted byブクログ

2022/11/24

資料集、事例集としても教材としても秀逸。これ一冊で内部告発の歴史や実例、公益通報者保護法の成立や改正までが詳しく理解できる。今の世の中の「当たり前」に至るまでには、厳しい戦いがあった。告発される側の方が常に強い立場だ。だからこそ、揉み消したり、報復したりと、やりたい放題、弱者を虐...

資料集、事例集としても教材としても秀逸。これ一冊で内部告発の歴史や実例、公益通報者保護法の成立や改正までが詳しく理解できる。今の世の中の「当たり前」に至るまでには、厳しい戦いがあった。告発される側の方が常に強い立場だ。だからこそ、揉み消したり、報復したりと、やりたい放題、弱者を虐げた。「世の正義」対「組織の論理」。 ベトナム戦争での機密文書をダニエル・エルズバーグ博士がニューヨーク・タイムズに提示した事例。ニクソン大統領は極秘文書の漏洩事件として差し止めを求めたが最高裁判所は応じず。有名なペンタゴン文書だ。その後、博士は機密文書の窃盗罪で起訴されるが、ホワイトハウスの工作員による盗聴などを理由に、裁判所は起訴を棄却、無罪放免へ。逆にニクソン大統領の側近が罪に問われ、ニクソン自身も、もみ消しの容疑で弾劾されるまで追い詰められ、大統領を辞任。ディープスロートと呼ばれる政府内部情報に基づく新聞記者たちの調査報道が大きな役割を果たす。泥沼のウォーターゲート事件。 海外のスキャンダラスな内部告発から、日本へ。グッと生々しくなる。オリンパスの事例。顧客からの人材引き抜きを問題視して内部通告した濱田さん。この内部通告が社内で実名で情報開示されてしまい、不当な人事異動を受けることになる。本人の経歴や希望、能力に合わない品質保証への異動。評価査定についても不当に低い状態。オマエ呼ばわり。 社外との接触を禁止。これらがパワーハラスメントや不当行為として勝訴へ。他にもイオンや海上自衛隊護衛艦たちかぜの事例など。 ようやく、22年6月から改正され厳格化された公益通報者保護法を改正公益通報者保護法。誤った判断は訴訟問題に繋がりかねない。組織人は必読だろう。

Posted byブクログ