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黄金虫変奏曲 の商品レビュー

4.5

5件のお客様レビュー

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2023/05/21

1月30日から3月30日にかけて読了。 ものすごく読み応えあった。 厄介だったのは物理学ならまだしも、生物学や遺伝子、生化学には知見がないので読み解くのに時間がかかった。あと、人物の呼び名が愛称、ニックネームがころころ変わるので、誰の事を述べているのだ?とわからなくなり遡って読...

1月30日から3月30日にかけて読了。 ものすごく読み応えあった。 厄介だったのは物理学ならまだしも、生物学や遺伝子、生化学には知見がないので読み解くのに時間がかかった。あと、人物の呼び名が愛称、ニックネームがころころ変わるので、誰の事を述べているのだ?とわからなくなり遡って読むことが必要だった。 さすがに書かれてから20年以上も過ぎてしまってはパソコン言語が古すぎて、いまの感覚からすると違和感がある部分が(Lispとかはまだあるかもだけど)、なきにしもあらず。早い時期に訳されることができたらなあと思ったが、この分量、いたしかたないと思った。なにしろ読むのに体力がいる。知力はググってなんとかする。 あと、読むのにグレン・グールドは大切。終盤は晩年のグールドがあうのか?再読時には試してみようと思う。 うろ覚えなんだが「ロリータ」か「デイフェンス」の解説で、若島忠氏が近々「黄金虫変奏曲」出版予定と憶えがあり楽しみにしていたが、待てど音沙汰なく忘れていたところ出版されたのを知った。これほど待ちわびた本は最近(20年くらい)ない。読めてよかった。

Posted byブクログ

2023/03/20

年代が前後しながら進むのだが、もっとも古いのはDNAの二重螺旋構造が解明された直後。全世界の科学者が、4つの核酸によるコードを解き明かそうとしていた時代の若き研究者スチュアート・レスラー。そして現代。図書館のレファレンス係の司書が、質問を受けてステュアート・レスラーについて調べる...

年代が前後しながら進むのだが、もっとも古いのはDNAの二重螺旋構造が解明された直後。全世界の科学者が、4つの核酸によるコードを解き明かそうとしていた時代の若き研究者スチュアート・レスラー。そして現代。図書館のレファレンス係の司書が、質問を受けてステュアート・レスラーについて調べるところから始まる物語。さらにその数年後。物語が行きつ戻りつするだけでなく、コードはDNAだけでなく、音楽用語だったり、プログラムのコードだったり、さらにデータだったり日付だったりする。蘊蓄が長くて、本としても膨大になっていて読むのが大変だった。音楽関連の部分はかなりとばして読んだのだが、しっかり理解しようと思ったら、まずバッハのゴルトベルグ変奏曲から入らないといけない様子。

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2022/09/21

[出典] https://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2022/09/post-f855e5.html

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2022/07/01

「舞踏会へ向かう3人の農夫」が出た時に「これよりすげー本がある」って聞いてから20数年、ようやっと読めた。「舞踏会へ〜」初めて読んだのは20台で今やアラフィフ、なかなかしみじみ来るものがある。 それはそれとして、2つの話を並行して読ませるってのは「舞踏会へ〜」以来だっけ?「ガラテ...

「舞踏会へ向かう3人の農夫」が出た時に「これよりすげー本がある」って聞いてから20数年、ようやっと読めた。「舞踏会へ〜」初めて読んだのは20台で今やアラフィフ、なかなかしみじみ来るものがある。 それはそれとして、2つの話を並行して読ませるってのは「舞踏会へ〜」以来だっけ?「ガラティア2.2」とか「オーバーストーリー」とかよりも「舞踏会へ〜」を思い出すのはそのせいもあるのかな。知識量、詰め込み方はピンチョンみたいやけど、上品というか上手いというか。いや、ピンチョンの収拾ついてるんだかつける気あるんだか、みたいなのも嫌いやないけど。遺伝子解読と音楽、まるで関係なさそうな話を力技と感じさせずに綺麗にまとめてくるあたりはさすが。

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2022/05/02

まごうことなき大傑作 かっこいい。すごい。大好き。 遺伝暗号の解読を主軸に、音楽、文学、美術、とか単独でもメインに十分なり得るヘビー級のテーマを脇役に配しつつ、ある1人の人生の暗号を解読しながらから生命の秘密を解き明かすための暗号をも解読しようとする尖りまくった試み 二重螺旋と対...

まごうことなき大傑作 かっこいい。すごい。大好き。 遺伝暗号の解読を主軸に、音楽、文学、美術、とか単独でもメインに十分なり得るヘビー級のテーマを脇役に配しつつ、ある1人の人生の暗号を解読しながらから生命の秘密を解き明かすための暗号をも解読しようとする尖りまくった試み 二重螺旋と対位法がストーリーと構成において完璧に響き合うエレガントな構造 こ難しくはあるんだけど、決して頭でっかち小説ではなくて、心の琴線に触れる身近なエモーションも同じくらいの熱量で通奏低音として流れてるから、置いてけぼりにされることはない 読後感もすばらしい 舞踏会、ガラテイア、黄金虫、あたりのパワーズ、て才気が溢れまくってんな、とあらためてびっくり。で、やっぱり大好き。 それ以降の円熟味を帯びたパワーズももちろん好きなんだけどね。 『これはうまくいった、継承せよ、そのうえでつねに新たな何かを試みよ』

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