てんまる の商品レビュー
102頁: ・然上者其元儀 何方縁組を致し候共 〔読み下し〕然る上は其の元儀,…… 〔訳〕こうなった以上、誰と縁組みをしようとも ★著者は,離縁状をそれほど多く読んでいないか,「其元」の意味を知らないのではないかと,思った。 「其元」は,「そのもと」とも「そこもと」とも読み,「あ...
102頁: ・然上者其元儀 何方縁組を致し候共 〔読み下し〕然る上は其の元儀,…… 〔訳〕こうなった以上、誰と縁組みをしようとも ★著者は,離縁状をそれほど多く読んでいないか,「其元」の意味を知らないのではないかと,思った。 「其元」は,「そのもと」とも「そこもと」とも読み,「あなた」という意味である。 精選版 日本国語大辞典 その‐もと【其許・其元】〘代名〙 対称。近世、同等またはやや目下の相手に対して用いる。→そこもと。 [補注]「其許」「其元」はともに「そこもと」「そのもと」両様に読め、江戸後半期には「そこもと」と並行して用いられたが、「そこもと」の方が標準的な言い方であったらしい。 だから直訳すれば,「こうなった以上,あなた(元妻)については,誰と再婚しようとも……」というふうになるのではないか。 ★以下,意味不明。 121頁: ・ルビは便宜上筆者が入れたものです ★引用文には,ルビがない。ひょっとして,書名に付されたルビを言っているのだろうか? 165頁: それにしても、「『月がまんまるの時、』とかげは いった。」という文章を、「『月がまんまるの時、』と、かげは いった。」となぜ書かなかったのだろうとも思うのです。 きちんと筋を追って絵本を読み進めていけば,「かげ」が言った言葉であろうことは、疑いの余地もないのですが、文章だけ切り取ると、「とかげ」が言ったようにも思えてきてしまうのです。 ★谷川俊太郎さんが訳した『アレクサンダとぜんまいねずみ』を読んだことはないが,著者が引用している原文をみれば,いったのは「とかげ」であって,「影」でも「鹿毛」でもないのは明らかである。 原文:said the lizard,
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過去の小説や憲法の条文、果ては漫画の吹き出しにまで目を向けて「てん」と「まる」の使われ方やその背景に目を向けた一冊。小説の例はその作家の文体と関わるのでなかなか深入りが難しい。面白かったのは、漫画の世界では小学館の少年向け漫画以外、吹き出しにてんもまるもつけないのが業界の常識だという事。これは知らなかった。
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まあ,エッセイですね~~面白いけど・・・結局は,黙読するようになった人々が読みやすいように打ったって事ですネ。面白い使い方をする人もいるって事で
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面白いです。句読点や記号も含めて「日本語」なんだな、って実感させてくれます。句読点って、、小学校でちゃんと習うのに明確なルールが無く、文章の隠し味として、無くてはならない存在。(無いなら無いで、そういう表現になる。)と思いました。本書では、句読点だけでなくその他記号を含めて「てん...
面白いです。句読点や記号も含めて「日本語」なんだな、って実感させてくれます。句読点って、、小学校でちゃんと習うのに明確なルールが無く、文章の隠し味として、無くてはならない存在。(無いなら無いで、そういう表現になる。)と思いました。本書では、句読点だけでなくその他記号を含めて「てんまる」と表現することで、これら脇役の存在意義を明確にすべく、歴史を紐解いて解説してくれている。やっぱり活版印刷は歴史の転換点なんだねえ。
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かつて日本語に句読点はなかった 言葉遊び しゃべりながら文を書く人 1章 本の読み方と「てんまる」の関係 コンマ・ピリオド 音読か黙読か 黙読→速読 漢文との関係 言葉はリズム 係り結びは便利だった 2章 いつから始まったか 、は奈良時代 古活字本 朝鮮活字版 本文の揺れをなくす...
かつて日本語に句読点はなかった 言葉遊び しゃべりながら文を書く人 1章 本の読み方と「てんまる」の関係 コンマ・ピリオド 音読か黙読か 黙読→速読 漢文との関係 言葉はリズム 係り結びは便利だった 2章 いつから始まったか 、は奈良時代 古活字本 朝鮮活字版 本文の揺れをなくす 近代的な国語への道 パンクチュエーション 標式十記 3章 明治時代以降の「てんまる」 三行半 発音と文字、そして文章へ 龍馬の手紙 写生文 文づかひ 4章 現代文学の「てんまる」 学者の意見 四大派閥 小数点と位取り ?と! 国語に関する世論調査 5章 マンガの「てんまる」 歴史的考察 編集者がつける
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<目次> はじめに 第1章 本の読み方と「てんまる」の関係 第2章 「てんまる」は、いつから始まったか 第3章 明治時代以降の「てんまる」 第4章 現代文学の「てんまる」 第5章 マンガの「てんまる」 <内容> 山口先生の着目点が好きである。「ん」について追...
<目次> はじめに 第1章 本の読み方と「てんまる」の関係 第2章 「てんまる」は、いつから始まったか 第3章 明治時代以降の「てんまる」 第4章 現代文学の「てんまる」 第5章 マンガの「てんまる」 <内容> 山口先生の着目点が好きである。「ん」について追及したり…。今回は「てんまる」=「、。」である。まず結論的に言うと、「てんまる」を付ける際のルールはない。文科省も「読点は、意味と音調の両面から判断して打つ」と書かれているそうで(「おわりに」参照)、江戸時代までは、ルールすらなかった。幕末から明治の国学者、権田直助が研究の嚆矢で、その後も人によって定義も使い方もまちまちだし、作家本人の直筆にはない「てんまる」が、活字になるとつけられる、というように、誰が決めているのか、使っているのかもあいまいなのだ。 最終章の「マンガ」についても面白かった。小学館の少年・青年マンガのみが、「てんまる」をつけているらしい。でもその根拠はあいまい(かつて学年雑誌を出していたから?)。
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