もっと知りたい解離性障害 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
解離性障害は現代で色々解明される中でもよく分からないものという認識があって興味本位で読んでみた。 結果、やはり分からないことが多い内容だと記載があったが、患者と治療者がどのように対処しているかが具体的に書かれているため面白かった。 ・なぜ別の人格が生まれるのか。 幼少期の虐待や性的被害によるのが発端であることが多い。 暴力に対して、我慢の限界を迎えた時に、「攻撃者との同一化」が起きることが心理学の見地にある。幼少期は、親との会話などを通して母国語を流暢に話せるようになる等、学習能力が異常な程高い状況である。その状況で「攻撃者との同一化」が起こることにより、新たな人格生成に繋がることが一つの仮説として考えられる。 新たな人格は、自分を守るために形成される。辛い出来事を主人格は覚えておらず、別人格だけが記憶しているというケースもある。 しかし、必ずしも別人格が自分を守る存在であるとは限らない。急に現れて暴れ回り、生き辛さを感じることもしばしばある。 最も興味を惹かれたのは人格によって芸術的な才能が開花されることがあり、その人格の消失によって才能が失われることもあるという内容だった。
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とても読みやすく、かわりやすかった。 あまりこういった本を目にしたことがなかったので、解離障害とはどういうものなのか、どういうことがおきていて、それに対してどういう風にとらえ、どうしたら良いのか、知りたいことを知れた。 例がたくさんあり、こんなことも、そんなこともあるのかと人間...
とても読みやすく、かわりやすかった。 あまりこういった本を目にしたことがなかったので、解離障害とはどういうものなのか、どういうことがおきていて、それに対してどういう風にとらえ、どうしたら良いのか、知りたいことを知れた。 例がたくさんあり、こんなことも、そんなこともあるのかと人間の脳の不思議さと無限大さを感じた。 一般的な人との違いは何なのか。一般的な人でも持ち得るであろう自分のなかの別な自分。 今は統合というより共存。 この障害を抱える方々の家族にぜひ読んでいただきたい。色々なパターンがあると思うが、治療の流れやなんとなく全体像やしくみがわかる気がする。実際を知ることが大事とおもう。
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「本書は解離性障害、特に解離性同一性障害の問題を 抱えた人との臨床経験を持つ4人が書いた本です。主に読んでいただきたいのは、当事者やその家族の皆さんですが、心理士や精神科医の先生方にもぜひ手に取っていただきたいと思います。」 ー本書「イントロダクション」より 主に当事者やその家...
「本書は解離性障害、特に解離性同一性障害の問題を 抱えた人との臨床経験を持つ4人が書いた本です。主に読んでいただきたいのは、当事者やその家族の皆さんですが、心理士や精神科医の先生方にもぜひ手に取っていただきたいと思います。」 ー本書「イントロダクション」より 主に当事者やその家族に読んでほしいと書かれていることからも分かるが、本書はとても読みやすく、解離性同一性障害(DID)のことをよく知らない人でもすんなり読み進めることのできる、格好のDID入門書だと思う。 私自身DIDについての本を読んだのは、本書が初。 それでも分かりやすく一気に読めた。 豊富な事例、またそれらの事例に対してどのように治療を進めたのか、他の病気とDIDとの違い(特に統合失調症と似ている症状(幻聴など)がある為誤診がよくあるらしい)、またDIDの患者さん(もしくはクライアント)を治療する上での治療構造についてなど、患者本人や治療者が読んでも為になる内容となっている。 黒幕人格こと黒幕さんや、黒幕人格が生まれるまでのメカニズム、人格の統合を目指す治療の是非およびDIDの治療方針について、付録の学会でのDIDについての座談会(多面(私たちが日々家族・友人・パートナー・上司etcに対して使い分ける顔)と多重(DIDの人のように顔の使い分けを制御できない状態)の違いなど特に)なども興味深かった。 DIDについての専門書や手引書はまだまだ少なく、精神科医の間でも診断候補の中にDIDがなく診断ができないことが多いのが現状だそうだが、DIDについてもっと知りたいと思ったので他の関連書籍にも当たりたいと思った。 目次 イントロダクション 第1章 解離の患者さんとの出会い方 第2章 解離を生み出すトラウマ 第3章 治療構造のあり方とその工夫 第4章 家族への対応と連携 第5章 自傷行為と解離 第6章 「黒幕さん」といかに関わるか 第7章 治療による変化とその意義 付録 付録1 黒幕人格が形成される過程について 付録2 座談会――「人格の統合」は治療の目標だろうか? 付録3 コラム 文化結合症候群との関連 付録4 解離の臨床Q&A
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